【3月K-POP】ヒップホップを取り入れた曲が目立った1ヶ月間。Red Velvetを止めるのは誰だ?

2022年3月のK-Popはヒップホップを感じる楽曲が大盛り上がり

 

2010年代前半から流行し、中盤にはジャスティンビーバーやテイラースウィフトといった第一線で活躍するポップスのアーティストも採用。その流れから2017年あたりに本格的にK-Popにも導入されたヒップホップのサブジャンルであるトラップ。現在ではトレンドから定番に変わり、ヒップホップに興味がない人でも気づかないうちにそっち系のサウンドを聴いているのが今の音楽だ。

 

K-Popでもトラップは定番となっており、第4世代のようなヒップホップが当たり前の世代のアイドルも誕生している。ガールクラッシュが増えた要因の1つでもあるだろう。ただ少し前までファンクやディスコ系のレトロ曲が一世風靡していたこともあってか、わかりやすくトラップを取り入れた曲は比較的減ってきていた。もちろん廃れては一切ないが、エッセンスとして採用するのが今のトレンドである。そういう風に思っていた。

 

 

そんな少し落ち着き始めていたヒップホップの流れが、まさかの2022年3月に大爆発!エッセンスとして取り入れるのは当たり前のことながら、全面にトラップを押し出したビートを採用する曲が急増。表面上はヒップホップのヒの字もない曲でも、しっかりトラップを感じる曲がたくさん登場した。しかもベタなガルクラだけでなく、表現の仕方もかなり幅が広い。このタイミングでヒップホップ的な部分で楽しめるK-Popの波が来るなんて思ってもいなかった。

 

 

というわけで普段よりもヒップホップ色強めになった2022年3月のおすすめK-Popを紹介していこうと思う。

 

 

 

 

 

 

3月のおすすめK-Pop

 

紹介する順番はリリース順で、同日の場合はABC順。

 

 

BANG YONGGUK - Screwed Up

 

BANG YONGGUKの"Screwed Up"をApple Musicで

 

B.A.Pのメンバーとして活躍していたBANG YONGGUK(バン・ヨングク)のアルバム「2」からScrewed Upをご紹介。元々ヒップホップが好きだったヨングクはB.A.Pのメンバーとしてアイドル活動をしていたときからラップを担当、そして現在もヒップホップを軸としたスタイルで活動をしており、自身の音楽活動だけでなくJUST Bの1stミニアルバム「JUST BURN」などプロデュース業も行っている。2021年には個人事務所も設立しているので、アイドル出身でラッパー、そしてプロデュースも行っているという意味で次のJay Parkのような立ち位置になるかもしれない。

 

そんな彼の新曲の1つであるScrewed Upはそのタイトルのように、ピッチが下げられたようなビート(スクリュード)が採用されているR&Bテイスト強めの歌モノだ。韓国のラッパーといえば歌モノがかなり多いが最近人気のタイプとは違うし、キャッチーさはそこまでない。またアドルのヒップホップ系の曲みたいにトラップの雰囲気が強いわけでもないので、K-PopともK-HipHopとも程よく住み分けができているので聴いていて新鮮だ。それでいてヒップホップ好きとしては初期のA$AP Rockyみたいな雰囲気も感じられるので懐かしい気分にもなれる。

 

 

Cherry Bullet - Love In Space

 

 

Girls Planet 999に出演して話題になったと思いきや、それ以降は特に爆発することもなくサバイバル番組の恩恵をほとんど受けられなかった印象になっているCherry Bullet。先輩ガールズグループであるAOAもQueendomに出演した際は話題になったが、それ以降はかなりガタガタで原型をとどめておらず、番組の恩恵を受けられなかった。FNCの女性アイドルたちは全員で厄払いにでも行ったほうがいいのではないだろうか。

 

そんなCherry Bulletの新曲「Love In Space」はニュートロの流れを組んだレトロ曲となっている。これだけ聴くと「まだこのトレンド引っ張ってるの?」と思うかもしれないが、Love In Spaceは地味にアレンジが効いている。まずは最初の歌い出しから始まる高速ボーカルとハイハット、これよってスタートから一気に疾走感を出すことに成功した。こういうタイプのレトロ曲ってビートに疾走感があることは割と多いけど、ボーカルにまでその勢いを持ってくる曲は意外と少ない印象なので、しっかり差別化がされておりかっこいい。

 

 

アルバム「Cherry Wish」の収録曲たちも結構かっこいいのだが、わかりやすくパンチがあってキャッチーな曲というものは存在しないので、話題になっていないというのも理解できる。なんか勿体無いよね。

 

Cherry Bulletの"Love In Space"をApple Musicで

 

 

C JAMM - CHURCH

 

C JAMMの"CHURCH"をApple Musicで

 

Just Musicから離れることを発表したC JAMMの最新アルバム「Ghenn」からCHURCHをチョイス。何かがごっそり抜けたけどRAGEって感じのビートが個人的に結構ツボ。必要最低限のEDM感だけトラップに取り入れましたみたいな。

 

C JAMMといえば大麻関係で捕まってたけど、そういうのって日本のK-HIPHOP好きにとってはどんな感じなの?ヒップホップ好きからしたらラッパーの逮捕なんて、アイドルで言うところの次のカムバまでの期間ちょっとだけ長くなりそうぐらいの感覚しかないけど、ラッパーのことを推しと表現する人もいるようなファンベースなので、逮捕に対する耐性や捕まったことのあるラッパーに対する評価がどんなものなのか気になった。

 

 

LEEBADA - Lucid Dream

 

 

ヒップホップ色強めのR&Bを得意としたアンダーグラウンドのシンガーのような立ち位置でデビューしたと思いきや、キャッチーでアイドルファンにも受けそうな曲をリリース。そっちの路線で行くの方と思ったら再びシンガー系へ。これだけ聴くとブレブレな感じがするLEEBADAだが、どの時代の曲を聴いてもかっこよく、HEIZEのような存在になれるポテンシャルは感じるが爆発的なヒットはいつになるのだろうか。

 

そんなLEEBADAの新曲「Lucid Dream」は大人な雰囲気でグルーブ感のある歌モノ。彼女の場合は声に癖があるので、どんなタイプの曲でも自分の世界観に落とし込めるのはかなりのストロングポイント。本当に何かきっかけさえあればメジャーなアーティストにすぐなれると思うのだが、それはいつになるのだろうか。

 

LEEBADAの"Lucid Dream"をApple Musicで

 

 

Weeekly - Ven para

 

 

スクールからガルクラへ。そうなる可能性はデビューの頃からわかってはいたものの、やっぱり賛否両論、というか否が多めとなったWeeeklyのVen para。自分も最初はこれをウィクリがやる必要ある?とは思っていたが、これまでの活動やネタ振りなんかを深掘りしてみたら、これはこれでオッケーという結果になった。

 

LEGGOですブログ: WeeeklyのVen paraを深掘りするとキャラ変の奥にある計算し尽くされた面白さが溢れてきた

 

 

そんなVen paraは808のベースの主張が激しめで、アイドルとしては珍しい低音が前のめりな曲。どうせキャラ変して賛否両論になることはわかっていたのだから、もっとヒップホップ色を強くして、アイドルの域を出てしまってもよかったのでは?と思うが、一般的なアイドル系ヒップホップガルクラ曲なVen paraもこれはこれで割と好き。最近ゾアが急にめちゃくちゃ可愛く見えるようになってきたし、スクールスタイルのときよりも今のガルクラな衣装やメイクの方が好きなので、もうちょっと今のスタイルを個人的には引っ張ってほしい。せめてPlay Gameシリーズの間だけでもお願いします。

 

Weeeklyの"Ven para"をApple Musicで

 

 

ZENE THE ZILLA - Yay

 

ZENE THE ZILLAの"Yay"をApple Musicで

 

最新のアルバム「zillamode 4」の収録曲であるYayはいい意味で韓国感のない、わかりやすいRAGE系のビートが印象的。Yung Kayoのアルバムをよく聴いていたので、最近の自分の気分に近かったというのもポイントだった。K-HIPHOPなスタイルからドリル、RAGEまで現在のヒップホップの主要なサブジャンルのビートを聴くことができるので、韓国の曲ばかり聴いている人のいいガイド役になるだろう。

 

 

KWON EUN BI - ESPER

 

 

どこか少しダークな雰囲気があるUNIVERSEとの企画モノをウンビがリリース。Doorもそうだったが、IZ*ONE時代よりも大人な落ち着きのある楽曲が今のウンビの持ち味だ。K-Popらしいわかりやすく突き抜ける曲タイプではないので、通常だったらB面になりそうな雰囲気の1曲なのに1番と2番の間に急にダンスブレイクが入ってくるという構成としてはかなりの癖がある仕上がりになっている。

 

わざわざ森林に行ってから赤の服の人が助けてくれたけど、車に乗ったときに後ろからヘッドショットすればよかったんじゃね?と思ってしまった。まあアイドルのMVでそんな展開はないよね笑。

 

クォン・ウンビの"ESPER"をApple Musicで

 

 

Jay Park - GANADARA Feat. IU

 

 

アイドル出身のラッパーとしてK-HIPHOP界のみんなのお父さん、そしてパイオニアであるJay Parkとアイドル出身の神であるIUがまさかのコラボ曲を発表。MVだけでなく、インスタのコメント欄などを活用して行なったプロモーション、IUのスーパースターっぷりをネタにした一連の流れはかなり面白かった。AOMGとH1GHRを離れて、新たなキャリアを始めようとするJay Parkの新曲にインパクト抜群のIUを持ってくるというのもシンプルにいいよね。

 

客演ってコネで呼んでくることももちろんあるが、基本的には全てビジネスなのでお金というものは相手に合わせてもちろん変動する。IUという引っ張ってただけで1000万回再生行けそうな自分のギャラはいくらなのだろうか。アメリカの大人気のラッパーであるLil Babyは2020年の段階での1曲の客演のギャラが10万ドルになると答えていた。アメリカと韓国とでは市場の規模が全く違うので参考にはならないが、業界内での客演の実力とレア度の合算で考えるとIUの方がLil Babyより上になるはず。呼ぶたけでなくIU側のコンテンツにJay Parkが出演していたりもするので割安に設定はされていると思うけど、果たしてIUを客演に呼ぶといくらお金がかかるのか。ブランディングもあるのでIUを呼べる人物も限られているだろうし、そういった部分はどうなっているのか正直気になる。まあ言いたいのはそれぐらいインパクトのある組み合わせだったということ。

 

ジェイ・パークの"GANADARA (feat. IU)"をApple Musicで



FR:EDEN - PRADA

 

 

ツイッターでフォローさせてもらっている人が紹介していて知った1曲。ぶっちゃけこの曲を聞くまでFR:EDENという名前を聞いたことがなかった。そんな彼のPRADAという楽曲は2stepのノリを感じる四つ打ち系の楽曲で、一般的なK-Popの印象とは全くの別物で新鮮だ。昔はこっち系の楽曲も聴いていた事があるが、ヒップホップの対抗馬としてK-Popというものが自分の中で大きくなってからは他ジャンルを聴く暇が少なくなっていたので、四つ打ち自体が久しぶりだったというのも自分にとって刺さる理由になったかもしれない。

 

プラダといえばロゴものをリリースしたあたりから韓国アイドルも積極的に着用するようになったブランドの1つで、最近ではラフシモンズも参加した事が話題である。このFR:EDENのアートワークやMVにもプラダの靴が登場している。そんなプラダの展示会に10年前ぐらいは結構行っていたのだが、実はその頃の靴の値段に比べて今は倍ぐらい定価となっていることをご存知だろうか。2011年や2012年ごろのシーズンはコレクションのレザーシューズでも6万円台とかだったのに、今では12万は普通にする。コレクションの柄物のパンツでも6万円からとかだったのに、あの定番のパックTシャツだって3枚入りで1万5千円だぜ!プラダってあのレベルのブランドの中では安いというのが売りだったのに。どんどん値上がりしていくブランド物の中でもトップクラスで値上がりしているような気がする。韓国アイドルファンの人でプラダが好きな人も多いと思うが、10年前は定価が半分ぐらいだったという知りたくない事実の紹介でした。ごめんね笑。ちなみに最近女性アイドルの着用率が上がってきているmiu miuはプラダの娘みたいな立ち位置で、デザイナーも一緒。

 

FR:EDENの"PRADA"をApple Musicで

 

 

Brave Girls - Thank You

 

 

Brave Brothersが作る楽曲は売れるのにBrave Girlsは売れない、有名人がプロデュースしても大手の事務所のように売れるきっかけは多くないという、結局事務所の規模がいちばん大事というK-Popの真理をマイナス面で体現するアイドルの筆頭的な印象があった彼女たち。そんなBrave Girlsが思わぬきっかけにより大ブレイクをして1年以上経過したが、単なる流行で終わらずに第一線で活躍するオールスター級のガールズグループになれたのは本当に素晴らしい出来事だ。

 

今回のタイトル曲のThank Youはレトロベースな一曲でG-FUNKっぽさも入っており、K-Popで流行していたファンク系のレトロというよりはDaft Punk系のレトロなので地味に差別化ができているのもポイント。しかもただのレトロではなく、Brave Brothersプロデュース楽曲の全盛期の雰囲気もしっかりある上で現代版にアップデートされているので、懐かしさだけで終わらないものいい。セクシーなスタイルが主流だった時代のアイドルの生き残りという印象がどうしても自分はあって、今だに現役感マックスなアイドルたちと同じ流れで登場すると違和感があるのをなんとかしたい。

 

Brave Girlsの"Thank You"をApple Musicで

 

 

(G)I-DLE - MY BAG

 

 

自分の推しでもあったスジンがCUBEを去るという大きすぎるマイナスがあったものの、(G)I-DLE自体の勢いは一切衰えなかった。日本のK-Popファン的には人気があるっぽいけど実感はそこまでないというのが、ぶっちゃけた(G)I-DLEの印象だったがやはり一般的な日本人の想像の3段階上ぐらい上にいるグループだった。タイトル曲のTOMBOYエレキギターの印象が強くK-Popとしては珍しいロックな雰囲気が満載、ヒョナとイドンをディスったとしか思えないPING PONGネタも面白かった楽曲は韓国のチャートでオールキル(全て1位)も成し遂げた。もちろん歌番組でも1位を獲得したし、他のアイドルたちもカバーダンスを楽しんでいた。最後のステージではメンバーの幼少期の写真と同じ格好をするという、子供の頃の自分をオマージュしたパフォーマンスもとても面白かった。

 

そんな5人体制として初のアルバムであるI NEVER DIEのサブ曲的な立ち位置となっていたMY BAGはトラップビート直球な楽曲で、ヒップホップ色が強い2022年3月の新曲の中で最も直球で最もトラップっぽいK-Popとなっている。歌詞の内容もラッパーのノリが強く、自らの代表的なバースをサンプリングしたミンニのパートが特に印象的だった。アイドルの曲であることは間違いないがかなりヒップホップ的なノリなので、K-Pop的ないい意味でのうるささというものはなく、リピートしてガンガン聴いても疲れないというのもいいポイントだ。

 

 

一部ではSaweetieとDoja CatによるBest Friendのパクリみたいな話が出ているらしいが、そんな意見を言っているのは音楽を知らない人の発言だと思うので、Neverlandは気にしなくていいだろう。ヒップホップにおいてフロウやデリバリー、わかりやすく言うとラップの仕方というのは人気が出たスタイルを真似するということは頻繁に行われており、超有名なラッパーが超有名なラッパーのスタイルを一部取り入れてみるなんてこともある。なので歌い方が似ることは普通にあるし、100%丸ごとは流石にパクリだけどMY BAGのようなやり方はヒップホップ好きからすると真似したかもわからないレベルの内容なのできにする必要なないだろう。ってかMY BAGをパクリというのであれば、歌い方だけでなくビートの雰囲気までSaweetieとDoja CatによるBest Friendに似ているITZYのSWIPEの方が黒だろう。まあこれもオマージュの範囲内だと思うけど。

 

 

というわけでスジンがいなくなったのは残念でしかないがウギのピンクモリは最高だったし、バラエティ番組も相変わらず面白い、そして客観的に見た勢い的にも個人の好みとしても抜群だった(G)I-DLEのMY BAGは3月最初の月間MVP候補となります。ってか元から半分が外国人って時点でもすごかったのに、今は過半数を超えてるってすごくね?好き嫌いとか関係なく、やっぱり自分の国の人を応援することって一般的にあるじゃん。急にオリンピックやW杯になるとスポーツに興味がない人でも自国を応援するみたいな。全ての人に当てはまるわけではないが、そういう傾向があるのに外国人メインのグループがK-Popの第一線で活躍しているのは半端じゃないよね。ガチで人気があることの証明だと思う。

 

(G)I-DLEの"MY BAG"をApple Musicで

 

 

Solor - HONEY

 

 

MAMAMOOというスーパースターグループに所属、YouTuberとしてもアイドル最強レベル、ソロ曲もかっこいいということで文句なしのソラのHONEY。ビートと歌声の両方で煽りをかけて来る部分がいくつかあってメリハリを生んでおり、曲にダイナミックさを生み出している。また部分的に取り入れられるヒップホップの要素がものすごく効果的なのもポイントで、サビ前の808 Glide的なサウンドとサビ後半の出だし部分の煽りからのハイハットは一気に曲を盛り上げてくれている。またこの曲で初めてラップに挑戦したソラだがこれが完全に刺さっており、客演を呼んできたのかな?と思ってしまうぐらいボーカル面での印象が違っていて面白い。今後大きな武器になりそうな予感。カラーに合わせてメイクや衣装のスタイルが変えられているMVも魅力的。

 

というわけでMAMAMOOソラの新たなソロ曲であるHONEYも3月のMVP候補です。聴きごたえがあるのにスムース、リピートしまくっても飽きないキャッチーさ、露出度が高いほどかっこいいソラのスタイルにはぴったりなY2K。曲だけでなくビジュアル面でも大満足でした。

 

Solarの"HONEY"をApple Musicで

 

 

WEi - Super Bumpy

 

 

WEiの新しいアルバム「Love, Pt. 1 : First Love」からサブ曲として登場したSuper Bumpy。イントロ部分の民族的な雰囲気からの低音のインパクト、そして低音重視なビートとは真逆な高音重心のボーカルが生み出すメリハリのあるバランス感が面白い。一般的なK-Popではあまり使われないような個性的な音を所々で入れているものの、キャッチーさのあるスムースな1曲に仕上がっており、誰でも楽しめる1曲だ。Super Bumpyの次の曲であるKnow Yaも超綺麗なアイドルのトラップ曲って感じで結構好き。Super Bumpyと共に月間MVP候補にギリギリ届かずといったところなので、普通にかなりの高評価。もうちょっとサウンド的な意味での音の厚みがあればとは思う。

 

WEiの"Super Bumpy"をApple Musicで

 

 

Stray Kids - Charmer

 

Stray Kidsの"Charmer"をApple Musicで

 

若干だけあの頃のDJ Mustardっぽい雰囲気のするイントロ、Travis Scottのようなラッパーを思い出すオートチューンがっつりのアドリブ、わかりやすいトラップ系ハイハットとヒップホップの要素がめちゃくちゃ入っているのに、しっかりと韓国アイドルしか聴かない人が連想するトラップ系の楽曲という本来のヒップホップとは全く違うヒップホップ系K-Popに仕上がっているのはさすがである。ポップス成分が高いのに他ジャンルっぽい雰囲気が入っているかっこいい曲ってかなり少ないからね。

 

デビューしたばかりの頃はJYPのガールズグループに比べると苦戦していた印象があるが、今ではK-Popを代表するオールスター級のボーイズグループになったし、日本でもコンサートが予定されている。Stray Kidsが多くのライト層やにわかファンからも支持されるK-Popを代表するグループの一角になる日も近いかもしれない。

 

 

Red Vevlet - Feel My Rhythm

 

 

ティーザーの段階から話題沸騰でコンセプトは快楽の園、曲としてはG線上のアイアをサンプリングしたRed Velvetの新曲「Feel My Rhythm」はコンセプト昇華能力が韓国アイドルの中で歴代最強クラスに高いレドベルというグループでも過去一クラス、アルティメットレドベルを披露してくれた。その世界観もあってか、アルバムの売り上げもガールズグループの歴代級で2020年頃の「もうレドベルは終わってしまうのかも」という全K-Popファンの不安を完全に吹き飛ばしてくれた。

 

G線上のアイアをサンプリングしたFeel My Rhythmはかなりトラップ色が強めで、ヒップホップのヒの字もないレドベルの今回の世界観とは逆行しており、幻想的な雰囲気とトラップの闇っぽさ、それをミックスという曲の3面性が今回の世界観の元ネタとなっているヒエロニムス・ボスの快楽の園という三連祭壇画を表しているようだった。また他の元ネタにもなっている有名絵画たちを歌番組での衣装にも取り入れており、Vivienne Westwoodの世界観をDOLCE & GABBANAのようなドレススタイルに落とし込んだスタイリングは見ていても楽しかった。ファンからもらった花を衣装に取り入れたのがいちばんハイライト。

 

 

そんなアルティメットレドベルを披露してくれたわけだが、個人的にはあまりにも完成度が高くて全て合わさった1つのFeel My Rhythmって感じがしちゃったので、逆にイヤホンで聴きまくるというという行為はしなかった笑。フランス料理が大好きだったとしても毎食のように日常的に食べるのは違うよね!みたいな。なのでレビューのブログを書いた、つまりめちゃくちゃ気に入っているし、みんなにおすすめはするけど月間MVPの候補には入らないという変な1曲になりました。詳しい感想やレビュー、考察などはアルバム「'The ReVe Festival 2022 - Feel My Rhythm'」のブログに書いてあるので、興味がある方はぜひチェックしてみてね!

 

LEGGOですブログ: 表の幻想と裏のトラップ。Red VelvetのFeel My Rhythmから始まる新曲は全てが快楽の園に収束する?

 

Red Velvetの"Feel My Rhythm"をApple Musicで

 

 

CRAVITY - FLIP THE FRAME

 

CRAVITYの"FLIP THE FRAME"をApple Musicで

 

彼らのグループ名に偽りなし!CRAVTYのアルバム「LIBERTY : IN OUR COSMOS」に収録されているFLIP THE FRAMEはgravityを感じる重力系。軽やかな音とじんわり響く低音のバランスが絶妙で歌い方も少し浮遊感のあるようなスタイルで、例えるならばジェットコースターなどの落ちる前のふんわりした時間帯みたいなものだろうか。音楽から重力というものを感じる。浮遊感を感じるだけなら割とたくさんのK-Pop でも楽しめるが、グライドされた低音など曲の大切ば部分ではしっかり低音が出ているので、ふわふわした印象だけでは終わらない渋い1曲となっている。

 

そんな軽やかさがあるけどしっかり重力を感じさせてくれるCRAVITYのFLIP THE FRAMEも3月のMVP候補である。ここまで紹介してきた男性アイドルの曲が全てB面、やっぱK-PopはMVを見るだけでなくアルバム自体を聴かないと始まらないね!

 

 

MAMAMOO - Smile

 

MAMAMOOの"Smile"をApple Musicで

 

*一応MV的なものはあるがリリックビデオだったし、現時点でブログが相当重くなってしまっているため今回は省きます。

 

再びMAMAMOOが登場。今回は最近積極的なメンバーのソロ曲ではなくグループとしての楽曲、しかも日本オリジナル曲となっている。これまでの日本語曲をまとめたベストアルバムの新曲として収録されたSmileはトラップが軸となった歌モノで、K-Popのアルバムでよくあるラストを歌モノやバラードにするスタイル、その中でも最近流行っているトラップベースのR&B系を日本でもやってみたというわけだ。

 

トラップがトレンドから当たり前になった時代だが、MAMAMOOというグループは無理にヒップホップ色を強くしたりせずに自分たちのスタイルのプラスαとして取り入れる程度だったが、今回は割と直球なビートをセレクトしてきた。ただ一般的なトラップで使われるハイハットとは違った種類のものを使用していたりと若干の癖があるし、808 Glide系のサウンドのメロディも割と複雑で主張激しめ。スネアの音なども含めてヒップホップ色の強い音が基本こもっている感じになっているのも特徴的で、地味に癖があってチルすぎないのもポイントとなっている。日本語の曲はなぜか倦厭されがちだが、そういう人たちは損しかしていないよ!と主張するために聴かせる曲としても使えるぐらいかっこいい曲だった。

 

 

Red Velvet - WILDSIDE

 

 

日本向けのアルバム「Bloom」の先行シングルとして公開されたWILDSIDEは日本では初となるVelvetスタイルの楽曲。という風に売り出されていたが一般的なVelvetの曲、R&Bを得意なタイプではなくてPeek-A-BooのようなアグレッシブなVelvet系の楽曲だった。Feel My Rhythmの勢いをそのままにリリースされたWILDSIDEはトラップを軸とした楽曲で、Bad Boyの次にわかりやすいトラップビートとなっている。曲の雰囲気自体は全く違うが、メロディのギターのサウンドPolo Gとかそっち系に感じてしまうほどに、トラップ的なハイハットがわかりやすく入っているのがポイントだ。普段よりも強調して韻を踏んでいるのもヒップホップを感じる要因となっている。

 

快楽の園という三連祭壇画を表現するためかトラップ採用された楽曲が多かった'The ReVe Festival 2022 - Feel My Rhythm'に続いてのトラップ系だったわけだが、流れがすごく良かったので2月リリースではなく、このタイミングになってよかったと思う。おそらく日本でのコンサートの兼ね合いだと思うが、結果的に全てが上手くいきそうなタイミングになったと思う。というわけでレドベルの日本オリジナル曲であるWILDSIDEも

 

LEGGOですブログ: Red Velvetが日本語新曲「WILDSIDE」で再び大暴れをして完全に3月のK-POPを奪いに来ている件

 

 

Red Velvetの"WILDSIDE"をApple Musicで

 

 

PURPLE KISS - Oh My Gosh

 

PURPLE KISSの"Oh My Gosh"をApple Musicで


メンバーがコロナに感染したためショーケースが4月にズレたものの、音源は予定通り3月29日にリリースされたPURPLE KISS。今回のアルバム「memeM」は新たな一面であるガルクラな姿や前回のZombieと繋がる曲、そして歌モノなど様々な雰囲気を楽しめるアルバムになっている。ただトンチキ嫌い勢と同様にガルクラ嫌い勢という人も割と多くいるので、ガルクラスタイルを披露したPURPLE KISSがK-Pop好きに刺さったかどうかは不明である。個人的にはmemeMも普通に好きだったけど。

 

 

というわけでタイトル曲も結構好きだったのだが、今回おすすめしたいのはB面の曲として収録されていたOh My Goshだ。カムバ前のメドレーの段階から好印象で期待しまくっていたら、本編も最高だったという完璧曲ですでにPURPLE KISSの曲の中で1か2番目に好きな楽曲となっている。

 

ベースはあの頃のK-HIPHOP系で、Sik-Kのような歌うラッパーがメジャーな舞台に登場し始めた時期、party (SHUT DOWN)やIffyのような時代のビートの雰囲気に似ている。それでいてサビではアイドルらしいキラキラ感がしっかりあって、ヒップホップのリズム感とアイドルのキャッチーなポップス感の融合がとても心地いい。渋くて細かい演出も所々で入っているので、あっさりしているだけではない工夫も施されている。

 

決してタイトル曲に持ってくるようなパンチのある楽曲ではないが、シンプルに完成度がめちゃくちゃ高いのがOh My Goshだ。B面の1つの曲としてアルバムに収録するには最高級クラスの曲と言えるだろう。スタイルは全く違うけどチョンハのBother Meのような感覚に近いかな。

 

 

というわけでポップスにK-HIPHOPの雰囲気を見事に融合させたPURPLE KISSのOh My Goshが最後のMVP候補となります。日本人のユキ(毛利小雪)がいてMAMAMOOの後輩、どんどん勢力が拡大していきそうなRBWという事務所ではあるものの、日本のK-Pop好きからの知名度はまだまだ低い印象しかないPURPLE KISS。しかもそんなアイドルのB面の曲ということでチェックした人はかなり少ないと思うが、かなりおすすめなのでこの機会にぜひ聴いてみてほしい。

 

LEGGOですブログ: 注目の日本人ユキが所属するPURPLE KISSがアルバム「memeM」でカムバしたぞ!

 

 

 

 

 

今回のMVPはアイドルの雰囲気に見事ヒップホップを落とし込んだ彼女たち

 

以上が自分が気に入った3月のK-Popとなります。こうやってラインアップしてみるとやはりヒップホップの要素がわかりやすく入った曲が多かった気がする。特にRed Velvetなんて韓国でも日本でもトラップを強調していたからね!そんな今回の月間MVP候補は、

 

  • (G)I-DLE - MY BAG
  • Solar - HONEY
  • CRAVITY - FLIP THE FRAME
  • Red Velvet - WILDSIDE
  • PURPLE KISS - Oh My Gosh

 

の5曲になりました。過半数がヒップホップ強調系、2月のMVPがSTAYCのI WANT U BABYだったので2ヶ月連続でそっち系のテンションになっている。そんな今回の月間MVPは、、、

 

 

 

Photo by Twitter(@RBW_PURPLEKISS)

 

PURPLE KISSのOh My Goshとなりました!やっぱりどう考えたってアイドルの曲なのにK-HIPHOPっぽい雰囲気を大胆なのに目立たないバランスで採用したビートがまず圧倒的、そしてそこに合わせたボーカルも完璧でサビでは100%盛り上がれる。スポーツで例えるならオールスター級の選手ではないけどチームにとっては大事なピースで、チームメイトからはリスペクトされてるし、FA期間にはあらゆるチームから提示される選手。そのスポーツを詳しく知っているファンからはやたら評価が高いみたいな、アルバムの収録曲の1つという立ち位置で考えると完璧では?というぐらい自分には刺さりました。多分Oh My Goshをその月のMVPにピックアップしてしまうぐらい評価をしている人が自分以外にいるのか謎なぐらい高評価しちゃっているとは思いますが、自信を持っておすすめできる曲で間違いない。IVEのレイ、Billlieのツキなど新しい日本人の韓国アイドルの人気が出始めてきているので、その次の枠を奪うのはPURPLE KISSのユキかもしれない!という点でもチェックしておいて損はしないかも。

 

 

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曲としてのMVPはPURPLE KISSの一択、そしてグループとしてのMVPを仮に決めるのであれば、Red Velvet一択だった1ヶ月間でした。ブログのタイトルに止めるのは誰だ?とか書いたけど、普通に止まっていない笑。やっぱレドベルはスーパースターで変わりないということが証明されたし、自分もアイドル方面でのK-Popのテンションはレドベルになっちゃって、LEVEL UP Projectをここタイミングで見始めてしまった。かと言ってPURPLE KISSがOh My Goshだけというわけでもなく、カムバに合わせて「ね!こゆき」とかを見直してたらCast pearls before swineにハマりまくって謎に300回は聴いてた。曲がいいと自分は基本的にそっちに引っ張られて、そのアイドルの動画とかを見返してしまいがちなんだけど音楽面はPURPLE KISS、アイドル面はRed Velvetと3月は見事に棲み分けができていたので、得した気分になりました。

 

 

 

今回のブログは以上です。書いている途中からものすごく重かったので、読み込みに時間がかかるブログになっているかもしれません。すみません。読んでいただいてありがとうございました。最後にこのブログのツイッターApple Musicのリンクを貼っておきます。よければぜひフォローお願いします。4月のおすすめK-Popで会いましょう。ではまた!

 

 

 

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