NEWスター候補のSTAYCがアルバム「YOUNG-LUV.COM」でK-POP界を奪いそうな雰囲気

2022年のNEWスター候補、STAYCがカムバック!

 

昨年のK-Popはこれからの女性アイドル勢力図に大きな影響を与える1年になると思っていた。一気にスーパースターに駆け上がっていったIZ*ONEが活動終了を迎え、同じくスーパースターの枠であるMAMAMOOとRed Velvetが7年目を迎えた。韓国アイドルにとってこの7年目というのはキャリアの大きなポイントで、メンバーの一部が脱退することになったりグループが解散するパターンがほとんどだ。仮に1人も抜けず、グループの継続が決まったとしても、個人活動に力を入れ始めるといったメンバーやグループ、事務所の方向性はほぼ間違いなく以前とは違うものになる。そのため自分としてはその後グループ活動を行なったとしても、現役のアイドルという括りに問題なく入れられる7年目以降のグループはかなり少ない。現役アイドルというよりレジェンド枠みたいな感じ。7年目になるまで活動を継続的に行えた時点でかなりすごいって言えるぐらいの難易度だし。

 

そのため2021年に現役アイドルのスーパースター枠が最大で3つも空く可能性があったし、トップの地位にいるTWICEは2022年にこの壁に当たるので、活動内容や楽曲のスタイルなどがとりあえずの最終地点に向かっているのが伝わってくる。

 

 

上の状況が大きく動きそうな2021年は下からの勢いも物凄かった。SMエンターテインメントからデビューしたaespaはルーキーシーズンながらオールスター級の活躍。まだK-Popファンにしか知られていない状態だが、BLACKPINKのように韓国アイドルに興味がない女の子からもファンになってもらえるポテンシャルはかなり高い。またIZ*ONE勢の活躍も素晴らしく、ユジンとウォニョンが所属するIVEもすでに人気が高い。JYPからも間も無くデビューするNMIXXだったりと既に注目度が高いデビュー前組もたくさんいる。Kep1erのようなサバイバル番組グループももちろん人気。上の勢力図が変わりそうな上に新人も例年より豊富、2,3年後にK-Popの歴史を考えた際に「本格的に変わったのは2022年だけど、ターニングポイントのきっかけを生んだのは2021年だったよね!」と話している可能性が非常に高い。そう思いながら楽しんだ2021年のK-Popは新たな風が吹きまくりで個人的にかなり楽しめた。

 

 

そんな2021年に、2020年にはいなかった注目グループになったアイドルの筆頭は間違いなくaespa。KWANGYAという言葉を使って宣伝しているのかと思ったら、aespaを使ってKWANGYAというメタバースを認知させるといういい意味での裏切りプロモーション。大きすぎるメタバースの勢いに全く負けないどころか、逆に飲み込んじゃうレベルで魅力のある4人にクオリティの高い楽曲やダンス。純粋に1組のアイドルとしてもレベルが高い上にビジネス面のパワーも強かったaespaが客観的に見ると2つか3つ抜けているのは明らかだ。

 

巨大すぎる新人aespaと同じレベルで人気がある新人はぶっちゃけいないし、過去を振り返っても対抗できるアイドルは手で数えられるレベルなので対抗馬は存在しないかと思われたが、注目の新人としてNEWスター候補に成り上がったアイドルが1組存在する。彼女たちの名前はSTAYC(ステイシー)。事務所が小さいと売れるまで時間がかかるというK-Popファンの共通認識をぶっ壊し、どんどん人気が出てきているグループだ。

 

TWICEの初期三部作など、数多くの名曲を生んだことで知られるBlack Eyed Pilseung(ブラック・アイド・ピルスン)がプロデュースをするHigh Upエンターテインメントの6人組女性アイドル。小さい事務所でありながらデビュー前からプロモーションに抜かりがなかったこともあり、コアなK-Popファンの目に止まっていたがマイナーであることには違いなかった。そんな中、4月8日にリリースしたアルバム「STAYDOM」のタイトル曲であったASAPが同業者のアイドルたちが踊ったり好きだと発言したことからライト層にも爆発的に知られる存在となった。OH MY GIRLの最初のブレイクのときに若干似た感じ。

 

LEGGOですブログ:  STAYCがASAPでカムバ!渋いビートも可愛く乗りこなす全てが揃った大型新人

 

 

安定のブラック・アイド・ピルスンが自分たちでプロデュースしているということもあり、他のアイドルに提供している楽曲よりも自由に攻めてる感があるし、シンプルに曲もめちゃくちゃかっこいい。ダンスもキャッチーでいいところを攻めてくる。「小さい事務所のなのに、よくこれだけビジュアルのいいメンバー集めれたな!」と若干のディスに見せかけた悪口っぽい称賛を言いたくなる、好きな子をどうぞ状態のメンバー編成。そんなこともあって普段音楽に興味がないアイドル要素重視派の需要、K-Pop以外もがっつり聴くような音楽好きの楽曲重視派の需要も満たしてくれる大注目グループになった。

 

 

そんな2022年にK-Popのオールスターの仲間入り間違いなし?な新たなスター候補生STAYCがアルバム「YOUNG-LUV.COM」をリリースしてカムバックを果たしたので、今回はそのアルバムをレビューしていこうと思う。

 

 

 

 

※追記

シンプルに曲を聴いて感じたことを書いていったら割と偏ったというか、主観が結構強めになりました。自分自身で客観的に見てそう思うのだから間違いない。こういう意見もあえうmんだな!的な感じでお楽しみください。

 

 

 

STAYC - YOUNG-LUV.COM

 

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Photo by Twitter(@STAYC_official)

 

セカンドミニアルバム「YOUNG-LUV.COM」は全部で6曲入り。タイトル曲は1曲目のRUN2U。

 

 

遂にBlack Eyed Pilseung(ブラック・アイド・ピルスン)が関わっていない曲が登場

 

ブラック・アイド・ピルスンがプロデュースするアイドルということで、これまでのSTAYCの楽曲に全て関わっていた彼らだが、他のプロデューサーに任せた楽曲がいくつか存在している。これによって新たな風が生まれてマンネリ化を防ぐことができるが、ぶっちゃけブラック・アイド・ピルスンとSTAYCの組み合わせに飽きたことはないし、結構攻めている印象だったので「早くない?」というのが最初の感想だったが6曲も入っているわけだし、外部の人がプロデュースしていたって驚かないし、不満などは一切ない。逆にどういった楽曲になっているのかが楽しみだ。

 

というわけで基本はブラック・アイド・ピルスンが携わっているので、そういった楽曲に関してはいちいち書かないが、全く携わっていない楽曲に関しては誰がビートをプロデュースしたなども書いていこうと思う。

 

 

1. STAYC - RUN2U

 

 

まずはタイトル曲であるRUN2Uから。この曲はいい意味で想像と違った。

 

 

ティーザーと聴いた段階では2010年付近のK-Popの現代版かと思っていたが、、、

 

今回のタイトル曲ということでMVのティーザーやアルバムのメドレーにももちろん登場、その際に聴いていたビートはもちろんいちばん美味しい部分を切り取っていると思っている。なので2010年頃のK-PopBrown Eyed GirlsのAbracadabraやmiss AのBad Girl, Good Boyのような時代の楽曲(miss Aとか)を思い出させてくれる雰囲気のビートだったので、そういった楽曲の現代版かな?と勝手に想像していたが実際はRUN2Uのイントロの部分、新曲の1つのパートでしかなかった。

 

もちろん急にその部分だけをそっち系にしたわけではないので雰囲気としては若干あるものの、ティーザーの印象が曲のメインになっているわけではなかった。まあ前作のSTEREOTYPEみたいにわかりやすい盛り上がりポイントがある曲ではないので、高揚感のあるイントロ部分をティーザーに使うのは理解できるが、想像していた「2010年付近のK-Popの現代版」というものとは少し違った結果になった。まあその要素はずっと感じれるので、現代版と言えなくもないのだが。バイク乗ってるのとか懐かしい雰囲気だし。

 

 

トラップが当たり前になった時代に誕生した第4代の特徴はやはりハイハット

 

当たり前すぎて言うのも変な感じだが、先ほど現代版みたいなことを言っていたので、K-Popの第4世代の音楽的な特徴について書いておこうと思う。最初に言っておくとこの「〇〇世代」みたいな分け方は個人的に好きじゃない。ざっくり分けられすぎな感じがするし、幅が広いのでもっと細分化できると思っているからというのが理由。K-Popに詳しくない人に説明するには楽だし、議論の場を生み出すことができているのでいい言葉であるとも思ってはいるが。

 

今回紹介しているSTAYCは第4世代に属するアイドルで、この世代の口火を切ったのがITZYとなっている。男女ともにすでにオールスタークラスに成長したアイドルも多く存在しており、韓国国外への意識も高い。K-Popを地球ベースで考えた際、現代のK-Popを盛り上げているという点ではこの世代がいちばんアツいと言えるだろう。

 

 

そんな世代の楽曲的な特徴といえばやはりヒップホップ。この世代が生まれた時代の音楽界は当たり前のようにヒップホップが聴かれるようになっており、2017年にはアメリカでヒップホップとR&Bがロックを超えていちばん売れている音楽のジャンルになっていた。2010年代前半からヒップホップのメインになっていたトラップはあえてトラップということ自体がおかしいというレベルになっており、現代ではヒップホップとはトラップのことを指すといいてもいいような状態だ。

 

トラップのパワーはヒップホップ界だけの話ではない。アメリカでいちばん売れている、つまりジャスティンビーバーのようなポップスの歌手、大衆的な音楽をしているアーティストたちがいちばん売れているトラップを取り入れるのが当然の話。日本ではバンド人気が高いため、ロックのようなジャンルを引っ張ってくるJ-Popの歌手がメインだが、アメリカというかポップス界ではヒップホップを引っ張ってくるのが当たり前になっていた。

 

 

2017年に売り上げがいちばんになったということは、それ以前からかなりアツいジャンルになっていたのは明らか、K-Pop界でもトラップを取り入れるようになっており、2015年にリリースされたBIGBANGのGD&T.O.PのZUTTERは気持ちがいいほどのトラップビート。この頃は珍しかったトラップもITZYがデビューした頃には当たり前のように採用されており、2018年のPRISTIN VのGet Itは10年代前半のヒップホップの要素にプラスしてトラップ、さらにはTravis Scottのgoosebumps由来でヒットした808 Glideの要素もミックス。この808 Glide的な音は2021年のK-Pop界で大大大大大大大大ヒットしていたので、PRISTIN VのGet Itは実はえげつないレベルで過小評価されているのでは?と思うようになり、リリース当時よりも今の方が圧倒的に好きになった。

 

というわけでそんな状態のK-Popなので、当たり前のようにトラップの要素が入っている。特にトラップの特徴である機械的な連続するハイハットの支持率は半端じゃなく、ヒップホップの雰囲気が全くないグループでも息をするように採用しているスタンダードな音に。第4代では息をするように当たり前、つまり現代のK-Popでは当たり前の音であり、現代感を出すには手っ取り早い音となっているハイハット。RUN2Uのイントロ部分を「2010年付近のK-Popの現代版」と表現したということは、もちろんこの部分でハイハットが登場している。この「チッチッチッチッ」という音は当時のアイドルたちの楽曲では見られなかった。このトラップがスタンダードになったビートこそが、第4世代に分類されるアイドルたちの楽曲的な特徴と言って間違いないだろう。多様化しても変わらないK-Popのスタンダード。

 

 

飽和したトレンドとは違ったスタイルのレトロ曲の提案

 

若干矛盾したことを書きたい。このレビューの部分を書いている最中はずっとその曲をリピートして聴きまくっている。つまりこの文章を書いている自分はRUN2Uをずっと聴いている状態。イントロ部分であの頃のK-Pop要素が強いこともあり、曲全体のメインの印象は少し違った的な感想を書いていたが、何回も聴いているとやっぱり「2010年付近のK-Popの現代版」というのがいちばん当てはまるような気がしてきた笑。

 

最初はわかりやすさ上にそれ以降の要素が薄く感じてしまうのだが、イントロ部分に聴き慣れてくると全体的にあの頃っぽさを感じるようになってくる。やっぱりこの曲は第一印象のままじゃね?といった具合に。

 

 

韓国でレトロな楽曲が流行したことでアイドルたちもそっち系にシフト、BTSの世界的ヒットも後押しとなり、ファンクやディスコ系のレトロ曲がK-Pop界を席巻している。その異常すぎるブームに自分は完全に飽きており、大好きなグループでもそっち系の新曲は数回聴いて終わりという現状。たまに飽きなんか関係なく刺さる楽曲もあるが、そんなのはごく少数という状態だ。

 

ただ別にレトロな曲が嫌いとか、そういう曲をリリースするグループのアンチとかは一切ない。そのトレンドに走る意味もわかるし、大衆的な音楽では当たり前。純粋にファンク系に飽きたというだけの話。なのでレトロを引っ張りつつも、トレンドのそれとは違う部分から引っ張ってきてくれているSTAYCとブラックアイドピルスンには感謝しかない。しかも単純に当時の曲を行わずにしっかり現代版にアップデートされているので、他のK-Popや違うジャンルの曲との相性もいい。STAYCのRUN2Uがヒットして「トレンドとは違う部分からレトロ要素を引っ張ってくる」というスタイルが流行してもらいたいものだ。

 

Apple Music: STAYC - RUN2U

 

2. STAYC - SAME SAME

 

Apple Music: STAYC - SAME SAME

 

2曲目はSAME SAMEで考えようによってはトレンド系。

 

 

SO BADやSLOW DOWNと同じく、808 Glide系のサウンドが特徴的な1曲

 

 

もう何回もこの曲を例に挙げたし、先ほども触れたけど一応ね。Travis Scottのgoosebumpsで大胆に採用されて、一世風靡した808 Glide。低音をグイーンとかブイーンって感じにした音ね。元々ドリルなどで聴き慣れた音だったが、この曲でメインストリームでも大流行。時は流れて2021年のK-Pop界でも大大大大大大大大ヒットしている。ファンク系のトレンドが曲のスタイルなのに対して、こっちは音なのでどんな楽曲でも取り入れることができるため、ファンク系レトロよりも808 Glide系の音を採用しているK-Popの方が圧倒的に多い。いちばん多いパターンとしては以前はラップパートでビートチェンジする際にトラップビートになっていたのが、今ではプラスして808 Glide系の音も入ってきている感じ。最近の曲だとムンビョルのLUNATICなんかがわかりやすい。もろにそれという意味だとITZYのTHAT'S A NO NOの2番の最初、リュジンのバースが最強にわかりやすい。

 

この方法をメインに採用した楽曲がSTAYCにも存在しており、デビュー曲のSO BADがまさにそれ。ちょうどその時期はアトランタやUKなどからのブルックリンドリルが大流行、Pop Smokeが亡くなってからも下火にはなっていなかったので、決してドリルとは言えないが共通する音の特徴があるということもあって、ヒップホップも好きな自分としてはすんなり入ってきた。

 

 

デビュー曲でがっつり採用したものの、それ以降は引っ張らずに新曲をリリース。そして前回のアルバム「STEREOTYPE」に収録されていたSLOW DOWNで再び採用、そしてSAME SAMEでも取り入れたことで808 Glide系はSTAYCのシグネチャーの1つと言っていい気がした。何ならもう1曲飛んでもないのがあるしね。

 

LEGGOですブログ: STAYCのカムバは裏切らない!STEREOTYPEは名曲揃いと言い切ってもいいよね

 

 

ってなわけでSTAYCのシグネチャーである808 Glide系のサウンドを取り入れた可愛い系の曲がSAME SAME というのが感想だ。全然関係ないけどMOMOLANDのSame Sameもかなり好き。

 

 

 

3. STAYC - 247

 

Apple Music: STAYC - 247

 

ここにきてブラックアイドピルスンが関わっていない曲が登場だ。

 

 

BXNが247をプロデュース。シンサドンホレンイの系譜、Apinkコネクション

 

これまで数多くのK-PopをプロデュースしてきたBXNが作詞、作曲、アレンジの全てを担当。このLEGGOですブログの由来になっているEXIDの楽曲もシンサドンホレンイとともに関わった経験がある。またブラックアイドピルスンもシンサドンホレンイとともに楽曲を生み出してきた経歴があるので、ある種のシンサドンホレンイキッズである両者の組み合わせは至極当然な流れ。

 

またBXNはApinkと仕事をした経験もあり、ブラックアイドピルスンはApinkのI'm So Sickなど最近の彼女たちのスタイルのタイトル曲を数多くプロデュース、また元々メンバーのスミンがApinkの所属していたPlay Aエンターテインメントの練習生だったこともあるので、シンサドンホレンイの系譜とApinkコネクションの両方を感じることができる楽曲となっている。

 

 

R&Bベースのグルーブ感じる系歌モノ

 

この曲のレビューはものすごく簡単。シンプルにグルーブ感のあるR&Bだ。これまでにないほど大人っぽいうビートでも余裕で乗りこなせるSTAYCのボーカルはさすが。90年代のヒップホップやR&Bの雰囲気もバリバリに出ており、NFLスーパーボウルNBAのオールスターでMary J. Bligeを聴いて懐かしく思っていた人にはちょうどいいのではないだろうか。

 

 

4. STAYC - YOUNG LUV

 

Apple Music: STAYC - YOUNG LUV

 

先ほど247のレビューはものすごく簡単と言いましたが、YOUNG LUVも簡単。しかも表現がどうなのって感じです笑。それは、、、

 

 

エモい

 

ここ数年でエモいという人が大量に増えた。もうこの言葉はおしゃれと同じぐらい適当で「emotional」とか関係ない、知識のない人が適当にいう言葉。エモいと音楽を表現する人は信用できない!と言っても怒られないでしょ?と言えるぐらい雑な言葉で、信頼性が極めて低い。

 

ただこの言葉はバッチリ当てはまると他に変えが効かないぐらいわかりやすく説明できるし、Emo Rapのようにエモという言葉を使われることもある。日本ではロックの人気が根強いので、エモ系のビートはすんなり受け入れられるのだろう。J-Popでもこっち系の雰囲気の曲は支持されているし。若い世代、K-Popのメインとなっているであろうファン層にも刺さりやすい

 

バンドというよりはエモラップ系

 

ただこのYOUNG LUVはJ-Popのそれとはちょっと違う印象がある。それはギターの音などが打ち込みであるという点。日本人が好きなエモい系の曲の知識がないので変なことを言っているかもしれないが、J-Popのエモい系の曲ってバンド由来のものが多いでしょ。ってことは音が生系のはず。それに対してYOUNG LUVのギター等は打ち込み系のギターの雰囲気でバンドのそれとは別物。どちらかというとエモラップのようなタイプに近い印象だ。ヒップホップ系の音もしっかりミックスされてるし。

音楽のプロじゃないから違ってたらすみません。

 

 

まあここで言うヒップホップ系の音はK-Popでも当たり前になっている音なので、決してこの曲がヒップホップとは思わないが、どちらかというとLil Peepみたいなエモラップの雰囲気というのは音楽好きならわかるはずだろう。やはりK-Popという音楽はビートに合わせて歌っている感がある。客観的に考えるとちょっと自分の見方が偏っている感もあるけど主観で語るって言ってるし、間違ってもないとは思う。

 

 

5. STAYC - BUTTERFLY

 

Apple Music: STAYC - BUTTERFLY

 

5曲目はBUTTERFLY。歌モノで若干lofiっぽい雰囲気もあり。先ほどまでエモラップとか言っていたせいか、イントロ部分がJuice WRLDのAll Girls Are The Sameに感じてしまったのはここだけの話。

 

 

アルバム「YOUNG-LUV.COM」のR&BパートはBXNにお任せあれ

 

 

この曲もブラックアイドピルスンはなし、BXNにプラスしてPrime Timeという人物が参加。イントロ部分で感じてしまったJuice WRLDのAll Girls Are The Sameと曲の雰囲気も割と近め。イントロ部分のメロディーを軸にして曲を展開、ちょくちょくイントロと同じものを放り込んでくるスタイル。この曲はR&Bベースの歌モノK-Popで、Juice WRLDは歌モノのヒップホップということで曲自体は全くの別物だけど、すごくざっくりしたところでは結構近しく感じる。ちなみに自分は247より圧倒的にBUTTERFLY派。後半のピアノと歌声だけになるビートチェンジとかめちゃくちゃ渋い。とりあえず2022年のR&Bを感じるK-Popの中ではすでに1位。

 

 

6. STAYC - I WANT U BABY

 

Apple Music: STAYC - I WANT U BABY

 

自分的にティーザーの段階でぶっちぎりで引っかかった問題作。この曲についてツイートしたら割と反応も良かったので、おそらく人によってはいちばん気になった曲だろう。

 

 

プロデュースはwill.b

 

 

問題の曲に入る前にまずはプロデューサーから。この曲を担当したのはwill.bとvan goghの2名でメインはwill.bとなっている。ネットで調べてもほぼ情報がない、言ってしまえば無名なプロデューサー。インスタのフォロワーもこのブログを書いた今の段階で51名しかいない。そんな彼だが、まさかまさかの自分がDreamNoteの曲でいちばん好きなBitterSweetをプロデュースしており、作詞にvan goghもいるということで完全にSTAYCのI WANT U BABYと同じ布陣になっている。まさかの2020年1月からファンだったとは!種はこっそり撒かれていたのか。

 

 
 
 
 
 
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will.b(@will.b__official)がシェアした投稿

 

インスタを見ると他のコンテンツでもSTAYCと絡んでいたっぽい。気になった方はフォローしてみてね!おそらくいちばん情報があるのはwill.bのインスタだと思う。

 

 

韓国アイドル初?がっつりドリルビートを披露

 

 

SAME SAMEのところでドリルで使われる808 Glideのような音はK-Popでも積極的に採用されており、えげつないレベルでヒットしていると書いたが、その起源はどちらかというとTravis Scott由来であって本格的にドリルを感じる韓国アイドルの曲なんて存在しなかった(自分調べ)。そんな中まさかまさかのSTAYCがI WANT U BABYでがっつりドリルビートの曲を披露。確かにない話ではないし、ドリルで歌う曲も存在する。ご存命のドリルを得意とするラッパーでおそらくいちばん知られているFivio Foreignの新曲でアリシア・キーズも歌ってたし。ただまさかの女性アイドルであるSTAYCが本格的なドリルビートを出すと思った?NCTなら可能性はあるぐらいしか思ってなかったぜ。トラップの言葉の元になっているトラップハウスはもちろんコカインの密売所、もちろんドリルだって最高にガラ悪い。暴力的でダークな音楽を可愛い女の子がやってるって面白いよね。

 

 

ダークだけどダークじゃない、アイドルとドリルがまさかの化学反応か?

 

先ほど書いた通り、元々のドリルは韓国アイドルを扱ったブログで書くべきではないような暴力的コンテンツなので、一般的なそれの歌詞の内容とのギャップが半端じゃない。タイトルがI WANT U BABYだぜ!ゴリゴリのドリルの人があなたを欲しがったらどんな内容になるのか。ってか欲する気持ちとかじゃなくて、、、、、、、って感じ笑。

 

仮にヒップホップが好きと言っている人でティーザーの段階から何も引っかからない人がいたら、その人はフェイクだ!ヒップホップが好きじゃない!にわかだ!と言い出す人がいてもおかしくないレベルでドリル、それぐらいのレベルでヒップホップでは知られているジャンル。だから「R&Bベースの歌モノって言われましても、ねえ」とどうしてもヒップホップ好きならなってしまう。ビートのダークさを消すことは絶対にできない。

 

それなのに何故だろう。曲全体としてI WANT U BABYを聴いてみるとダークさは一切なく、透き通ったSTAYCの歌声が印象に残る。スイカにあえて塩をかけることで甘さを引き立たせるのと同じやり口、ダークなビートに可愛い女の子たちの声を合わせることでものすごく奥行きを感じられる1曲に。思いがけないケミストリーを生んだ!とはI WANT U BABYのことではないのだろうか。

 

 

一応ドリルとか何も知らない人目線で考えるとR&B系の歌モノになる気がするが、ドリルという存在を知っている身としては一切そういう風には思えないので、R&B枠最強はBUTTERFLYということにしておく。ただ実際のところ、YOUNG-LUV.COMでいちばん好きなのはI WANT U BABY。SHINeeNCTが自分たちの曲でPop SmokeのWoo Danceを振り付けに取り入れていた(サビ前のDon't Call Meって連呼してる時のやつ)けど、本当の意味でWoo Danceができる正統な韓国アイドルの曲が生まれたね!みんなでやろうぜ!

 

 

(追記)数週間経過した時点で感じたSTAYCとUK/NY Drillの違い

 

毎月行っている1ヶ月間のお気に入りのK-Popを紹介するブログ、それの2022年2月号を作った際に、数週間経過した時点でのSTAYCのI WANT U BABYと本格的なUK/NY Drillとの違いを書きました。この曲についてもっと深く知りたい!という方は、ぜひそちらも参考にしてみてください。

 

LEGGOですブログ:  【2月K-POP】STAYCの新提案、NMIXXの神がかり的な一言。次世代の勢いがマジでやばい

 

 

 

 

 

渋く攻める精神はそのまま、新しさもあるハズレのなしのSTAYCの新曲たち!ここに登場

 

 

以上がSTAYCの新しいアルバム「YOUNG-LUV.COM」のレビューでした。ブラックアイドピルスンがプロデュースした楽曲はもちろんのことながら、BXNとwill.bの曲も抜群。ビートも渋くて一般的なK-Popとは一味違う。何がやってきても任せなさい状態のSTAYCはマジで実力派だと思う。ビジュアルだけじゃないよ。

 

どれだけ好きなアイドルでも99%の確立で興味のない曲が存在するし、STAYCの個人的ヒット曲の到達点がすごすぎて、聴かない曲に関してはとことん聴かない!というのが自分の現状である。iTunesの再生回数は1000を超えるものもあれば、1桁のものもあるって感じ。自分の好きなアイドルに曲は全て好きじゃないといけないみたいな、えげつない思想ももちろんないし。なので全ての曲が好きだったK-Popのアルバムというのは自分の中でかなり少ないのだが、STAYCのYOUNG-LUV.COMはそのリストに入れられる可能性がかなり高く感じるぐらい好印象でした。現段階でいちばん下なのが、まさかのタイトル曲であるRUN2UってぐらいB面の完成度も高い。このカムバックのスピードだと全て自分たちで作っていたら詰めすぎな感じもするので、半分を外部のプロデューサーに託したのは正解でしかなかった気がする。

 

 

今回のレビューは書きながら思ったけど、結構ヒップホップ的な視点があるとより深く楽しめる気がした。実際はヒップホップ系の曲ってないのにね。そういう点でもそうだし、R&Bが結構あった点からも今作はこれまでのSTAYCにはなかった新しさを感じることができた。主観強めだけど間違ったことは言っていないと思うし、賛同してくれる人もいると思う。みなさんの印象とを比較して楽しんでもらえたら幸いです。ってか色々書いてきたけど、そんな知識とか考えとか一切必要ないぐらいシンプルにかっこいいってのが強い。結局そこよね。まだ2月なので早いという気持ちはもちろんあるけど、2022年の最優秀アルバム候補に入る可能性はかなり高い。第一印象は好印象でしかなかった。強いてマイナス点を言うならタイトル曲で「STAYC girls, it's going down」がなかった点ぐらいの最高なカムバでした。

 

 

 

最後にSTAYCの最新アルバム「YOUNG-LUV.COM」の全体のApple Musicのリンクを貼っておきます。本当の意味で捨て曲なしなので、MVのない曲もぜひチェックしてみてね。2月中に旬の過ぎた時期外れのブログが何本か出ますが、遅えんだよ!という気持ちは心の中にしまって読んでください笑。また下にこのブログのTwitterなどSNSのリンクがあるので、よければフォローお願いします。ではまた!

 

Apple Music: STAYC - YOUNG-LUV.COM

 

 

 

 

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