Red VelvetのQueendomは聴くだけにとどまらずK-POP好きなら1度は客観的に考えるべきアルバム

1年8ヶ月ぶりにRed Velvetが帰ってきた!

 

遂に彼女たちが完全体でのカムバックを果たす!

 

 

2019年12月にリパッケージアルバム「‘The ReVe Festival’ Finale」以降、グループ全体でまとまった新曲をリリースしていなかったRed Velvet(レッドベルベッド)。前作以降もアイリーンとスルギによるMonsterのリリースや、ウェンディのLIKE WATER、ジョイのHello、イェリのドラマ出演など個人やユニット単位での活動はあったし、Red VelvetとしてドラマのOSTはリリースしていた。ただグループ全体としてのいわゆるカムバック的な活動はなかったこともあり、韓国アイドル全体の音楽面での活動を客観的に見てみると、‘The ReVe Festival’ Finaleリリース以降のRed Velvetはどちらかというと静かな印象だった。

 

 

そんなRed Velvetが2021年8月16日にアルバム「Queendom」をリリース。完全体でのカムバはRedVeluvのみならず、K-Popファン全ての待望だっただろう。というわけで今回はそんなレドベルの新作アルバムをレビューしていく!

 

 

*追記

お気づきだと思いますが、このブログを書き始めた時点と今ではかなりの開きがあります。想像以上に長くなってしまったのでリリース後すぐに書き終えることができず、そのまま公開時期を見失ってお蔵入りになっていました。この度、レドベルが2022年3月21日に新たなミニアルバム「The ReVe Festival 2022 - Feel My Rhythm」をリリースするということで、今しかない!と思って公開することにしました。なのでただでさえ書くのに時間がかかって様々な時点での自分がいる上に、変な時期に公開したものになっています。なので、

 

  • Queendomがリリースされる前に書いていた部分
  • リリースされた日に曲を聴きながら書いている部分
  • リリースされて数日以降に書いている部分
  • 2022年、現時点で公開するにあたって修正や加筆を行った部分

 

と様々な視点があります。なので文章的に「あれ?言っていることおかしいぞ?」と感じる部分があると思いますが、ゆるい気持ちで読み流してください笑。最初のこれを今回の注意ポイントとして書いておきます。カムバに向けての前作の復習としてどうぞ。

 

 

 

 

 

 

完全体としてレドベルがカムバするまでの長かった道のり

 

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Photo by Twitter(@RVsmtown)

 

今回のカムバックはものすごく感慨深いものがある。それはデビュー以降コンスタントに新曲をリリースしてきたグループが、完全体として初めて明らかなペースダウンを経験していたからだ。

 

 

前作「‘The ReVe Festival’ Finale」リリース以降にレベに起こったことの大きさ

 

不運とか災難という言葉でまとめることはできないが、この1年8ヶ月という期間でRed Velvetにはダメージを受ける大きな出来事がいくつか起こった。その大人気グループに起こった様々な出来事にRedVeluv以外の人々からの注目も集まっていた。

 

2019年12月25日に起こったウェンディの怪我

 

前作の‘The ReVe Festival’ Finaleをリリースしたのが12月23日、なんとその2日後に行われたSBS歌謡大祭典のリハーサル中にメンバーのウェンディがステージから転落、顔を負傷し体の数カ所を骨折する事故が発生。しかもこの事故がウェンディのミスというわけでもなく、リハーサル中から危ないのでは?と言われていたステージの構造上によるものが大きな原因となっており、その危険性に巻き込まれたのがウェンディとRed Velvetだったというもの。

 

新曲をリリースした2日後、しかも年末ということでこれからどんどん活動をするぞ!というタイミングだったのことが、よりこの事故のダメージを大きくした。しかも数カ所骨折した上に顔の負傷したという大怪我で、後遺症は大丈夫?などといった不安の声も多数生まれた。この事故はRed Velvetのファンのみならず、全てのK-Popファンがウェンディの無事を祈る大きな出来事となったのだ。

 

2020年、日本アリーナツアー「Red Velvet Arena Tour in JAPAN - La Rouge」期間中にコロナが流行

 

これに関してはRed Velvetだけの問題ではなく地球規模での出来事なのだが、2020年に世界中でコロナが大流行し、現在では当時以上にその影響が出ている。コロナというものが認知され始め、社会に影響を与え始めた時期にRed Velvetは日本でアリーナツアーを行なっていた。

 

ウェンディが怪我の影響で活動に参加しておらず、4人体制でスタートしたツアーは「レドベルに会えるのは嬉しいけど、ウェンディが心配で手放しでは喜べない」というなんとも言えない感情だった。それでもやっぱり見れるのは嬉しいし!ということで、自分も横浜アリーナで行われるコンサートに行くつもりでグッズだけ先にネットで購入してテンション高めで待ちわびていたのだが、その横浜公演がコロナで中止となった。コロナの影響は日本でのツアーだけの話ではないのだが自分は日本人だし、このブログへのアクセスもほとんどが日本からなので影響を受けた人が多そうということで、このトピックをチョイスした。グッズとして購入したTシャツはデザインがイケてるので普段着として愛用しているが、このTシャツを着ると「見に行くつもりだった公演が中止になった」という記憶が自動的に思い出させられるので、若干複雑な気分になる笑。

 

2020年10月アイリーンのパワハラ疑惑

 

コロナの影響は受けたものの、アイリーンとスルギによるRed Velvet初のユニットが7月にアルバムをリリースした。ウェンディやコロナのこともあるので元通りとは言えないが、徐々にこれから昔のようにRed Velvetが楽しめるようになり始めるのかな?と思っていた矢先、アイリーンのパワハラ疑惑というニュースがK-Popファンに衝撃を与えた。この出来事に関しては何が真実なのかはっきり言い切れない、感情論もある上に立場によって見え方も変わってくるタイプの内容なので詳しくは書かないが、アイリーンを非難する側の意見の方が多い結果となっていた。

 

ウェンディの事故やコロナと違い、アイリーンの場合は原因が自分達側にある可能性があるため、この出来事が与えた影響は大きく、今回の新曲に関する情報が公開されてやっとアイリーンが表舞台に戻ってきたという状態に。現時点でもインスタのストーリーで新曲のPRはしていたが、他のメンバーたちが今回のオフショットなどを投稿している中、現時点ではアイリーンのみそういった写真の投稿をしていない。

 

 

*追記

 

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Photo by Instagram(@renebaebae)

 

Queendomの活動が始まった数日後、2021年8月20日インスタにアイリーンが約10ヶ月ぶりの写真の投稿がありました。元々投稿が多い方ではないけれど、今後はアクティブになると思われるので気になる方はチェックしてみては?

 

Instagram: @renebaebae

 

 

スーパースターであることは変わらないのに、どうしても勢いが衰えたという印象がある現状

 

 

そういった大きな出来事があったもののウェンディも無事に回復、2021年にはスルギ、ウェンディ、ジョイ、イェリの4名が積極的に個人活動をしていた。新曲のリリースももちろんあった。相変わらず人気者、しかもK-Pop界のスーパースタークラスであることは変わらないのに、グループ全体としての活動がなかったことと最後に世間に広まったレドベルの大きなニュースがネガティブな内容だったこともあり、どうしても勢いが衰えたというイメージがある。デビュー以降、ペースが落ちることなく活動し続けていたグループが急にストップしたからというのも、このイメージを生んだ大きな要因の1つだろう。またK-Popファンにとって大きな意味を持つ「7年」という時期が迫っていることも大きい。

 

Red VelvetはK-Pop界のステフィン・カリー?

 

 

今回のカムバまでのRed Velvetとかなり近いイメージを持つ人物がいる。それは現在NBAのゴールデン・ステイトウォリアーズに所属しているステフィン・カリーだ。バスケットボールやNBAが好きな人なら知らない人はいないレベルの人物で、2度のMVPと3度の優勝を経験している現在地球上でポイントガードとして最高の選手という声も多い。カリーの象徴として挙げられる3ポイントは歴代最高、しかも圧倒的に。彼の所属するウォリアーズは2015-16年シーズンにレギュラーシーズン歴代最高勝利数を叩き出した。NBAやバスケを全く知らない人でも絶対に名前を聞いたことがあるマイケル・ジョーダンシカゴ・ブルズで記録した勝利数を抜いたと言ったらイメージしやすいだろう。レギュラーシーズンではあるが、バスケットボールの神と言われた人物が全盛期に所属していたチームより勝った試合数が多かったのだ。

 

そんな歴代最高のシューターであるカリーとバスケのこれまでの常識を変えた最強のチームであったウォリアーズだが、3連覇のかかった2018-19シーズンの優勝を決める最後のシリーズ中にに主要メンバーたちが相次いで大怪我。しかも復帰まで1年レベルで必要となる怪我や復活したところで歴史的に見ても元の姿に戻れた人がほぼいないような怪我。不運が重なって結局3連覇を逃すこととなった。次の2019-20シーズンにはカリー自身が骨折をし長期離脱、シーズン1位だったチームが次のシーズンに最下位になるという未だかつてない出来事が起こったのだ。また2018-19シーズンに怪我をした主要メンバーがオフシーズン中に再び大怪我、2020-21シーズンはカリーは1人で大活躍をしMVP候補に選ばれたものの、再びウォリアーズはプレーオフに進出することができなかった。

 

 

全く関係なさそうに感じる話だが、先ほど説明したカリーの現状がものすごくRed Velvetと被っている。カリーというのは現在33歳でまだ全盛期レベルの活躍ができているものの、NBA選手の一般的な情報に当てはまると全盛期の期間というものはもう終わりが近いと見られている。歴代最高のシューターと誰もが言う人物の全盛期を優勝候補で過ごせていない、しかもその大きな原因が怪我という、自分たちの実力の問題ではない部分であるということ。こういったことから「カリーが勿体無い」という意見が世界中のNBAファンからここ数年で続けている。本人自体はMVP候補に選ばれるほど活躍しているのに、優勝を決めるためのプレーオフに2年間も出られていない。少し前までは文句なしの最強チームと呼ばれていたのに。このカリーに対する意見がものすごくRed Velvetと被る。

 

カリーと同じくスーパースターであることは今も全く変わらないのに、完全体としてアルバムをリリースするのに1年8ヶ月かかった。しかもSMエンターテインメントのせいとかではなく、外的な要因が大きい。ウォリアーズの勢いが衰える最初のきっかけが怪我だったのもRed Velvetと被ってくる。アスリートの肉体的な衰えと韓国アイドルの7年、全盛期が過ぎても活躍する選手はたくさんいるし、7年経っても普通に完全体で活動し続けるグループもいる。これはカリーやレベのことを言っているわけではないが、どちらかというと「衰える選手や解散するグループの方が多い」というデータが業界的にあるため、何も考えずにいることはファンにはできない話。そんなこともあってK-PopファンでNBAファンである自分としてはどうしても2組に繋がる部分を感じていた。

 

 

そんなウォリアーズはまだ怪我からメンバーが戻っていないが、 レドベルはひと足お先に復活を果たした。マジで最高!Red VelvetのCDを買ったことがある人ならわかると思うけど、CDについてくるポスターが他のアイドルに比べてだいぶ多いじゃん。しかも「アイドルのビジュアルどかん!」みたいな単純なタイプじゃなくて、アルバムのテーマに合わせてこだわったやつ。自分はPeek-A-Booのアルバム「Perfect Velvet」のテーマがめちゃくちゃ好きで、そのアルバムについてたポスターがでっかい上に世界観ばちばちで外国の映画のポスターみたいなノリなんだよね。それがすごく好きでおまけのポスターなのに、本体であるCDの3倍ぐらいする額を世界堂で買って今も家に飾っている。K-Pop関連のもので飾っているものって、このポスターだけなんだよね笑。他のものは普通に収納されている。そんなわけで自動的にレドベルは毎日見るわけ。そういったわけで実は「見る」という意味では韓国アイドルで圧倒的トップになっている。そんな毎日見るグループの久しぶりにカムバが嬉しくないわけないじゃん!ちなみに記憶が正しければ、K-Popファンお馴染みのOKAMOTO'Sのオカモトレイジも部屋にMonsterのときの特典のスルギのポスターを額装して置いていたはず。やっぱあのでっかいポスターいいよね!ということで、ぜひみんなポスターにも注目してみて。公式かつ入手が簡単な上にめちゃくちゃ渋いという最強グッズだから。

 

ニックネームがRed VelvetというNBA選手ケビン・ハーター

 

 

アルバムに関して書く前にNBAの話をせっかくしたので、もう少しだけ寄り道させてください笑。実はRed Velvetというニックネームを持つNBA選手がいる。それはアトランタ・ホークスに所属するケビン・ハーターという選手。98年8月生まれでハーターとRed Velvetのメンバーたちが日本人だったら、ハーターとイェリは同級生。

 

彼が所属しているホークスの本拠地がアトランタ。この場所は現在もっとも支持されているヒップホップの地域で、Red VelvetがBad Boyで大胆に採用、その他の曲や他のアイドルたちも取り入れ、世界でも今やトレンドを通り越して当たり前になったトラップの発祥の地である。K-Pop的にはかなり早い段階でトラップを大胆採用したRed Velvet、そんなトラップの本場にあるチームで活躍しているRed Velvetというニックネームを持った選手がいる。K-Pop、ヒップホップ、NBAという3つの知識を使ったウンチクに見せかけて、全く関係のない言葉遊びみたいなものをさせていただきました笑。

 

 

というわけで前置きプラス無駄話だけで1つ分のブログぐらいは普通にあるレベルになっちゃいましたが、めちゃくちゃ楽しみだったRed Velvetの新しいアルバム「Queendom」の紹介という本題をここからさせていただきます笑。

 

ちなみにみんなは「レドベル」派それとも「レベ」派?2文字で表現するのは文字で書くと人によっては伝わらない可能性があると思うからレドベル派だけど、普通にレベと言っちゃうときもある。Rocket Punchはロケパンかロポンよりは別れてない気がするけど。

 

 

 

 

 

Red Velvet - Queendom

 

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Photo by Twitter(@RVsmtown)

 

今作はミニアルバムということで全6曲入り。タイトル曲は1曲目のQueendom(アルバムタイトルと同名)。最初に言っておくとSM考察勢じゃないのでKWANGYAやKOSMO周りの話はしません笑。

 

 

1. Red Velvet - Queendom

 

 

AirPodsを落とした先に異能の力を持ったRed Velvetの面々がいたら最高だよね。まあ自分はBluetoothのイヤホンだとPowerbeats Proを使っているので、そんなシチュエーション生まれないんだけど。あとレドベルはテーブル囲みがち。

 

 

スウェーデンノルウェー、やはりレドベルには北欧のプロデューサーあり

 

曲としてのQueendomだけでなく、アルバムのQueendomにはスウェーデンノルウェーといった北欧のプロデューサー陣が関わっている曲が多い。主にスウェーデンのEKKOという音楽出版社、そしてノルウェーのDsign Musicというソングライターチームが関わっている。QueendomにPose、Knock On Wood、Pushin' N Pullin'にはこのどちらかのチーム、もしくは両方が作詞や作曲に関わっている。もちろんそこに韓国人の人も関わっている場合はあるが、基本的に外国人のチームが作り上げている。他の収録曲であるBetter BeとHello Sunsetにも外国のプロデューサーが参加している。

 

K-Popはもちろん韓国の音楽なので、韓国人がメインで曲を作っているパターンの方が多い。現在ではグループの知名度や事務所の大小に関係なく、外国のプロデューサーを採用することは増えてきたが、定番レベルで言えば比較的新しめである。ただこのRed Velvetというグループはデビュー当時から外国の血が流れていた。

 

SMエンターテインメントは早い時期から積極的に海外のプロデューサー、特に北欧出身の人物たちを楽曲に向かい入れていた。そんな彼たち、彼女たちのセンスはK-Popに新たな一面を与える結果となる。少女時代の実験的な楽曲だったI Got A Boy、f(x)のRum Pum Pum Pumなど当時衝撃的だったSMのK-Popというものの陰には北欧のプロデューサーが存在していた。

 

この新たな風がかなり効果的だったのか、現在に至るまでSMエンターテイメントの裏には北欧プロデューサーあり!と言ってしまっていいレベルでがっちりとした関係性を築いている。そんな事務所から生まれたグループ、少女時代の大衆性とf(x)の実験性をミックスしたRed VelvetというグループがHappinessの段階から外国の血が流れていたのは当たり前の話なのだ。

 

なのでRed Velvetここにあり!と同義であるQueendomというタイトルのアルバムに、がっつり北欧のプロデューサーが絡んでいるのはものすごくしっくりくる。作詞作曲にまで細かく書いていくつもりはなかったが、今作のタイトルがいい意味で重いものだったしリンクしているように自分は感じたので、ここでまとめて書いておいた。

 

 

メロディーが好み=勝ち確定?

 

Quenndomを初めて聴いたとき、開始5秒でこれは好みの曲だと判断した。その理由はメロディーでイントロ部分の段階で完全に引き込まれた。

 

自分は音楽の専門的な知識があるわけではないしビートメイクをした経験もない。なのでイメージで話をすることになるのだが、ヒップホップのビートってメロディーを最初に作っている印象がある。K-Popもバンドが演奏というよりもビートに乗って歌っているという印象が強いので、スタイル的にはロックとかよりもヒップホップの方が近いだろう。ロックとかはどういう風に作っているのかとか全く分からないので全ての音楽で共通した話かもしれないが、ここでは一旦置いておいてヒップホップを例に挙げて考えることとする。

 

 

先ほども述べた通り、ヒップホップって曲のメロディーをある程度決定した後に808の低音やドラムス、ハイハットなどを加えていく印象がある。もちろん全ての曲がこういうスタイルかどうかは分からないし、自分の見たものが偏っているだけかもしれないが、恐らくメロディーを最初に考えることが多いだろう。つまりメロディーがその曲の軸となっている。ビートの変化が激しいく、ヒップホップに比べて加えられる音が多いK-Popでも同じようなことが言えるだろう。そういう風に考えるとメロディーとはその曲の軸となる部分だと考えられる。その軸が自分の好みということは曲自体が好きな可能性はかなり高い。

 

ビートをファッションに置き換えるとキックやドラムス、ハイハットやギターはその人を着飾るTシャツやスニーカー、アウターやアクセサリーとなってくるだろう。ではメロディーは?ビートの軸ということはファッションで考えると服を着ている人間自身になってくるのではないだろうか。つまりどれだけ自分が好きなスニーカー(ハイハット)を履いていたとしても、その人自身に引っかかる部分があったら好きにはならないはず。逆を言えば好きな人だったら何を着ていても異性や同性、年齢など関係なく好きでしょ?つまりメロディーもそういうこと。第一印象がファッション的に好みじゃなくたって性格があったら仲良くなるはず。つまりビートを初めて聴いたときに「むむっ?」と思ったとしてもメロディーが好きだったら、後からじわじわやってくるはず。そうなる可能性が高いと自分は思っている。

 

もちろん音楽はビートだけじゃないのでファッションでいうところの人間そのものという考えはおかしい話だが、K-Pop好きの中で歌を聴いただけで歌詞も全部わかっちゃいます!みたいな人はかなり少数だと思う。だって自分たちは日本人で歌は韓国語なんだもん。韓国人ばりに言葉が理解できる日本のK-Pop好きなんでどれだけいる?ということはJ-Popのような歌詞まで全てわかってしまう曲よりも、K-Popやいわゆる洋楽なんかは日本の曲に比べてビートから受ける全体的な印象の割合が高いことになる。音としての聴きごたえ95%、歌詞の内容5%みたいな人もかなり多いだろう。そう考えると聴きごたえの2つの軸である歌声とビートのうちの1つの軸であるメロディーが好きってめちゃくちゃ強いと思うわけ。というわけで「メロディーが好み=勝ち確定?」と言ってみた。

 

 

というわけで自分は開始5秒でもしかしたらQueendom最高?と思った。

 

 

RedとVelvetの狭間

 

レドベルの曲ってVelvetっぽいみたいな特殊な表現をすることがある。これは少女時代の大衆的なキャッチーさとf(x)のような実験的な雰囲気をミックスしたグループだからということも影響してるし、めちゃくちゃ元気なノリから渋めのノリまであるRed Velvetというグループの幅の広さも影響している。

 

自分が好きだった出だしのイントロの雰囲気だけで判断するとRussian RouletteやSAPPYみたいなテンションかなと思ったけど、徐々に「あれ違うかも」という気持ちになってきた。

 

絶妙な2stepのノリ

 

その「あれ違うかも」と思ったのは12秒ぐらい経った時。スルギの「Queens」という言葉とともにエンジンがかかり始めたQueendom。するといきなり2step的なノリの音が入ってきた。2stepやUKガラージ的なノリってSMエンターテインメントの曲を聴いていると度々登場する。まあSHINee大先生やf(x)大先生たちの名曲の印象が強いってのもあるけど。その2step的なノリ全開で来るわけではなく、ちょいちょいアクセントとして投入してくる。この渋い感じが可愛い系のノリというよりもPeek-A-BooやZimzalabimのようなタイプなのか?と迷いを生んだ。初めて迷いが生まれた段階でまだ本編の歌は始まっていない。

 

直球なの?変化球なの?スーパーハイブリット

 

どんどん曲を聴くにつれて「わかったぞ!これはどっちもなんだ!」と思うようになった。2step的なノリに加えて、リズム感がニュージャックスウィングっぽいクラップ?の音、自分がK-Popとミックスされるのが好きなジャンルのテンションを感じられるようになってきた。もうこの段階でメロディー以外の音まで完全に好きになっている。完全に勝ち確定。どう考えたって盛り上がるしかないように最後のサビへ展開してるのに、細かい音以外も色々癖があって面白い。

 

それにスルギのサビ始まりとかイェリのラップっぽいテンションの歌とか、自分がイメージするRed Velvetの王道パターンもじゃんじゃん出てくる。ボーカルとしてはめちゃくちゃ直球。ビートも王道っぽい感じがするけど、細かい部分が実は変化球なんじゃと思わせてくる。球種的にはカーブやスライダーみたいな「曲がりまっせ!」というタイプではなく、スプリットのようなストレートだと思ったら手元で急に落ちた感じ。そう考えるとQueendomはRed的な要素とVelvet的な要素、わかりやすいキャッチーさとZimzalabimのような癖、めちゃくちゃハイブリットな楽曲に自分は感じた。でもベースは直球系なのでリピートして聴きまくっても飽きることはない。3分で終わるのでサクッと聴けるのもいい。

 

 

つまり何が言いたいかというと、1回聴いただけで完全に心を持ってかれたということ。マジで神。今年えげつないレベルでハマっていたSTAYCのASAPも1回聴いただけでめちゃくちゃ持ってかれたのだけど、Queendomもそのタイプかもしれない。ASAPは最初の1ヶ月で500回以上、時間にして25時間越えという意味不明なハマり方をしたが、1ヶ月後にはQueendomも同じ可能性がある。現に2曲目以降を早く聴きたいのにリピートして何回も聴いてしまった。カムバ翌日の朝の有酸素中はQueendom永遠リピートだったし、下手したらRed Velvetの楽曲歴代ランキングのトップ3にすぐ入ってしまうかもしれない。とりあえず自分は完全に食らった。こういうキャッチーだけど渋い、でも聴きやすいK-Popの曲って飽きることがなくてめちゃくちゃ好き。

 

 

レドベルのいいところ全部出てるよね!ってことはティーザーの写真ってそういうこと?

 

 

いつもより個性がないという感情は全く起こらなかった。むしろRed Velvetのいいとこ全部出てんじゃん!って感じ。そういう感想になったところで思い出したのが、Queens Archiveとしてリリースされた動画やインスタで公開されていたQueens Mystic General Storeとして登場した写真たちだ。これらの写真にはレドベルのアーカイブ、つまりこれまでの過去の作品のMV等で使われていた衣装や小道具などが登場。それを扱うお店としてQueens Mystic General Storeが存在しているというコンセプト。

 

Archiveという言葉の盛り上がり

 

この「Archive」という言葉はここ数年で一気に浸透した。特にファッション業界ではArchiveという単語が当たり前に使われるようになっている。例えばラフシモンズアーカイブ、マルジェラのアーカイブ、みたいにいわゆるコレクションを行なっているようなブランドの過去のアイテムの再評価、過去の服もかっこいいのは今着てもかっこいいという考えが当たり前に浸透している。これには古着やヴィンテージTシャツとかの流れもあるのだが今回は置いておこう。再評価された過去のアイテムは国内外問わずアツくなっており、20年近く前の服でも10万円以上で売れるというのは当たり前。アーカイブ界でいちばん有名だと思われるラフシモンズの2001年ライオット期のボンバージャケットは2018年の段階で535万円で売れていた。ただのMA-1が。なので2021年の段階だと下手したら1000万円クラスになっている可能性すらある。ロレックスみたいなものが資産になるのは昔から知られていたが、最近では服も資産になる可能性が出てきた。実際自分もアーカイブを買ったことがあるし、持っている服がアーカイブとして盛り上がったこともある。

 

 

というわけでK-Popだけでなくファッションも好きな自分としては、過去の衣装等をアーカイブとして販売するお店のコンセプトを行なったのはかなり食らった。おそらくRed Velvetのディレクションチームもファッションの流れを100%知らなかったということはないだろう。韓国人でアーカイブを集めている人も普通にいるし。そのお店の商品をQueensのアーカイブと表現することができ、そう表現しても何も思わないK-Popファンたち。さすがRed Velvetという表現しか出てこないよね。音楽をレビューするのがメインのブログなのに、映像のティーザーについて書きたくなるぐらいネタ振りまで完璧なのが彼女たちだ。ブランディングも素晴らしい。

 

Queens Mystic General Storeコンセプトがそのまま曲に

 

Queens Mystic General Storeは日本語に意訳すると「レッドベルベットの神秘的なよろず屋」となる。つまりこれまでの彼女たちを構成する様々なアイテムが売っているお店。つまり直球でもあり変化球でもある、RedのようでVelvet、楽曲面での自分たちのスタイルもしっかり出ていたQueendomはまさにこれまでのレドベルをミックスさせたような感覚になった。つまりQueens Mystic General Storeがそのまま曲になったような。実際にリリースされた曲を聴いてみて、あのティーザーの写真とかってこういう繋がりだったのね!と自分なりの解釈をしっかりまとめることができた。Queenという言葉から派生したコンセプトの中で歴代最高のまとめ方かもしれない。

 

Red Velvetの"Queendom"をApple Musicで

 

 

2. Red Velvet - Pose

 

 

2曲目はPoseで今回のカムバのサブ曲という立ち位置になっている。この曲にはわかりやすい元ネタがあり、かなりオマージュしているのだが曲としての雰囲気は全く違う面白い手法をとっている。

 

 

MadonnaのVogueをオマージュ

 

 

レドベルにとって久しぶりのポップスターサンプリング。Dumb DumbではMichael Jacksonに関連する用語をたくさん歌詞に投入するという遊びを見せていた。そして今回は同じく超大物ポップスターであるMadonnaのVogueという曲をオマージュしてきた。

 

「Pose」と「Vogue」

 

曲の第一声、スルギのPoseの段階で「これってマドンナのサンプリング?」と思わせてくれる。まずわかるのは発音の仕方がマドンナと同じということで、しっかりと歌の一部として機能しつつ、曲のアクセントとしても使える囁きボイスは音楽会のアイコニックだ。

 

単純に言葉のデリバリーの仕方をサンプリングしているだけでなく、そもそもの単語であるPoseとVogueがかなり近い。これらの言葉をカタカナにしてみるとよく理解できる。

 

 

ヴォ

 

青い部分のpoとvo、緑の部分のseとgueが同じ母音。つまりposeとvogueで韻を踏んでいるのである。韻を踏んでいる上に言葉数がほぼ同じなので、そのままマドンナの言葉のデリバリーを当てはめることが可能となっている。Poseという曲名にしたからマドンナをオマージュしたのか、マドンナのVogueをオマージュしたいからPoseというタイトルにしたのかはわからないが、スルギの一言目の時点ですでにここまで想像が膨らんでしまう。

 

Strike a poseという言葉

 

という風に出だしからマドンナの香りがしていたが、これが確信に変わる歌詞が登場する。それはStrike a poseという言葉。これは先ほどのposeとvogueの話とは違って、そのままマドンナの歌詞にStrike a poseという言葉が出てくる。そう!完全なオマージュ。これでマドンナが元ネタになっていることが確定となった。Poseという曲名もStrike a poseから引っ張ってきたことがわかる。

 

ダンスのVoguingも少しだけ採用

 

 

VogueないしVoguingというダンスをご存知だろうか。1960年代に「ボール・ルーム」と呼ばれたダンス・シーンから発展した非常に様式化されたクラブダンス及びストリートダンスでで、1990年にマドンナがリリースしたVogueのMVで披露されたことが、Voguingというダンスをメジャーな舞台に押し上げた要因の1つを言われている。このダンスは韓国アイドルたちも採用しており、Red VelvetだとアイリーンとスルギによるNaughtyが有名だ。他のアイドルだとチョンハのStay Tonightがいちばんに思い出される。

 

LEGGOですブログ: チョンハはアイドルではなくアーティスト?と感じる新曲「Stay Tonight」

 

ポップス界の女王をQueendomというアルバムでオマージュするという遊び心

 

ここまで楽曲面でのことばかり書いてきたが、このオマージュには隠れたメッセージ性もあるように感じた。

 

Red Velvet、そしてMadonnaというアーティスト。K-Pop界のクイーンたちがポップス界のクイーンをQueendomというアルバムでオマージュする。そんなルーツがあるPoseという楽曲がたまたま今作に入っていたと思う?Queendomというタイトル、そしてこういうコンセプトのアルバムだからこそ、

 

今回のカムバのコンセプトをこういう方向性で引っ張ってくる遊び心、個人的にものすごく好き。昔行ったマイケル・ジャクソンネタと同じ感覚に

 

 

元ネタに引っ張られず、曲自体はいつものB面の雰囲気

 

色々言ってきたが、そんなマドンナネタに引っ張られずに自分たちの楽曲として完全に作り上げたのが楽曲的な魅力的ポイントだ。曲自体はいい意味でいつものB面の雰囲気があることが大前提で、そこにアクセントとしてマドンナのVogueを採用した。そして生まれた特別感によって他のB面との差別化にも成功し、活動のサブ曲にも選ばれる結果となった。こういう派手だけど表に出過ぎないアクセント、あくまでも本来のスタイル自体は崩さずに最大限に遊ぶ。様々なコンセプトを自分たちのものにしてきたレドベルだからこその楽曲か。

 

Red Velvetの"Pose"をApple Musicで

 

 

3. Red Velvet - Knock On Wood

 

Red Velvetの"Knock On Wood"をApple Musicで

 

お次の曲もRed Velvetらしさ全開のB面ソング。歌モノだけど程より乗りやすさがあって、体の奥からどんどん気持ちよくなってくるタイプ。

 

 

「Knock On Wood」とは「幸運が訪れますように」や「悪いことが起きませんように」という意味

 

曲のタイトルであるKnock On Woodの意味は「幸運が訪れますように」や「悪いことが起きませんように」というものだ。おまじないや願掛け、昔からの言葉でいう「くわばらくらばら」みたいなものが日本語だと当てはまる。

 

「起承転」をReVeluvが歌詞から読み解きくことで「結」が決まる!歌詞の施された遊び心

 

そのおまじない要素が曲の内容にもがっつり反映されており、「何かが起こったため、おまじない(Knock On Wood)を行なった。すると少しずつ物事が変化し始めた」という歌詞の移り変わりを1番から2番、ラストへの流れで楽しむ事ができる。起承転結の起承転までKnock On Woodで聴くことができ、結果はReVeluvのご想像に任せるといったようなスタイル。可愛い雰囲気でありながらストーリー性もあり。それを心地の良いビートとボーカルで楽しむことができるめちゃくちゃ渋い1曲だ。

 

 

エレクトロパンクを彼女たちのボーカルスタイルで

 

そんな落ち着きながらも心地の良い聴きごたえで、楽しい気持ちになれるKnock On Woodはジャンル的にはエレクトロパンクとなる。そんなエレクトロの要素はスウェーデンのプロデューサーたちがたくさん関わっているというところから来ているのだろう。国が違えば音楽のルールも違う、それがレドベルの曲には反映されているから大衆的な音楽を作ったとしても個性的で、平凡なK-Popとは違った印象を与えてくれているのだろう。

 

Red Velvetといえばユニゾン

 

そしてボーカルでRed Velvetという存在を感じる彼女たちのシグネチャーがあると思う。それは全員でのユニゾン。曲の長さが3分程度なのに対して、韓国アイドルって何人もの人数がいる。なので個人の担当するパートに差が出るのは当たり前だし、サビのような何度も登場するパートになった人の時間が頭一つ抜けることもしばしば。そんな問題をごまかせる上にグループ感も出せるのがユニゾンという方法。みんなで歌っちゃえば丸く収まった雰囲気になるみたいな。ヒップホップでは当たり前、ポップスやロックでも行われる「Feat.」、つまり客演という手法が行われても、みんなで歌うことはまずない。自分のターンで自分が歌うというのが基本だ。それに対してガールズグループやボーイズグループという存在はみんなで歌うという歴史があり、Spice Girlsだって合唱していた。

 

 

なので別にユニゾンをしていても普通な話なのだが、K-Popの場合は歌担当、ダンス担当、ラップ担当、ビジュアル担当みたいにメンバー1人1人にしっかり役割を与える、いわばスポーツのような雰囲気が結構強い。だからこそファン目線でも曲がしっかりターン制になっているという感覚があるし、あの子がサビを歌うからこそあのグループの曲だと感じるみたいなのもあるじゃん。自分はK-Popに対して、そういった印象が強い。

 

そんな業界でいちばんユニゾンを自分たちのものにしており、武器として100%生かせているのがRed Velvetというグループだ。5人のミックスされた声が1つの個性的な声に聞こえるぐらいインパクトがあり、6人目のメンバーかのように感じるほどに。それでいて主張がいい意味で少ないので、曲の世界観に深みを出すだけで終わっている。もうこの時点で強いのにレドベルはサビを全て合唱で終わらせるという攻めたパターンがあり、今レドベルの曲を聴いているという実感がすごく湧いてくる。そんなフルでサビを合唱するスタイルがKnock On Woodにも採用されており、それとエレクトロな雰囲気の相性が半端じゃないし、まさにRed Velvetと感じさせてくれた。この曲がいちばん好きだったという人も多そうだ。

 

Poseでは他の要素、マドンナのVogueネタを軸に書きたかったのでユニゾンに関してはKnock On Woodのパートに書いたが、Poseでもフルでサビに採用されている。今後紹介する曲でもサビ担当を作らずに全員でサビをこなすパターンがあるが、もう6人目のメンバーと言えるぐらい定番なので今後は書かないことにする。

 

 

イェリの持つ、先天的な歌う声としての圧倒的なスキル

 

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Photo by Instagram(@yerimiese)

 

特徴的なユニゾンの流れでもう1つ。ちょっと話が変わるし、もしかしたら怒られるかもしれないけど、Red VelvetのイェリとTWICEのモモの歌って個人的に同じジャンルだと思っている。これは歌が上手いかどうかみたいなスキルの話じゃなく、歌っただけで曲にアクセントを出せるという意味でのジャンル。イェリの声ってかなりわかりやすく、2番の最初やサビのアドリブ、合いの手っぽい感じに投入してもかなり効いてくる。ビートチェンジとかをしなくても曲に1つのポイントを作れるという意味で。そういった点でTWICEのモモのかなりいい歌声をしていると思っている。モモのバースを4小節だけ放り込むだけでも、一気に曲に波が生まれるじゃん。いちばんわかりやすいのはDance The Night Away。その歌っただけでアクセントを生み出せるという点でモモの歌ってかなり優れてると思っている。確かに他のアイドルたちより歌のスキルはないかもしれない、ただ個性を持っているという点で考えると圧倒的なスキルを持っていると言えるし、むしろ平均点の上手さというアイドルより優れてると思っているんだよね。

 

そういう限られた人間しか手に入れることができない先天的なもの、歌う声としての特徴という意味でのスキルがいちばん高いのは、レドベルではイェリだと思っている。というかK-Pop界でも最高クラスかなって感じ。それを生かすためか、イェリのバースでは若干喋り口調で歌うデリバリーの仕方をすることが多い。これはモモの同じだ。なのでおそらくRed Velvetのチームとしても同じことを考えていて、そういうスタイルで歌わせるのが魅力を最大限に発揮できると考えているのかな?と思う。メンバー5人が全員で歌うユニゾンの段階で1つの大きな個性がある上に、イェリの効果的な活用法もある。誰でもわかるような歌の圧倒的特徴が2つもあるのってマジで強い。

 

イェリの引き合いに一般的に歌のスキルがないと言われている人物を挙げたけど、イェリも歌が下手という風に言いたいわけじゃないからね。ってか自分はこういう風に思っているから、モモの歌が下手だなんて思ったことないし。トイレにウォシュレットをつけるだけで終わらずに水圧の変更や蓋の開閉、水が流れる音など機能をつけまくったトイレこそが至高。どれだけ綺麗でデザインが優れていても、シンプルなウォシュレットしかないトイレや付いていないトイレは全て微妙みたいな考えを音楽に持ち込んでいるってことだよね。それももちろんいいけど勿体無くね?

 

Red Velvetの"Knock On Wood"をApple Musicで

 

 

4. Red Velvet - Better Be

 

Red Velvetの"Better Be"をApple Musicで

 

こちらのBetter BeはRed VelvetのB面の曲として度々登場、毎回ハズレのない曲を提供してくれるR&Bスタイルの1曲だ。

 

 

レドベルのR&Bは基本2つのタイプ

 

そんな彼女たちのR&Bは基本的に2つのタイプがあり、ブラックミュージックからの流れを感じる「ザ・R&Bやザ・ベルベット」みたいなタイプ。例を挙げるとBe NaturalやCool Hot Sweet Loveみたいな曲で、どれもマジでかっこいい。ってかCool Hot Sweet Loveはアルバム名がThe Velvetだしね笑。こんないかにもレドベルな名前とスタイルなのに、リリースされた当時は「こういうコンセプトをやっていたら同世代のアイドルたちに置いてかれるぞ!Ice CreamやDumb Dumbにさっさと戻れ!」みたいな否定的な意見が多かったのが、今考えるとびっくりしちゃう。

 

Better BeはミックスサイドのR&B

 

 

それに対してBetter Beのスタイルはもう1つのタイプで、他ジャンルの要素やベタなR&Bの雰囲気が入っていないタイプ。こちらも例を挙げるとOh BoyやSo Goodなどで、上記のタイプより幅が広いけど根本に感じる曲の雰囲気は似ているというか。Better Beはこちらのジャンルに感じた。先ほどのを王道タイプとするとこちらはミックスタイプのR&Bで、凝り固まったルールなし、様々なジャンルを自由にミックスさせて独自のスタイルに変貌させるK-PopらしいR&B曲といったところだ。今回のアルバムのティーザー、Queens Archiveでもスルギの映像でSo Goodが使われていたので、Queendomを作り上げるために意図的して似たジャンルに分類される曲を入れた可能性もある。

 

ってか1つのアルバムを出すためにこんなにも大量の映像や写真を用意したのってほんとすごいよね。久しぶりになった完全体のカムバックをお金の制限なしで盛り上げている感じ。初期の頃は売るためにキャッチーで大衆の人気を奪いにいっていた感じがするけど、Dumb Dumb以降は完全に世界観重視。日本向けにリリースした作品の方向性からもそれが伝わってくる。CDの種類をいくつか出すという部分以外でビジネスを感じる部分が全くない。BLACKPINKのブランティングとは違った意味でのブランディングの完璧さ、ReVeluvをしっかりワクワクさせつつ、ちょっと超えてくる感じ。自分たちの魅せ方が圧倒的に上手い。95%ぐらいの女性アイドルはチェックできていると思う自分が客観的に見て、カムバック時の自分たちの魅せ方がいちばん上手いのは確実にRed Velvetだと思っている。

 

 

歌とラップの掛け合い、程よい癖が生む聴き心地のいいボーカル

 

最初から最後まで耳に残る音たちを中心にしつつ徐々に変化、シンプルな歌のパートはもちろん、ラップのパートもインパクト大。アイリーンから始まるパートではまるで喋っているかのように言葉を詰め込んでいく。そして逆にトラップビートではメインの歌は普通、そしてそこにイェリがヒップホップでいうところのアドリブのやり方で言葉を放り込んでいく。この歌とラップとの掛け合い、そしてちょっと癖のある感じが曲全体で楽しめるのも魅力の1つ。

 

ビートが若干癖があるとはいえ、全体的な印象は落ち着いて盛り上がりがないタイプ。ここに普通なボーカルを合わせたらパンチが弱くなっていただろう。ビートの癖に合わせて、ボーカル面でも少しの工夫を入れたことで足し算ではなく、掛け算になって一気にかっこいい曲になったような感じがした。やはりRed Velvetは大衆性と実験性が合わさったグループというところう。暴れてはいないけど普通じゃない、そのバランスが本当に抜群だ。

 

 

5. Red Velvet - Pushin' N Pullin'

 

Red Velvetの"Pushin' N Pullin'"をApple Musicで

 

5曲目のPushin' N Pullin'も先ほどのBetter Beと同じく、歌のベースのノリがR&Bとなっている。

 

 

今度はザ・ベルベット!バラード寄りなミディアムテンポのR&B

 

2曲連続でR&Bネタになったが今回は先ほどとは違うタイプの括り、Cool Hot Sweat Loveのような「ザ・ベルベット」側の曲になっている。シンプルなピアノのメロディとレドベルの歌声がとても綺麗でR&Bなんだけど、バラード感も感じさせてくれる。そこに合わせる他の音、ドラムスのインパクトが結構強いのでバラードに寄りすぎることがなく、曲にグルーブ感を生み出している。

 

Better Beのようなラップは一切なし、他ジャンルから引っ張ってきたような癖のある音もなし。R&Bの表現方法は全く違うのに、両方とも彼女たちらしい曲と感じることができる。初期の頃からあるDumb Dumbのような元気系、Red Flavorのような夏の曲、Russian Rouletteのような可愛い系、Velvetのジャンルに当てはまる曲、Psychoのような圧倒的なコンセプトタイプ、その全てが同率で1位。その全てがレドベルを代表するスタイルに感じる表現の幅と完成度。異なるR&Bタイプの曲が2曲連続し、それをレビューするブログを書いていたら彼女たちのキャリアを振り返るに至り、「待って!レドベルやばくない???」という感覚になってきた。知ってたけど、改めて考えるとやっぱ唯一無二じゃんと思わせてくれた。

 

 

6. Red Velvet - Hello, Sunset

 

 

K-Popのアルバムのラストといえば歌モノかバラードが鉄板!ということで、ラストを締めくくるHello, Sunsetもそれに当てはまり、今作の中でいちばんの歌モノ。まあKnock On Wood以降は歌モノって感じの曲ばかりだったので、K-Popあるあるのとにかくラストは歌というカルチャーとは少し違うんだけど。わかりやすいテンション上がる系みたいな曲は途中になかったし。

 

MVやパフォーマンスというわけではないけど、Hello, Sunsetが使用されている公式の映像があるので貼っておきます。

 

 

イントロからエモいバラードソング

 

Hello, Sunset(こんにちは、夕焼け)というタイトルから想像することができる情景、それをそのまま投影したようなエモーショナルなビートがイントロ時点から楽しめる。また8月16日という1ヶ月以内に夏が終わるような時期にリリースされたということで、Sunsetを夏に掛けた歌詞が採用されている。更にはHelloと挨拶をしている両者、する人とされる人がRed VelvetとReVeluvであるかのような雰囲気も落とし込まれている。そんなこともあってなのか上に貼った映像、Queendomの製作過程からカムバックの活動をまとめた映像のBGMとしてHello, Sunsetが使われているのだろう。日常で何も考えずに聴く、夕焼けのときに聴く、夏の終わりに聴く、歌詞を感じながら聴く、様々なシーンでHello, Sunsetが持っている様々なエモさというものを味わうことができるハイブリットなバラード曲だ。

 

Red Velvetの"Hello, Sunset"をApple Musicで

 

 

 

 

 

Queendomという名前に偽りなし?流石でしかなかったレドベルのカムバック

 

待望のリリースとなったRed Velvetのアルバム「Queendom」のレビューは以上となります。今でこそ感想は違いますが、カムバック前の段階では個人的には「どんなんだろう?」と思っていたのが事実です。

 

 

久しぶりのカムバは成功するの?期待と不安の新曲リリース

 

最初にも述べた通り、1年8ヶ月もの期間が空いてしまった。特にアイリーンとスルギによるMonsterがリリースされて以降、グループとしての彼女たちの音楽的な印象というものはかなり薄くなっていた。ウェンディとジョイのソロアルバムがあったものの、バラードとカバーアルバムということで、いわゆるなレドベルっぽい曲というのは1年間リリースされていない。しかもグループとして最後に出していたアルバム「‘The ReVe Festival’ Finale」のタイトル曲だったPsychoは、コンセプトを表現することが得意なレドベルの中でもトップレベルで世界観を表現することができた楽曲だった。そんなこともありスーパースターであることは変わらないのに落ちぶれた感じがするという謎の感覚になっていた。実際は何も変わっていないのに。

 

 

今の主流、第4世代でメジャーなスタイルはすでに経験済み

 

ま図は音楽的な不安ポイント。Red Velvetの楽曲はマジでかっこいいし、唯一無二だと思っている。それはここまでのブログの内容を見てもらえればわかるだろう。ただいわゆる今の主流のK-Popはレドベルのそれとは違うジャンルである。可愛い系からガールクラッシュが主流になり、トラップが当たり前になったことでヒップホップの要素が入っていて当たり前の時代になっている。Red Velvetというグループは先見の明があって、トレンドは取り入れるというよりも生み出す側の立場だ。

 

 

 

第4世代の中で当たり前になっているトラップを、女性アイドルの中でわかりやすく全面に押し出した最初の楽曲は個人的にBad Boyだと思っている。BLACKPINKもデビュー当時からトラップを取り入れているがアレンジされている要素が強かったし、YGというヒップホップのイメージがあるグループの楽曲という風に考えるとトラップのパンチは強くない。

 

また最近日本のK-Popファンがよく言っているトンチキに当てはまる楽曲も、すでに2019年の段階でリリースしている。普通のK-Popでは聴かないような音を大胆に採用、それでいて昔の曲とは違い、どの国の人でも楽しめる無駄を省いた内容。そしてしっかりと現代の曲として落とし込んだZimzalabimは最近のトンチキブームの先駆けのような印象がある。

 

 

第4世代では当たり前になっているトラップの要素、そして最近よく言われるようになったタイプのトンチキ要素を全面に押し出した楽曲も経験済み。これだけ聴くと「大衆性と実験性を兼ね揃えたレドベルは流石っすね!」と言いたくなるのだが、逆を言えば完璧なコンセプトを毎回打ち出すRed Velvetというグループの久しぶりのカムバック、そのタイトル曲に今の主流のスタイルを持ってくる可能性が低いということだ。久しぶりだからといって、大衆向けの曲は作ってこないはず。

 

 

2019年と2021年、旬のアイドルの世代はすでに移行している

 

 

そして次は勢力図的な問題。そのアルバムをリリースしていない期間にSMエンターテインメントの後輩グループとなるaespaが登場。メンバーの良さや楽曲以外にもKWANGYAを用いたプロモーションなど、様々な話題性があったことで、SMの旬な女性グループという立場は完全にaespaになっていた。またK-Popで今いちばん話題になっている世代は完全に第4世代だ。Red Velvetのこれまでの功績、そして久しぶりのカムバックということで話題になるとはもちろん思っていたし、自分も楽しみにしていた。ただその一方で久しぶりのカムバだからという要素を考えなかった場合の人々の興味というのは、以前よりも薄れているのでは?と思っていた。ReVeluv自体は変わらないけど、ライト層やにわかと呼ばれる人たちの興味が減っているのでは?という意味だ。

 

旬のガールズグループたちの移行。現在SMではaespaがその役を担っており、JYPもTWICEからITZYに変わった。話題の新人だったIZ*ONEはスーパースターとなり、そして活動期間が終了した。YGの旬のグループ自体は変わっていないが、人気の韓国アイドルだったBLACKPINKは単なるアイドルでは完全になくなり、K-Popそしてアジアを代表するアイコンへと立場が移行し始めた。SNSの発展により事務所の規模に関係なく、人気者になれるチャンスが増えたことで旬なアイドルになるチャンスもかなり増えた。そしてその逆に旬のアイドルという立ち位置から落ちる可能性も増えたわけだが。そういう風に考えるといちばん好きなグループがRed Velvetという人の数はどうなったのかな?というのも気になるポイントだ。

 

K-Popのターニングポイントになりそうな2021年

 

過去と現在を比較したが、次は現在と未来を比較したい。2021年は数年後の女性アイドルたちにとってターニングポイントになっている可能性が高いと思っている。まずIZ*ONEという一気にスーパースターに駆け上がったグループの活動停止。それによりトップのまず椅子が1つ減った。そして今回ブログに取り上げているRed Velvet、さらにMAMAMOO、この2組は7年目の壁にぶち当たる年だった。全てのアイドルがこの壁で解散するわけではないし、メンバーが減ったとしてもグループを継続するというパターン、事務所がバラバラになっても存続し続けるパターンなど、8年目からのあり方というのも多種多様にはなってきた。とはいえやはりこの7年目に何事もなかったというアイドルはほぼ存在しておらず、外国人メンバーがどんどん増えている韓国アイドル界において、7年目の難易度が下がるということはしばらくはないだろう。

 

そんなこともあり自分の中ではその結果に関わらず、一旦のラストとして7年目を捉えている。なので2021年にその壁にぶち当たるスーパースタークラスの女性アイドルが2組、Red VelvetとMAMAMOOがいることも大きなポイントだ。可能性として2021年にトップ層が3組いなくなる可能性があった。しかもこれとは別にGFRIENDの急な活動終了もアナウンスされた。さらに来年にはTWICEというK-Popの顔のような存在まで7年目の壁にぶち当たる予定。

 

それに対して下からの突き上げ、新たな勢力たちの活躍が著しい。第4世代の活躍が素晴らしい上に、IZ*ONE組の再出発も始まってきている。JYPnのように有名事務所から新人がデビュー予定。Girls Planet 999のようなサバイバル番組の人気も相変わらずだ。このように3年後と比較したら戦力図がめちゃくちゃ変わっていそうな年、そのギャップがいちばんある、つまりターニングポイントになりそうなのが2021年だ。

 

 

Red Velvetという存在が大きいからこそ、他と比較する楽しみも生まれる

 

先ほども言った通り、ReVeluvにとっては関係ない話だろう。そりゃ好きなグループが久しぶりにカムバックして嫌なことなんて1つもない。ただやはりライト層やにわかと呼ばれるファンたちにはどうなのかな?と思ったのだ。オールスタークラスとスーパースタークラスの違い、それはビジネス的にも大成功している上でK-Popファンの需要も満たしているということ。そしてライトなファンも大勢巻き込むことができているということ。K-Popの歴史の教科書に太文字で載るようなアイドルは余裕でこういった条件を満たしている。

 

人気だからこのアイドルが上、売れたからこのアイドルが上、みたいな考え方は一切ない。ただ自分にとってRed Velvetというグループは、SMエンターテインメントから生まれたアイドルの中でいちばん好きだし、今後歴代最高のガールズグループのディベートに登場しても不思議じゃないグループだと思っている。だからこそ周りなど気にせずに主観で100%で楽しみつつ、他のアイドルと比較することもレドベルに関しては楽しんじゃっているのだ。音楽、アイドルの視点に加えて、スポーツ的な楽しみ方もしているみたいな。

 

 

この見方は好きなグループでも比較する性質上、マイナス的な意見が普通に出てくるものなので受け入れられないかもしれない人もいるだろう。このパートで書いてきた文章をよく読んでもらえると一切レドベルのことは貶していない、むしろ褒めているということがお分かりいただけるだろう。ディスの要素は皆無だったはずだ。ただ「自分の好きなアイドルの曲は全て好きであるべき」とか「雑食のやつがRed Velvetを語るな」みたいなハードコアな奴はいるだろう。ただでさえアイドルって感情論100%、他の要素は一切受け付けないみたいな人が多いジャンルだし。有名になってほしいけど有名になるのは嫌だとか、にわかは帰れみたいな人も多い。

 

なのでスポーツ観戦、好きなチームや好きな選手でもめちゃくちゃなミスをしたら「帰れよ!」と思っているけど思っていないみたいな発言が当たり前、試合中はファン同士も争うけど試合が終わったら手を組んでいい試合だったと発言するような楽しみ方を、韓国アイドルでするやつなんて許せないと思う人もいるだろうが、自分は全然ありだと思っている。

 

 

というかK-Popファンはサバイバル番組が好きな人が多いし、このアイドルのビジュアルがいい、ダンスがいい、歌がいい、あの子は下手みたいにめちゃくちゃ評価したがるじゃん。逆に自分はサバイバル番組に全く興味がないし、好みかどうかという極めて個人的なものだけが評価基準で、上手いか下手かなんてどっちでもいい。そういった意味で考えたら、自分のようなスポーツ的な楽しみ方って割と健全じゃない?K-Pop界全体という規模でこの遊びができるアイドルって、Red Velvetクラスの人気者じゃないとそもそも出来ないし。

 

 

結果は大成功!個性やコンセプトをしっかり表現した上に7冠も達成

 

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Photo by Twitter(@RVsmtown)

 

というわけでシンプルに楽しみだったことにプラスして、どれぐらいRed Velvetというグループが受け入れられるのか?どういう結果に終わるのか?というスポーツ的な要素も気にしていた今回のカムバ。その結果はどちらの見方も満足できる結果となった。

 

 

まずはシンプルにアルバムがかっこいい。Queendomはシンプルに曲としてすごく好きで、Poseは元ネタの使い方が上手いだけでなくアルバムのコンセプトをより強調してくれた。Knock On Woodはレドベルらしさを楽しめるだけでなく、タイトルに付随した要素も面白い。Better BeとPushin' N Pullin'では異なる種類のR&Bを表現してくれていた。Hello, Sunsetはイントロからエモくなれる1曲だ。このように個性豊かな曲が収録されているのにも関わらず、全てにRed Velvetらしいさというものを感じることができた。

 

ベタなRed側の曲、元気でパンチのあるテンション上がる系というものがなかったので人によってはインパクトが弱く感じてしまうかもしれない。ただデビュー当時から知っている身からすれば100%しっくりきた内容だったし、コンセプトアルバムを得意とするレドベルそのものだった。

 

 

そしてスポーツ的な見方でも完全な勝利を収めていた。第4世代の勢いに負けることなく、いい意味で安定した注目度を誇り、音楽番組では7冠を達成。確かにわかりやすいパンチはないのでRed Flavorみたいな曲が好きだったり、タイトル曲しか聴かないような層にはそこまで受けていなかったかもしれない。久しぶりのカムバックだからということでブーストがかかっていたのは間違いない。ただ7冠を獲得したという事実、そしてそれを実現可能にするファンダムの強さ。やっぱりレドベルはスーパースターじゃん!と主観以外の要素でも再確認させてくれた。最初に例を挙げたNBAのスーパースター、ステフィン・カリーのカムバックシーズンとマジで似ている。

 

 

Queendomというタイトルの大きさに耐えられる存在

 

カムバのメインとなる曲とアルバムで使われたQueendomというタイトル、こんな大袈裟でやりすぎた名前を付けることが許させるアイドル自体がそもそも限られている。オールスターレベルのアイドルでもまだ早いと言われるし、超人気があっても若手に分類されるアイドルだったら挑戦的だと思われる。そういうタイトルを付けても文句が出ないし、それを色々あった後(ネガティブ要素あり)の久しぶりのカムバックで持ってくる度胸と大胆さ。

 

1つのキャリア的なポイントをあえて自分らしさを強調することで戦ったレドベル

 

 

ITZYがデビューをした際にTWICEはスタイルチェンジをした。初期3部作を手がけたブラック・アイド・ピルスンを再び迎えたFANCYは先輩となったTWICEの新たな一面、楽曲的な攻めの姿勢と大人になったビジュアルを初期の可愛いTWICEを作ったプロデューサーを再び採用すること、つまり楽曲の主要メンバーを全く同じにすることでデビュー時との変化を強調してきた。FANCY以降の楽曲は韓国そして日本問わず、より音楽的で攻めた楽曲ばかりタイトル曲に持ってきた。そうすることである意味マンネリ化していた可愛いアイドルスタイルを捨て、ITZYという後輩グループの先輩感を出しつつ、K-Popの顔になったけど攻めていきますという姿勢をプレゼンすることもできた。

 

現在では後輩のITZYもスーパースターの仲間入りを果たし、TWICEは結果関係なく一旦のゴール地点である7年目の壁に向けてスパートをかけており、ビジネスを踏まえていい味で大衆的なポップス曲のスタイルにシフトチェンジしてきている。このようにTWICEは「ザ・大衆アイドル」という立ち位置をうまく利用し、時代や環境に合わせて自らを変えることで戦ってきた。そのわかりやすいターニングポイントの1つが後輩グループの誕生だった。

 

 

そのTWICEのターニングポイントとは様子は違うものの、Red Velvet的には近いものがあったのが今回のカムバックだ。後輩グループの登場、1年8ヶ月ぶりのカムバック、7年目というK-Popファンなら全員が知っている時期、ターニングポイントとしてはもちろんのことながら、これからの自分たちの存在を示す必要があるという意味では、これでもか!というぐらい内容が盛られた状況だ。

 

そういう状況であえて一切のブレずに自分たちが昔から持っていたらしさを強調、しかもQueendomというキャリアを証明すつつも攻めまくったタイトルを採用。他のスーパースターたちはもちろん、中堅や若手、そして後輩のaespaにさえ挑戦状を叩きつけたような内容。めちゃくちゃ面白い。

 

 

守っているようで、実はかなり攻めている女王たち

 

「Queendom」という個性を100%表現した、自分たちのコミュニティの中だけで完結する作品の内容なのに、韓国アイドル業界的に見れば喧嘩を売るような問題作という見方もできるすごく不思議で素晴らしいアルバムだという風に自分は感じた。「レドベルっぽい曲ばかり=守り」という風に捉えられるはずなのに、全ても踏まえた上でRed VelvetのQueendomというものを考えたら、かなり攻撃的で攻めているというね笑。大衆的で実験的の違った方向性での表現方法って感じがして、すごくいいよね!

 

みなさんはどのように感じましたか?今のレドベルが女王と名乗ることに賛成ですか、それとも反対ですか?音楽面だけでなく、様々な部分で賛否両論ないい意味でのディベートをして遊べるアルバム「Queendom」は、全てのK-Pop好きが客観的に1度は考えてみるべき作品の歴代ランキングに食い込むようなものだと自分はこの長いブログを通じて思うことになった。

 

 

 

今回のブログは以上です。かなり時期外れの内容、元々長い上に寄り道もたっぷり、結構だるい感じになってしまいましたが、読んでくださった方々ありがとうございました。2022年3月21日には韓国で「'The ReVe Festival 2022 - Feel My Rhythm'」を、そして4月6日には日本で「Bloom」をリリース予定。間も無く始まる怒涛のレドベル期間に向けての復習にでもどうぞ。最後にアルバム「Queendom」のフルのApple Musicを貼っておきます。また下にはこのブログのツイッター等のリンクを貼っておくので、よければフォローお願いします。次回のブログで会いましょう。ではまた!

 

Red Velvetの「Queendom - The 6th Mini Album - EP」をApple Musicで

 

 

 

 

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