WeeeklyのVen paraを深掘りするとキャラ変の奥にある計算し尽くされた面白さが溢れてきた

賛否両論!Weeeklyがコンセプトを大幅変更

 

2022年3月7日にファーストシングルアルバム「Play Game : AWAKE」をリリースし、カムバックを果たしたWeeekly(ウィクリ)。デビュー曲となったTag Me (@Me)が音楽としてめちゃくちゃかっこいい上に、単純なダンスではなくパフォーマンスとして見応えのあるステージ。メンバーのビジュアルの素晴らしく、CDのノート型デザインも抜群だった。そんな期待しかない次のオールスター候補のWeeeklyにはデビュー当時からある1つの特徴があった。それは彼女たちがスクールコンセプトを採用していたということ。

 

 

前置きがかなり長くなってしまいました笑。アルバムレビューの前に寄り道が多いのでご注意を。

 

 

K-Popの第4世代では珍しいスクールコンセプト

 

f:id:leggodesu:20220312080639j:plain

Photo by Twitter(@_Weeekly)

 

Weeeklyは第4世代というくくりに分類されている。この世代はITZYが口火を切ったと言われており、ここ数年にデビューしたグループはすべてこのグループに入る。誰もが当たり前にSNSを使用し簡単に情報が手に入るようになった時代、そして海外への意識がより高まったことなど、アイドル以外の一般人がK-Popに関することを普通に発信するようになったことなど様々な要因が見事に当てはまり、K-Popというジャンルを楽しむ人数の母数が比べ物にならないほど増えた。YouTubeの再生回数やインスタグラムのフォロワー数が5年前などに比べて圧倒的に伸びていることからもわかるだろう。ターゲットがさらに国際化した一方、アイドルのメンバーたちもより国際化していったのも面白いポイントだ。

 

 

そんな市場が盛り上がっている状態で登場した第4世代のアイドルたちは昔に比べ、一気にK-Pop界のオールスターアイドルになる確率もかなり高くなった。第4世代を牽引するITZYはMIDZY、つまりコアなファンもたくさん抱えているし、雑食Kポペンからも好まれている。興味がない人でもK-Popファンなら絶対に名前を知っているような存在だ。ITZYがK-Pop界のスーパースターであることは間違いない。

 

2020年11月デビュー組はもしかしたら過去最高の新人豊作月になるかもしれない。12日にHigh UpエンターテインメントからデビューしたSTAYC、17日にSMエンターテインメントからデビューしたaespa。両者とも爆発的な人気を獲得し、中堅の立ち位置になったITZYの代わりに若手を引っ張る存在となっている。

 

SMという大手からKWANGYAという最初は謎コンセプトに見せかけて、メタバースを宣伝するための広告塔が自分たちだったという逆転パターンを用いて、猛烈なインパクトを与えたaespaはその圧倒的なコンセプトに押し潰されないどころか、KWANGYAが仮になかったとしても余裕で人気者になれたぐらいシンプルにアイドルとして4人の魅力と楽曲が素晴らしい。TWICEの初期三部作で有名、K-Popの名曲をたくさん生んできた大人気プロデューサーのブラック・アイド・ピルスンが立ち上げた事務所からデビュー、そんな大物がバックについていても弱小事務所だと簡単には売れないという過去の歴史を跳ね除け、デビューから1年もしないうちに話題のグループへ。今年2月にリリースされたアルバム「YOUNG-LUV.COM」のタイトル曲であるRUN2Uは現在歌番組で1位を取りまくり。今回のカムバックでオールスター候補から完全にオールスターガールズグループへの仲間入りを果たした。

 

LEGGOですブログ:  NEWスター候補のSTAYCがアルバム「YOUNG-LUV.COM」でK-POP界を奪いそうな雰囲気

 

 

期間限定だったので第4世代と呼ぶのは少し違うが、IZ*ONEはITZYと同じくスーパースターだったし、爆発力という点では歴代最高クラスで全てが上手くハマった奇跡的なアイドルだったかもしれない。その系譜を受け継ぐIVEも一気に駆け上がって行く可能性が高い。デビュー形態が特殊すぎる上に時期もちょっと違うけど、ギリギリ入れてもいいようなLOONAはこれらのグループに比べると人気の面では落ちるが、カルト的な人気を博しているという点では第4世代でいちばんかもしれない。ここ数年で一般的なアイドルの雰囲気が出るようにはなってきたが、自分の中ではアンダーグラウンドでカルト的な人気を誇るアイドルという印象が消えていない。

 

トラップが当たり前の時代に誕生した第4世代は基本ガールクラッシュが主流

 

Weeeklyと同じ第4世代に分類されるアイドルの中で目立った存在をピックアップしてみたが、何か気づいたことはありますか?そう、この第4世代というグループはガールクラッシュなアイドルが圧倒的に多い。ITZY、STAYC、aespa、IVE、そしてLOONAはそれぞれの音楽性もスタイルもバラバラだし、1つにまとめるのはおかしな話だということはわかっているが、ものすごくざっくりした分類で言えばガールクラッシュに入るというのは感覚的にわかるだろう。この世代がこうなるのは当たり前で、上の世代のアイドルたち、つまりTWICEやGFRIEND、OH MY GIRL、Lovelyzのようなわかりやすく可愛いスタイルのアイドルが目立っていた。グループのパッケージとしての印象が可愛いという点で言えば、RedのときのスタイルのRed Velvetもこの分類に入れていいだろう。

 

 

トレンドというのはK-Popに限らず、前の時代のカウンターになるのが普通。スキニーが流行ったら太めのパンツ、革靴からスニーカーへ。可愛い王道アイドルの次はガールクラッシュなのだ。しかも第4世代は音楽面でもはっきりした特徴がある。10年代前半からヒップホップのジャンルであるトラップが大流行。このブームはヒップホップに留まらず、アメリカの有名なポップスのアーティストたちも普通にトラップを取り入れるようになった。K-Popとは韓国のポップスのことなので、当たり前のようにこのトレンドが入ってきた。2015年にBIGBANGのGD&T.O.PがZUTTERでトラップビートを採用。2017年ごろにはヒップホップ色のないアイドルたちも当たり前のように取り入れるようになっていた。この時期にはアメリカでヒップホップがいちばん聴かれるジャンルになり、第4世代の韓国アイドルたちが誕生する頃にはポップス界はもちろん、K-Popでもトラップがトレンドではなく当たり前になっていた。元々K-Popがヒップホップと相性がよかったのも影響しているだろう。

 

 

つまり今のアイドルたちはトラップが当たり前になった時代のアイドルなので、ヒップホップの気配が全くない曲でもトラップを代表する機械的な連続するハイハットが普通に採用されていたりする。この世代の先頭バッターになったITZYの時点でデビュー当時からトラップの要素が入っているし、タイトル曲でその要素が入っていないのなんてICYだけ。IT'z ICYとしてはもちろん入っている。そんなわけで마.피.아. In the morningをリリースしたときに否定的な意見がめちゃくちゃ出たけど、自分はかなりITZYっぽいアルバムじゃん!って思った。つまり「ヒップホップ=ガールクラッシュ」というステレオタイプがあるK-Popにはあるので、コンセプトとしてのトレンド以外の部分、音楽面でもかっこいい系に傾くのは当たり前の流れなのだ。

 

LEGGOですブログ:  ITZYのGUESS WHOはトレンド度外視!スタイルを貫いたトラップアルバム

 

衣装の部分でも追い風があり、メゾンブランドがストリートの要素を入れるのが当たり前になった時代。そしてストリートブランド側の人気もアップ。ヴァージルアブローのようなストリートをラグジュアリーに持ち込んだ人物たちの登場。「ハイブランドの衣装をカスタムしてFlexする」というアイドル衣装業界にこれほどぴったりな素材はない。ストリートのラフな感覚だけど衣装映えもするアイテムが増えたことで、決めすぎないけどFlexするみたいなときでもストリート感が出るようになった。これもガールクラッシュさを演出する1つの要素になっているだろう。

 

「最近のK-Popはトンチキばかりだ」と思ってしまう人が理由とは

 

そんな第4世代のアイドルでありながら、わかりやすいスクールコンセプトを用いたWeeeklyがいかに珍しいことをしているかお分かりいただけただろうか。最近K-Pop界でaespaなど上記のようなスタイルの曲のことをトンチキと言う人が増えてきている。もちろんガチで様子が変な曲もあるが、ライトに表現されている曲たちの理由は「自分の常識やこれまでのK-Popにはない音が目立っている」だろう。なのでaespaやNCTみたいな曲がトンチキだと言われる。実際そのようなアーティストたちの曲に変わった音が入っているのは確かだが、世界中で聴いてもらえるようにシンプルな曲作り、アメリカのポップスやヒップホップの流れを完全に引っ張っているので、無駄な音を省いた聴きやすい作品ばかりになっている。ごちゃごちゃしたトンチキ感という意味ではさらにもう1つ前のトンチキ世代、2010年付近の曲の方がトンチキだ。

 

 

このトンチキ論には先ほど言っていたトラップの要素も含まれているだろう。ヒップホップ好きの自分からすると、日本は絶対にヒップホップが流行らない国だと思っている。その理由に関してはブログの趣旨から外れすぎるので書かないが、ちょっとした文章を書いてみよう。

 

「最近リリースされたHawo Beatsのアルバム聴いた?YENTOWN周りがかなり参加しているし、ゆるふわやJin Dogg、SANTAWORLDVIEWとか客演も豪華だよね。日本じゃなくてアメリカだったらYung KayoのDFTKめっちゃ聴いてる。そういえばRYKEYがHHCを手売りしてたね」

 

 

割と有名なところばかりで構成された3つの文章、ヒップホップ好きなら全てわかるはずだし、ライトなファンでも1つはわかりそうなものを書きましたが理解できたでしょうか。たくさん固有名詞も出てきましたが、その人物名自体1つもわからなかったという人も多いでしょう。「なんでK-Popブログなのに、そんなこと言ってんの?」と思う人もいるでしょうが、それこそが一般へのヒップホップの浸透のしてなさの証明。だってこれがYOASOBIやVaundyとかだったらK-Popブログを見ている人でもわかるでしょ?そういうこと。よくこのブログではK-Popが取り入れているヒップホップ要素の例でTravis Scottのgoosebumpsを挙げているけど、この曲すら知らない人も多いはず。Travis Scott自体はスニーカーが人気だし、韓国アイドルたちも履いているので知っている可能性は高いけど、ファッションに興味がないK-Pop好きは知らない可能性が高い。ちなみにこの曲はTWICEのどのMVよりも再生されています。そのレベルで有名な曲でも日本だと知名度が低いというのが現状。

 

自分はヒップホップが最強だとか、そんな曲も知らないなんてと言いたいわけでないし思ってすらいない。知ってて偉いなんて気持ちは皆無だし、J-Popディスもない。こういうK-Popのことを語る奴ってライトなファンやにわかを嫌う人多いだろうし、過去の名曲とかも勉強しろとかいう人いると思うけど、そんな奴はクソだと思っている。にわかという人たちがいっぱいいるからK-Popは盛り上がってるんだし、むしろ少しでも興味を持ってくれてありがとう。自分の好きなアイドルのMVを再生してくれてありがとうという気持ちでいる。

 

なのでルーツがJ-Popで第4世代が登場した段階にK-Popファンになった人たちも大歓迎だし、今の高校3年生(2021年度)が10歳のとき、つまり2013年のことを2003年生まれの子たちが当時のK-Popを知っているわけがない。この年にBTSがデビュー、少女時代はI Got A Boyをリリースしている。そりゃaespaのNEXT LEVELのビートスイッチを「何じゃこりゃ!」って思うでしょ。もちろん過去のK-Popを知っている方が遊びは増えるけど、そういう人たちに現代の曲から一旦離れて少女時代を勉強しろなんて微塵も思わない。K-Popなんて趣味なんだから、自分の好きなように楽しめばいい。

 

なので過去を知っている人や他ジャンルの曲も聴いている人、音楽としてK-Popを楽しんでいる人は現代の曲がトンチキだらけだなんて思わないし、TWICEやIZ*ONEの流れからK-Popに興味を持った人、そして第4世代の今の波から好きになった人たちがトンチキばっかりと思うのは自然流れだし、変に思わない。ただ昔の曲や過去を学べ!や音楽として好き、K-Popというジャンルに精通してますみたいなことを言っている人で、トンチキばかりと表現している人は全員フェイク野郎だとは思っているけどね笑。

 

 

とめちゃくちゃ話が逸れたが、第4世代は日本人に馴染みがないヒップホップがデフォルトで入っている。さらに市場が拡大したことで自分たちの個性を表現して埋もれないように、そしてよりファンを獲得しようとする流れから、楽曲にもプラスαの個性を出すようになった。そのプラスαから生まれる個性的な音、そしてヒップホップベース、以前とは違うベースだからこそ聴いたことがあるようなジャンルを引っ張ってきたとしても印象が昔とは違うという事実、これらが集まってトンチキという表現が生まれていると考えられる。さらにこのトンチキ表現自体がエモいぐらいざっくり使われる流行り言葉になっているので、あらゆる場面で見かけるようになっているのだ。

 

そんな時代だからこそトンチキ皆無、現代のグループでありながらスクールコンセプトかつ可愛い王道系の雰囲気。そして学校ネタを継続していたWeeeklyがいかに珍しく、やってくれてありがとうと尊ぶべき存在だったことが伝わっただろうか。もちろん他にも王道なアイドルはいるが、メインストリームで戦っているような存在はWeeeklyしかいない。この珍しさ、残された最後の城であるアイドルががっつりキャラ変をしたから、これだけ賛否が分かれており、どちらかというと否が多めという状態になっているのだ。

 

最初はキャラ変に対して否定的だったが、、、

 

 

とまあこれだけ長くWeeeklyの珍しさを伝えるために前置きを書いたということは、自分も完全に否定的なタイプであった。どちらかというと王道よりガールクラッシュ派な自分だが、Weeeklyの曲はしっかり現代仕様なのでしっかりと乗ることができる。ルーツがヒップホップのある自分としてはハイハットや808を拾えるので、ほぼ全ての曲に楽しさを見出せる。10年は余裕でK-Popを聴いているし、本格的にハマった時代は今の世代より前。LEGGOですブログと名乗っているように歴代最高はEXID。そんな自分でも音楽的に今の時代のK-Popが圧倒的に好きである。青春時代に聴いていた音楽が大人になってもいちばん!みたいなのにも全く当てはまらない。そういうタイプなのでどちらかというと好みじゃないスクールコンセプトでも余裕で面白かったし、自分の中で最高のWeeeklyの曲はTag Me (@Me)である。

 

なので普通にWeeeklyは好きなアイドルの1組だったし、現代のK-Popの主流を考えると普通の曲とは違うという点でトンチキと言っていると考えれば、Weeeklyこそトンチキであるという逆トンチキ理論を当てはめることも可能。そんなスクールコンセプトで可愛いWeeeklyが好きだった、、、

 

 

 

f:id:leggodesu:20220312104858j:plain

Photo by Twitter(@_Weeekly)

 

なんてことを数日前までは思っていました笑。もちろんスクールコンセプトのWeeeklyは今も大好きだが「あれ?これはこれでよくない?」という気持ちになってきた。過去とは別、今回のコンセプトのみだけで考えると普通にかっこいいのである。Weeeklyの1つの表現として見れば成功としか思えなくなってきた。

 

なのでリリースから何日か経過した遅いタイミングだが、スクールコンセプトじゃないから興味がない!と言っている人は勿体無いぞと思うようになったので、このタイミングに新しいアルバム「Play Game : AWAKE」のレビューをすることにした。圧倒的に賛否でいうと否が多い今回のカムバック、すでに飛ばしちゃった人も多いと思う。そんな人たちが少しでも興味を取り戻してもらえたら嬉しい。自分は完全に「ウィクリがこんなことする必要ある?」派だった。尊ぶべき存在とまで思っていたし笑。だけど今ではタイトル曲のVen paraもコンセプトも好きになり、完全に賛成派になっている。みなさんどうです?もう1回聴いてみませんか?

 

 

 

 

前置きだけで7000字オーバー。すみません笑。目次の位置も意味わかんない。

 

 

 

Weeekly - Play Game : AWAKE

 

f:id:leggodesu:20220312110649j:plain

Photo by Twitter(@_Weeekly)

 

今作はシングルアルバムということで3曲入り。タイトル曲は1曲目のVen paraとなっています。

 

 

1. Weeekly - Ven para

 

 

話題の問題作登場。スペイン語の「Ven para」は日本語で「来い」という意味で、歌詞の中には思いっきり進むWeeeklyについて「闇を切り開いて来い」というメッセージも込められている。

 

最近はK-Popの国際意識も強くなっており、多くの国の公用語に使われているスペイン語をデフォルトで字幕に入れるアイドルも増えてきた。ポップスのアーティストたちが新たなターゲット層を手に入れるためにラテン語の曲を作ったり、そっち側のアーティストとコラボをすることも増えてきている。なのでVen paraをきっかけにスペイン語圏を意識した戦略を今後行ってみてもいいかもしれない。自分がISTエンターテインメントのWeeeklyのチームの一員だったらhello82にプロモーションをかけて、メンバーたちがスペイン語を学ぶコンテンツを作ってもらい、さらにhola82の方でも配信してもらうようにする。よくないっすか?ISTさん!

 

 

次世代の大注目プロデューサーチームであるTHE HUBが担当

 

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Brian U(@brianyouu)がシェアした投稿

 

Ven paraのプロデュースにはTHE HUBというチームが関わっている。このTHE HUBというのは結構特殊で、韓国で活動しているプロデューサー集団なのだがメインとなっている人物は写真の通り全てが外国人。CEOを担っているBrian Uのみが韓国人のようだ。K-Popのプロデューサーに外国人が関わること自体は多いが、このように韓国を拠点にしている外国人集団というのはかなり個性的だ。2020年から活動している新しいチームだが、すでに結構な作品を手がけている。

 

 

Weeeklyと同じ第4世代のアイドルだとITZYのNot Shyがいちばん有名だ。この曲でJ.Y. Parkと交流を持ったのがきっかけとなったのか、NiziUのFIESTAとSuper Summerも担当。そしてK-Popファンが大大大大大大大大大大大大注目していたNMIXXのO.Oも手がけている。というわけでJYPのガールズグループとズブズブの関係、男性アイドルだとカン・ダニエル、ASTRO、KNK、TREASURE、TO1などこちらも豪華。何回もプロデュースしているアイドルも何組かおり、いい関係性を各方面で築けている注目して間違いないK-PopプロデューサーチームがTHE HUBである。

 

Weeeklyとは以前からいい関係性

 

 

そんなTHE HUBはYummy!で初めてWeeeklyをプロデュース。しかもこの曲では作曲だけで終わらず、THE HUBのメンバーであるFrankie Dayがバックコーラスにも参加している。そして今回のPlay Game : AWAKEの前作、同じシリーズのPlay Game : Holidayに収録されていたLa Lunaにも参加。前作のアルバムの中で少しスタイルが違ったLa Lunaに参加していたということで、今回のキャラ変に説得力が出てきた。

 

 

La Lunaの存在がWeeeklyを繋ぐ?

 

Weeeklyの"La Luna"をApple Musicで

 

Yummy!からLa Luna、そしてVen paraという流れで見るとしっかり段階を踏めている気がする。ちょうど両者のバランスを取るかのように間に挟まれたLa Lunaがいい味を出しているよね。Holiday PartyからのVen paraだと変化がすごく感じられるが、La Lunaからの変化という風に考えれば結構普通だ。もちろんタイトル曲はある意味独立した存在なので急なキャラ変に感じるのは当たり前だし、自分もそっちのタイプだった。ただこのように今作に関わったチームという単位でのWeeeklyで過去作を振り返ってみると、辻褄がすごく合う。深掘りしたからこそわかる面白さ。やっぱ誰が作曲しているのかって調べていくと面白いよね!裏側の流れというものが音楽を通じて体感できるので、K-Popというジャンルの音楽が好きな人にはマジでおすすめ。

 

 

というかみなさんお気づきだと思うが、今作のPlay Game : AWAKEは前作のPlay Game : Holidayの続編なのである。Weeeklyはデビュー当時から「We 〇〇」というシリーズを行なっていた。それがすでにHoliday Partyの時点で変わっていたのである。あれ?ってことは?とここでまた1つ伏線が登場する。

 

Holiday PartyもVen paraとビートの低音でリンク

 

 

今回のVen paraはオフィシャルのアナウンスからもわかる通り、808のベースを売りにしており、韓国アイドルの曲にしてはかなり主張が激しい。ヒップホップの進化に必須だった過去があり、現代の音楽にも必須、名機の中の名機である日本のローランド株式会社が1980年に世に放ったリズムマシンTR-808、通称やおやがVen paraの低音を生み出している。そんなルーツの音に使用しているから、Ven paraのことをヴィンテージヒップホップを基盤にしたとアナウンスしているのだ。

ヒップホップが流行らない日本の機械がヒップホップの歴史を変えたというのは皮肉な話である。

 

そんな低音のインパクトばっこりなVen paraはWeeeklyの本来のイメージと離れている気がするが、よく考えればHoliday Partyも低音がかなり太かったよね。ってかサビ以外は低音の印象がいちばん強い。

 

 

 

気がつくとWeeeklyらしさしか感じなくなっていた

 

このようにVen paraに関わる物事を様々な角度から深掘りをしてみた。その結果出てきた感想は前回と低音が強いという特徴が同じ、そしてアルバム自体もPlay Gameシリーズ、プロデューサーも過去2作品に関わっている、、、

 

 

あれ!めちゃくちゃWeeeklyじゃん!という結論に至った。深掘りすればするほど、考えれば考えるほどVen paraがこれまでの彼女たちのスタイルの流れにあることがわかるのだ。これは完全なカウンターパンチである。

 

確かに地球と火星ネタでやっていたのに太陽まで行っちゃったので、また別の存在という風に考えることもできる。スクールスタイルだってやめた。低音のインパクトという点でリンクしているとは書いたものの、曲のスタイル自体は全く違う。なのでキャラ変をしたのは間違いない。ただこのように少しずつ解剖していくと「急なキャラ変」ではなく「計画されたキャラ変」であり、いい意味でWeeeklyの作品でしかないのだ。

 

完全に計算されたコンセプトチェンジ

 

スクールコンセプト、制服っぽいノリを持ち込んだWeeeklyだが、もちろんずっとそのスタイルが行えるわけはない。GFRIENDだって大人になったし、fromis_9なんてWeeekly以上にスクールコンセプトだったのに早々とイメチェン。知ってる?アイドル学校の放送開始が2017年7月13日、Glass Shoesの初披露が同年11月29日、イメチェンを図ったLOVE BOMBをリリースしたのが2018年10月10日なんだぜ!グループとしてデビューしてから制服を脱ぐまで1年もかかっていない。アイドル学校のスタートから考えても経ったの1年3ヶ月。

 

WeeeklyはTag Me (@Me)が2020年6月30日でVen paraが2022年3月7日と約1年半。余裕でfromis_9より長い期間スクールコンセプトを行なっていたことになる。アイドル学校というモロにそっち系の番組から生まれたアイドルより長いって、そりゃ相当でしょ。

 

 

それにメンバーのビジュアルもいい意味で異質だった。学校モノを行なっているが170センチ台が3人おり、低い人でも160センチ中盤。一般的に連想されるスクールコンセプトのアイドルたちとは印象が元々違った。可愛い系だけど綺麗系みたいな。スタイルのスペックでいえば目を離した隙にセクシーに全振り、韓国アイドルの歴史の中でもトップクラスなキャラ変を行なったHELLOVENUSに近いということ。つまり時代が違ったら、この動画のような制服の仕方をしていても不思議ではないということ。ちなみにこのときのマンネであるヨルムはWeeeklyだとジハンと同じぐらいの年齢。最年長には若干の開きがあるし平均年齢で行くと差はあるものの、年齢のレンジだけで考えればゾア以外収まるということ。すごくね?

 

 

考えれば考えるほどスクールコンセプトの延長をかなり引っ張ってくれたと思うし、ガールクラッシュに移行しても全く不思議じゃない。ビジュアル的にも時代が違えば、全くの別物にすることも可能だった。それなのにしっかりネタ振りを行い、WeシリーズからPlay Gameシリーズに変えた上でも1回遊びを入れた。ほんと考えれば考えるほど絶妙なタイミングだったように思えてくるんだよね。それに普通に曲めちゃくちゃかっこいいし。このブログで書いたことを全部無視しても普通にいいK-Popと思える。LOONAのSo Whatみたいに最初は否定的な意見が多かったけど、グループの可能性を広げたという意味では重要だったというルートでVen paraも評価されるようになればいいよね!

 

Weeeklyの"Ven para"をApple Musicで

 

 

2. Weeekly - Solar

 

 

2曲目のSolarはさらにわかりやすいガールクラッシュな1曲。ただ基本的な部分に関しては1曲目と変わらないので、レビュー自体は短め。

 

 

こちらもTHE HUBがプロデュースに参加

 

というわけで1曲目のVen paraと同様にTHE HUBの面々が作曲に参加している。厳密に言うとそれ以外の人物が2曲ともに参加しているし、その人物も異なる人たちなのでTHE HUBの完全プロデュースではないし、全ての裏方が同じというわけでもない。だけどかなりの人数が参加しているし、メインと言えるのでこのブログではTHE HUBのプロデュース曲と言うことにした。なので1曲目と2曲目は1つの塊みたいな捉え方でいいと思う。

 

 

K-Popファンが思うトラップベースのビート

 

いわゆる強い系のガールクラッシュグループが行いそうな雰囲気たっぷりのビート、ハイハットも鳴りまくっておりヒップホップのエッセンスはVen paraよりも完全に強い。ヒップホップ好きからするとトラップとは思わないけど、K-Popファン的にはトラップに感じる曲、aespaのSavageのようなジャンルに入りそうな典型的な楽曲だ。ガールクラッシュここにあり!みたいな。

 

ダンスもスローな部分と激しい部分のメリハリがあってパンチが強い。ガツンと感でいえば、最近のガールズグループの新曲の中でいちばんあるだろう。

 

 

 

3. Weeekly - Where Is My Love?

 

Weeeklyの"Where Is My Love?"をApple Musicで

 

かなり激しめのアルバムになっていたが、やはり最後はK-Popではど定番の歌モノ締め。このコンセプトなら最近流行りのトラップベースのR&Bでもよかった気はするが、Daileeeの度肝を抜きすぎないためのバランス取りなのか、落ち着いたスタイルを披露してくれた。

 

 

プロデュースはMonoTree

 

先程までのTHE HUBと同じく、K-PopのプロデューサーチームであるMonoTreeがWhere Is My Love?に参加。こちらはすでに多くのファンを抱えている大人気の売れっ子チームだ。

 

こちらも前作「Play Game : Holiday」から参加しており、WeekndがMonoTreeによるもの。IZ*ONE出身で1月にそろデビューを果たしたイェナと共にジハンが出演していたドラマ「少女の世界2」で、Weeeklyが担当していたOSTのBest Friend (We Can)もMonoTreeのプロデュースである。今後もPlay Game期のWeeeklyを支える存在になっていきそうだ。

 

 

チルで可愛いウィクリちゃんを聴いて落ち着きましょ!

 

ゆったりと落ち着いたビート、チルっぽさもあり。そして歌詞も可愛い系のウィクリちゃん。今までの彼女たちを返せ組はもちろん、ガールクラッシュでばっこり耳にインパクトを与えた組も一旦落ち着こうぜ!というタイプの1曲。元々の音楽の好みかどうかの問題はあるが、その理由以外でWhere Is My Love?が嫌いな人なんていないでしょ。それぐらいいい味で普通に聴きやすい曲。逆にその言葉で終わらせることができるから、レビューをするポイントがないというのは弱点か。

 

 

 

 

 

深掘りすればするほどコンセプト肯定派になっていくWeeeklyの新曲の面白さ

 

今回のブログは以上となりますが、みなさん少しでも印象は変わりましたか?自分のいちばん好きな曲がTag Me (@Me)であることは変わらないし、もうちょっとスクールコンセプトで可愛い王道なアイドルを見たかった気持ちはある。ただこのようにちょっと深いところまで見てみると、計算し尽くされたキャラ変だったということがわかるし、徐々に面白さが湧いてくる。それに今回のパフォーマンスを完全に切り離し、ただのアイドルのカムバという風に単体で考えたら普通にかっこいい。

 

LOONAのときも「ビョンギが離れるのかよ!」という声が大きかったし、「昔のLOONAがいちばん好き」という人もぶっちゃけ多い。自分も曲の好みだけで言えば圧倒的にビョンギ派だ。fromis_9だってDKDKがいちばん好きな曲である。だけどアイドルグループとしてトータルで考えると、昔のLOONAやfromis_9より今の彼女たちの方が圧倒的に好きである。

 

 

なのでWeeeklyに関してもスクールコンセプトの方が好きと想い続けるかもしれないし、デビュー曲が最後までいちばんの可能性もある。ただこのブログを書いている今がいちばんWeeeklyのことが好きだし、ガールクラッシュも似合っているので何ならビジュアル面での好みっぷりは格段に上がった。

 

もちろんコンセプトが変わったことに対して否定的な意見もわかるし、結局学校モノをやっていたウィクリこそが至高!という意見が出ても何も思わない。人それぞれの好みがあるし、意見が飛び交い合うアクティブなファンベースはK-Popの面白い部分だと思っている。なので自分が書いた今回のブログに対して、猛烈な反対意見が出たとしてもびっくりはしない。

 

ただ1つだけ言いたいのは「ガールクラッシュは求めていないので即切った」という人は勿体無いよ!と言いたい。特にこれまでWeeeklyを追っていたDaileeeにこそおすすめしたいと思った。MVの考察みたいなものを全くしていないのに、これだけ過去と繋がる部分が見つかった。ネタ振りが上手なアイドルはどう考えって面白い。ここでいちばんダメなのは否定派が多かったから無理矢理スクールコンセプトに戻すこと笑。将来的にガールクラッシュを辞めてもいいから、Play Game期の間だけは全うしてほしい。Weシリーズが3部作だったので、あと1回はVen paraのコンセプトを引っ張るはず。

 

 

f:id:leggodesu:20220312144308j:plain

Photo by Twitter(@_Weeekly)

 

というわけで深掘りすればするほど面白く、最初は完全に否定的だったけど今では大満足なWeeeklyの新しいアルバム「Play Game : AWAKE」でした。あと今作関係ないんだけど、今年に入ってから何故か急にゾアがものすごく可愛く見えてきた。デビューしたときからもちろん可愛いと思っていたけどジハン推しだったし、ジハン自体も韓国アイドル全体でというわけではなかった。そんな中、何か理由があったわけでもなく急上昇。まだ高校生ということはどんどん綺麗になる可能性が猛烈に高い。そんな自分の中でビジュアル面ダークホースになってきているゾアを最後に紹介しておきたかった。ティーザーのサムネイルもゾアだったしね!

 

 

 

最後にWeeeklyの新しいアルバム「Play Game : AWAKE」の全体のリンクを貼っておきます。ぜひ聴いてみてください。次回のK-Popレビューで会いましょう。このブログの各種SNSのリンクは下にあります。よければぜひフォローお願いします。ではまた!

 

Weeeklyの「Play Game : AWAKE - Single」をApple Musicで

 

 

 

 

【LEGGOですブログ関連のSNS

 

・Twitter: @leggodesublog

ブログの最新情報やK-POPに関連するトピックを発信。筆者のK-POP垢的な一般的なツイッター要素もあり。

 

・Apple Music: @mbnp

筆者のApple Musicアカウント。K-POPを中心としたプレイリストを公開中。特定のアイドルのお気に入りの楽曲をプレイリストとして作成したものや年間ベストなど。