注目の日本人ユキが所属するPURPLE KISSがアルバム「memeM」でカムバしたぞ!

次世代の日本人アイドルたちがK-Pop界で活躍中

 

韓国アイドルの国際化が止まらない。K-Popというジャンルの音楽がアジア以外の地域からも注目されるようになって数年が経過した。元々韓国として海外にエンタメを売ろうとする傾向があったものの、これほど一気に市場が拡大すると想像していた人はどれぐらいいるのだろうか。BTSは今やK-Popの域を超えたポップスのボーイズグループという立ち位置だし、TWICEのようにグループの半分近くが外国人というアイドルもいる。大人気の韓国アイドルコンテンツの1つであるサバイバル番組の出場者たちには、当たり前のように日本人や中国人も参加するようになった。

 

日本人目線としても以前まではジャニーズやAKB、ハロプロLDHなどのアイドルやボーイズグループに参加する道しかなかったが、今では韓国へ行ってK-Popのアイドルになるという道も確立され始めてきた。SMエンターテインメントNCTを見ていると、K-Popの人気等が上がったことで外国人も積極的に採用することが可能になり、その結果国籍を問わずにアジアの優秀な子たちを自分たちのアイドルとして吸収しようとしているように感じる。音楽面でのエンタメをいい意味で支配しようとしているような。韓国ドラマや美容、食品など他のジャンルもかなり支持されてきているが、K-Popのように外国人を自らのコンテンツに取り入れた上で韓国産の商品として売り出しているエンタメは他にはない。それほどK-Popの国際化というものは異質であり異常でもある。

 

 

国際化が年々進むK-Pop界では現在、ある民族のアイドルたちが目に見えて活躍しているように感じる。そう!それは日本人だ。日本と韓国といえば、政治や歴史といった国同士の関係性だけで考えると相性はよろしくない。自分はそのような壁は一切ないが、実際にそういった人間は存在しているし、K-Popを純粋に楽しんでいるだけでも日本と韓国の関係性の良くない部分というのを見かけることはある。そういった決して無視することができない要素があるのにも関わらず、韓国の事務所は日本人を採用しているし、日本人はK-Popに挑戦する。どちらに対してもK-Popファンとして尊敬しかないし、ありがとうと言いたい。もちろんその道を切り開くのに大きな貢献をしたJYPとTWICEに関しては好き辛い関係なく、日本人ならば尊敬だけは絶対にするべきだ!と思うぐらいのレベルである。

 

 

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Photo by Twitter(@IVE_twt)

 

そんな韓国アイドル、特に2021年後半あたりから現在にかけてのガールズグループでの日本人の台頭というものが物凄い。2021年の初めの頃にIZ*ONEの活動期間が終了したことで旬な日本人女性アイドルたちがK-Popから去ることになったが、やはり新しい存在というものが出てくるものなんだな!と実感している。IZ*ONEのユジンとウォニョンが参加していることもあり、デビュー前の時点で日本人からの注目度も高かったIVE。そんなIVEの日本人メンバーのレイは今最も旬な日本人アイドルかもしれない。彼女が広めるきっかけになった1つとも言えるギャルピースは、現在韓国アイドルたちの中で大人気になってきている。Gilrs Planet 999というサバイバル番組から誕生したアイドルなのに、すでにQUEENDOM 2という新たなサバイバル番組に参戦している武闘派?アイドルなkep1erにもマシロとヒカルという2人の日本人が名を連ねている。また現在最も話題という点でいえば、新曲「GingaMingaYo (the strange world)」のFancamで一気に人気者になったBilllieのツキの名が挙がるだろう。そんなツキが所属するBilllieというグループにはハルナというもう1人の日本人も存在している。彼女たちに比べて少し時期が早いaespaのジゼルなんて、今ではいい意味で旬らしさがないぐらい人気者である。

 

このように短い期間の間で新たな旬の日本人女性アイドルというものがたくさん登場しており、ある種のバブルのような状態になっている。まあこれは日本に住む日本人K-PopファンがツイッターYouTubeなどを通じて体感していることなので、バイアスが入っていることは間違いないし、韓国のファンやトータルとしてのK-Popファンからの関心という点で考えると日本人バブルになっているかどうかは不明だが、少なくとも日本のK-Popファンの中ではバブル状態であると考えられるだろう。今回はガールズグループに注目したが、男性グループでもどんどん増えており、PENTAGONユウトやNCTユウタやショウタロウはもちろん、TREASUREのようなグループの存在しているし、それ以降もどんどん増えていっている。

 

 

次にブレイクする日本人は誰だ?

 

 

という風に最近目立っている人物たちをピックアップしてみたが、他にもたくさん日本人アイドルは存在している。国籍関係なく人気が出る人は人気が出るという土壌が出来上がりつつあるので、これまではそこまで注目されていなかった人物が急にブレイクすることも十分に考えられる。また最近ではRocket PunchジュリのJURIFUL DAYSのように、自身のグループの韓国の公式YouTubeチャンネルで全編日本語の日本人向けコンテンツをリリースするアイドルも登場し始めた。この日本人的に圧倒的に敷居が低いコンテンツが誕生したことでジュリのそんな存在を知ったり、興味を持ち始める人も増えるだろうし、それがきっかけでSNSなどで日本人の中で話題になるかもしれない。大手事務所であればあるほど知名度の関係で有利なのは間違いないが、Billlieツキのパターンだってあるし、日本国内に限れば現状可能性はかなり高い。

 

LEGGOですブログ:  Rocket PunchジュリによるJURIFUL DAYSがかなり革新的なコンテンツである件について

 

 

私はPURPLE KISSのユキを推したい

 

では次に来そうな日本人は誰なのか?BilllieツキのFancamパターン、LOONAチュウのバラエティというかキャラクターパターン、Brave Girlsのファンきっかけパターン、NMIXXソリュンのビジュアルパターン、シンプルに曲が売れるパターン、様々な種類が考えられる上に正直わからないので、次はあの子が来る!とは正直言えないが「自分が推したい日本人アイドル」という限定した条件で考えると、私はPURPLE KISSのユキを推していきたい。

 

 

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Photo by Twitter(@RBW_PURPLEKISS)

 

RBWからMAMAMOO以来6年ぶりのガールズグループとして2021年3月15日にミニアルバム「INTO VIOLET」でデビューしたPURPLE KISS(パープルキス)。ファンの名前はPLORY。そんなPURPLE KISSに所属するユキ(本名: 毛利小雪)は2002年11月6日生まれの東京都出身、メインラッパーとダンサーを担当しているRBW初の韓国デビュー外国人アーティストだ。またRocket Punchのジュリと同様に、グループの公式チャンネルで「ね! こゆき」という全編日本語の日本人向けコンテンツも配信してくれている。JYPの練習生だったという噂もあるみたいだが、この話がガセらしい(自分的ざっくり調べ)。あと韓国語がうまい反動なのか日本語が韓国語訛り、日本語が上手い韓国人みたいな感じになっている時があるのが個人的なポイント笑。

 

YouTube: [ね! こゆき] 韓国コンビニの辛いラーメンレビュー | 한국 편의점 매운 라면 리뷰 (Guest. Chaein & Dosie)

 

色々あるぞ!ユキやパープルキスのストロングポイント

 

そんなPURPLE KISSのユキを次に人気が出る日本人として推したい理由はいくつかあり、まず最初はシンプルにビジュアルだ。可愛いは正義!これほどバズるきっかけになりそうなものはない。グループのビジュアル担当も受け持っているユキは楽曲のパフォーマンス中でも目立つパートがあるし、MVの始まりやティーザーで使われることも多いので、人の目につくことも多いだろう。TWICEでツウィをセンターに持ってきたのと同様、韓国のアイドルなのに外国人をビジュアルのセンターに採用するのって勇気がいると思うし、かなり気合の入った決断だと思う。例えばLDHから新しい7人組のボーイズグループが誕生します!6人が日本人で1人が韓国人、センターはその韓国人の男の子です!って聞いたら攻めてる感じするじゃん。もうその時点で事務所の気合と懐の深さがわかるじゃん。そういうこと。

 

 

そして次にユキを推したいポイントはロールのわかりやすさ。PURPLE KISSはしっかりとラップのパートを作ることが結構あるので、わかりやすくユキのターンがやってくる。なので誰が何を歌っているかわからない人でも早い段階でユキの判別をすることができるだろう。またラップ担当というしっかりとした役割があるので、K-Popファンが好きな「誰がいちばんラップが上手い?」みたいな議論に登場させやすい。他の肩書きもたくさんあるので「日本人でいちばんなのは?」とか「ビジュアル担当で誰がいい?」みたいに様々なところに名前が出る可能性があるというのも魅力的だ。サバイバル番組みたいな競わせるコンテンツが好きってことは、どうせこういう議論をするのも好きでしょ。

 

 

そして最後のポイント、むしろこれがPURPLE KISSにとっていちばんの強みなのでは?というのがある。それは事務所がRBWであるということ。男女入れるとごちゃごちゃしそうなのでガールズグループのみで考えてみる。PURPLE KISSの先輩であるMAMAMOOはK-Pop界を代表するスーパースター。2021年6月にフィインがRBWを退所したがグループは2023年まで継続。音楽活動だけでなくタレント業にも積極的で、ソラのYouTubeなんて韓国アイドル界でも最強クラスだ。そんな稼ぎ頭が先輩にいるということは事務所の資金も潤っているに違いない。

 

それを証明するかの如く、2021年4月7日にはOH MY GIRLなどが所属するWMエンターテインメントを買収。両社の強みを生かしてアーティストやコンテンツの企画を強化、グローバル市場への進出も本格的に行う予定だとアナウンスしている。MAMAMOOもOH MY GIRLも日本で積極的に音源のリリースをしているということは、日本人のユキがいるPURPLE KISSも日本市場へ進出する可能性が高い。というかそれ以前に異なったタイプのスーパースターを2組も抱えているのだから、シンプルにユキたちが韓国でプッシュされる可能性が高い。WMエンターテインメントに所属するイ・チェヨンのIZ*ONE活動終了後の売り出し方がかなり個性的だし、オマゴルも2回大きなブレイクを経験するという変わった経歴を持っている。直接関わりがあるMAMAMOOなんて変則的なスタイルでスターになったアイドルの代表格のような存在だ。なので今みたいに一般的なアイドルな売り方をもっと強化する可能性だってあるし、RBW自体を曲者集団、ある意味でYGみたいな独特なブランディングに切り替えて、ガールズグループは攻めた売り方をするという可能性もある。

 

この事務所がプッシュしてくれそうな可能性が高いというのは、人気になる上でかなり重要だ。一躍大人気になったSTAYCの1つの要因として事務所が小さいのにデビュー前から惜しみなく資金を掛け、プッシュしていたというのがある。もちろん本人たちの実力もあるが、その実力を披露する場を作ったのはHigh Upエンターテインメントなのである。

 

 

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Photo by Twitter(@RBW_PURPLEKISS)

 

というわけで前置きが長くなったが、私がプッシュしていきたい日本人アイドルのユキが所属するPURPLE KISSが新しいアルバム「memeM」をリリースしてカムバックを果たした。なので今回はそんな彼女たちの新曲をレビューしていこうと思う。

RBWの日本のApple Musicにアップロードするのが遅い問題だけ何とかして笑。そういう事務所たまにあるけど、イヤホンで聴くの第一主義な自分としては辛すぎるし、ガチの自分の意見をブログにしているのでシンプルにその分レビューする時期も遅れる。

 

 

 

 

 

 

PURPLE KISS - memeM

 

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Photo by Twitter(@PURPLEKISS_JP)

今作「memeM」は全部で7曲入りで、アルバムと同名のmemeM(2曲目)がタイトル曲となっている。残念なことにカムバの直前でメンバーの数人がコロナ陽性となったため、行われる予定だったショーケースは延期へ。当然現段階での歌番組の出演もなしだが、アルバムや事前に収録されていた番組等は予定通り公開されていっているので本格的なカムバの前、PREカムバ的な感じになっている。

 

また特徴としてほぼ全ての曲の作詞や作曲にメンバーが参加、その他の裏方はRBWの人物がほとんどということで、文字通り「チームとしてのPURPLE KISS」の作品となっている。ヒップホップ好きとしては作詞もラッパーの実力のうちと思っているから、自分のバースを作詞している毛利小雪さんはしっかりステージに立っている数少ないアイドルだと思っています。実は。

 

 

1. PURPLE KISS - Intro : Illusion

 

 

アルバムの1曲目やタイトル曲の世界観のプレビューのためのパフォーマンス動画を公開しており、memeMのイントロ曲となるIntro : Illusionもカムバ前の公開済み。こういうカムバに対する楽しみな気持ちを盛り上げてくれるコンテンツを毎回配信してくれるのはいいよね。各自のティーザー動画も作っていたし、業界の立ち位置的にはマイナーアイドルだがプロモーションをしっかり行ってくれるのはK-Popファンとしてありがたい。

 

曲としては民族感が少しあるのがポイント。

 

PURPLE KISSの"Intro : Illusion"をApple Musicで

 

 

2. PURPLE KISS - memeM

 

 

今回のタイトル曲であるmemeMはPURPLE KISSとしては珍しいスタイルとなっている。

 

 

ざっくりとしたジャンル分けはガールクラッシュ

 

memeMを簡単にジャンル分けをするとガールクラッシュな1曲と言えるだろう。彼女たちのような第4世代のアイドルたちはトラップがトレンドを超えて当たり前になった時代、つまりヒップポップといちばん距離感が近い世代。当たり前になりすぎてトラップのサウンドを取り入れているけど、ヒップホップ色が一切表に出ていない曲というのもたくさんある。ただK-Pop界には2NE1や4MINUTEのような存在があったからなのか「ヒップホップ=媚びないスタイル」という印象があり、ガールクラッシュなアイドルたちがヒップホップの要素を採用することが多かった。

 

その流れは今でも続いているからなのか当時の真逆の流れ、ヒップホップが当たり前になった時代だからこそ、ガルクラに転向するアイドルも自然と増えていると考えられる。fromis_9の初期やOH MY GIRLのようにアイドル感強めなのにトラップの要素を取り入れたアイドルも存在しているが、こういった王道な雰囲気のアイドルが減っているのには現代の音楽の流れというのも大きく影響しているだろう。この下に貼った動画のリンクを取るためにYouTubeを開いたらIndeedの広告が流れたんだけど、その広告のBGMでさえトラップの要素が使われていた笑。それぐらいK-Popとか関係なく当たり前の時代なのだ。

 

 

前作「HIDE & SEEK」に収録されていたCast pearls before swineのようにトラップ色が強めの曲も経験済みだし、以前からどちらかといえばダークな雰囲気の世界観の楽曲も多かった。そして第4世代のアイドルということでガルクラに転向する可能性は割と高めではあったのだが、先輩であるMAMAMOOがノリ的にはガルクラだけど一般的なガルクラは全くしていないという極めて稀有で圧倒的なスタイルを確立してしまっているので、その後輩が王道なガルクラを行なったと感じた人も多かったのか、割と微妙派が多かった印象がある。自分もフルで曲を聴くまではそう感じていた。

 

 

1番はK-Pop的なトラップテイストの王道系ガルクラ

 

イントロから最初のサビまでの流れはかなり王道のガルクラで、いわゆるK-Popのトラップを感じる曲の一般的なそれと同じ。正直新鮮さはないが、ユキの「M.E.M.E.M.E.M.E.M」からのビートでアクセントの2小節の流れはかなり効いて、個人的にはかなり好き。そのユキのパートの対となるジウンのバースもしっかり流れを汲んでおり、曲の早い段階なのにボーカルで遊んでいたことは新鮮に感じた。

 

サビ前にビートの雰囲気を変えて始まる前にアイコン的な歌詞を1言ドカン、サビの前半はビートのインパクト重視でボーカルはシンプルにして、後半からしっかりと歌って最後の1言で締める。この超わかりやすいサビは定番すぎて物凄くキャッチー。まあだからこそ王道でよくあるすでに飽きたガルクラに感じてしまうとも言えるのではあるが。この段階では。

 

 

ノーマルなのにアブノーマルに感じる抜群の演出

 

ここまではありふれたガルクラ感が正直あったmemeMだが、2番から一気に曲の魅力が倍増する。

 

まずはいきなりビートが静かになってアカペラっぽい雰囲気になる。2番の最初にビートチェンジをする曲はたくさんあるが、memeMのように勢いを止めるようなタイプは珍しい。通常ならラップパート、つまりユキのラップから始まることが多いが今回はスアンのソロパートという新鮮さ。

 

そして静かになったと思ったら、間髪を入れずに今度は一気に盛り上がり始める波の激しさ。ビートの雰囲気的にはBLACKPINKのHow You Like Thatの終盤のようなお祭り系のノリで、2番の途中なのにやたらとテンションを上げようとしてくる。ただ内容としては1番と同じで、元のビートに音がプラスされただけとなっている。

 

すでに波の激しいビートが再びサビ前に変化する。2番の出だしほどではないがもう1度スローダウンを果たしたと思えば、すぐにスピード感がアップしていく仕様となっており、このように文字にするととんでのない波の激しさに感じるだろう。

 

 

こんなにもビートの雰囲気がどんどん変わる曲といえば、NMIXXのO.Oを思い出す人が多いだろう。彼女たちは1曲の間でわかりやすくビートチェンジというかビートスイッチを行なった。そんなNMIXXと今回のPURPLE KISS、ビートがどんどん切り替わるという点では共通しているが全くの別物である。memeMの場合は全ての変化が1番の2番のサビの間に起こっている上に、元々のビートの延長戦である上にK-Popの原理原則の上に成り立っている。

 

スアンの急に静かになったパートは2番の最初にビートが変わりがちというK-Popの定番パターンの上に成り立っている。なんならその次のイレのパートからも分かる通り、実は部分は1番とほぼ同じ、Aメロの変化系でしかない。ビートチェンジではなくAメロver.2なのだ。How You Like That系のお祭りパートもAメロの変化系でしかない。

 

そして2回目のスローダウンパート、これは確かに新種でありビートスイッチと言えるものだが、タイミング的にはいわゆるサビ前の部分、つまりK-Popでよくビートの雰囲気が変わるパートそのままなのだ。つまりさらっと聴くとはかなり変化しているように感じるが極めて基本に忠実、メリハリがあるだけでmemeMという曲の軸自体はぶれていないということ。NMIXXのO.OやaespaのNext Level、少女時代のI GOT A BOYなどとは全く違う種類の曲だ。

 

 

正直初めてMVを見たときはガルクラに転身、そしてビートの怒涛の変化、ライトなファンがよく言うようなaespaに影響を受けている系だと思った。ただApple Musicで配信が開始され、イヤホンでじっくり聴いた2回目にはその第一印象は全て払拭され、単にガルクラに走っただけではない深みのある1曲であるということに気づいた。ビートをシンプルにしたことでスアンのボーカルを100%生かした上で、カウンターとなる盛り上がりポイントも作る。複雑に感じるビートチェンジも基本に忠実でルールに従った上で波を作り出した。確かにメリハリは強めだったが、やっていること自体は普通なのにアブノーマルさを感じる演出を行ったmemeMはかなり渋いガルクラ曲であるというのが現在の自分の感想だ。最初はイマイチだったのに今では普通に好きな1曲である。

 

PURPLE KISSの"memeM"をApple Musicで

 

 

3. PURPLE KISS - Oh My Gosh

 

PURPLE KISSの"Oh My Gosh"をApple Musicで

 

最初に1言。この3曲目のOh My Goshという曲、すでにパキの楽曲の中でいちばん好きである。マジで神。

 

 

あの頃のK-HIPHOPのバイブス

 

 

今の韓国のラッパーがアイドル化、大衆化する前の時代で音楽好きの中で「韓国のヒップホップが盛り上がってるらしいよ」と言われ始めた少し後の時期、Sik-Kのようなラッパーたちがキャッチーなトラップ曲でどんどんファンを獲得し始めていた頃のK-HIPHOPのノリをそのまま取り入れたようなビートがOh My Goshの特徴だ。

 

ヒップホップを取り入れたアイドルの歌モノ自体はたくさん存在しているが、韓国のラッパーがやりそうなタイプのビートを取り入れたアイドルというのはかなり少なく、パッと思いつく曲だとBVNDITのChildrenかSTAYCのI WANT U BABYぐらいなものだ。それぐらいイントロ部分からK-HIPHOPの雰囲気というものを感じる。

 

 

100%盛り上がれるサビとアイドルのキラキラ感

 

そのK-HIPHOP感というものをキープしたまま突入するサビは100%盛り上がれるSTAYCのSTEREOTYPE系で、来るとわかっていても知っていたとしても絶対にテンションが上がる仕様になっている。アイドルのキラキラした雰囲気とヒップホップのサウンドのミックスがかっこいいし、ヒップホップのグルーブ感も損なわれていない絶妙なバランス感も魅力的だ。

 

 

細かいサウンドもアクセントも抜群

 

またOh My GoshではK-HIPHOPK-Popの融合という大筋と外れた部分、細やかな仕事だけど曲に深みをもたらすアクセントというものも存在している。

 

まずはイントロからAメロに入る流れ。イントロからいきなりチェインとスアンが長めの導入部分を作るのだが、ドシが担当するAメロが始まる前に一瞬ボーカルが消える演出が渋い。チェイン、スアン、ドシの3名とも同じようなスタイル、繋がった雰囲気で歌っているのだが、イントロから切り替わる瞬間に一旦ボーカルが消え、そして歌と同時に本格的なドラムスが入り出すことで溜めからのちょっとした爆発を生むことに成功している。超細かいが歌い出し感がすごく出ていて個人的には結構好き。

 

 

そして途中からポイントで入ってくる808のカウベルの音も渋い。この音は日本のローランド社が生んだTR-808というリズムマシンを代表するサウンドで、現代のヒップホップやK-Popはもちろん、これがなければヒップホップという音楽自体生まれていなかったというレベルで超重要な名機として知られている。このカウベルの音は現代の音楽ではあまり使われていないが、オールドスクールなヒップホップやギャングスタバリバリなヒップホップでは必ずと言っていいほど耳にする音だ。K-Popでももちろん採用されており、ガールズグループだと少女時代のAll Nightがいちばんわかりやすい。

 

少女時代のAll Nightもいわゆるなアイドル曲とは雰囲気が違うが、キラキラ感がものすごい1曲となっており、そのアイドル感を引っ張りながら過去と現在のヒップホップをリンクさせたカウベルの投入はかなり渋いチョイスだと思う。

まあ少女時代にインスパイアされたかは謎だが、雑食のファン目線的にはそういう風にも見える。

 

 

さらに渋いアクセントが2番の最初の部分、808の低音のアタックに合わせてジウンとチェインが歌っているのが躍動感が出ていてかっこいい。連続する808の音にぴったりと合わせて歌うことにより、ビートの低音と歌の高音が合わさって聴き心地が素晴らしい上に2番に勢いももたらす。BLACKPINKのHow You Like Thatではサビの808にダンスとカメラワークを連続して合わせるという技をやっていてめちゃくちゃ好きだったのだけど、やっぱボーカルで合わせるのもいいね!しかもPURPLE KISSの場合は4連続×2発だぜ。大体1:36から始める部分。めちゃくちゃ細かいけど絶対盛り上がれるから、歌とビートの両方に注目して聴いてみてね。ってかイントロの部分も808に合わせる部分もチェインが関わっていて、Oh My Goshの作詞作曲にもチェインが関わっている。自分が人柱となることで曲を盛り上げているのであれば作戦大成功。私はお手上げです。

 

 

4. PURPLE KISS - Pretty Psycho

 

PURPLE KISSの"Pretty Psycho"をApple Musicで

 

4曲目のPretty Psychoは前回のZombieが好きだった人におすすめな1曲。

 

 

Intro : Freaky Purkey、Zombieの流れを受け継ぐ者

 

 

このPretty Psychoという曲は今回のIntro : Illusionと同様に、前回のカムバの前に公開されたIntro : Freaky Purkeyの完全版となっている。つまり「Intro : Freaky Purkey→Zombie→Pretty Psycho」という物語の流れを汲んでおり、曲のスタイルとしても前回のZombieと同じくファンクテイストだ。

 

ただ前作のような明るさはなく、全体的にホラー仕様でファンクからのレトロという2021年のトレンド要素も取り入れていない。なのでZombieとしっかり住み分けもされており、好きな人にはめちゃくちゃ刺さるはずだし、Intro : Freaky Purkeyが好きだったPLORYにとっては待望の1曲となっただろう。ビートの変化等はありつつも、いい意味で平坦に進んでいく上にコンセプトを曲からしっかり感じ取ることができる超優秀B面曲。

 

 

5. PURPLE KISS - JOAH

 

PURPLE KISSの"JOAH"をApple Musicで

 

スムースでチルな雰囲気もあるR&Bモノ。それしか感想が出てこないというぐらいストレートな1曲。

 

 

6. PURPLE KISS - Hate me, Hurt me, Love me

 

PURPLE KISSの"Hate me, Hurt me, Love me"をApple Musicで

 

先ほどのJOSHと同様に歌モノとなっており、Hate me, Hurt me, Love meの場合は若干ポップス寄りといった印象。お好きな方をどうぞ。

 

 

7. PURPLE KISS - Cursor

 

PURPLE KISSの"Cursor"をApple Musicで

 

今作のラストを飾るCursorにはユキとチェインが作詞や作曲に参加しており、ユキはこれで4曲目でチェインは3曲目となっている。今回のブログの表のテーマはレビュー、裏テーマはユキを激プッシュするというものがあるので言わせてもらおう。昔からコンテンツはリリースされていたとはいえ、まだデビューして1年しか経っていない若手、しかも日本人のユキが作詞や作曲に参加できるってかなり強くね?

 

 

ほんのり香るEDMがポイント

 

最近自分の中でEDMが盛り上がり始めようとしている。2021年ヒップホップ界ではRAGEと呼ばれるジャンルが完全にメジャーの仲間入り、シンセサイザーよろしくなトラップの曲が世間を賑わせた。最近だとEDM出身のCalvin HarrisがFunk Wav Bounces: Vol.2をリリースすることを発表、昔のようなEDMスタイルからは離れたとはいえルーツがそっちにある人物なので、そのような人物とラッパーたちがタッグを組む大人気プロジェクトが控えているということで、まだまだこっちのノリは続くだろう。

 

EDMの気分というのはK-Popでも個人的に割と来ていて、EVERGLOWの2019年からがっつり手を組んでいるOllipopはEDMの要素を取り入れた曲を2021年にプロデュースしていた。2021年にリリースしたPirateやNiziUのPoppin' Shakin'といったタイトル曲でEDMを仕込んでいたので、Ollipopが本格的にEDMに力を入れ始めたら、K-Popでも久しぶりにそっちのノリのブームが来るかもしれない。それにRAGEの流れが韓国にも来たら、ヒップホップ色が強い現代のアイドル曲にも流れてくるかも?ちなみに関係ないけどOllipopはOh My Goshのところで例に出した少女時代のAll Nightもプロデュースしています。

 

 

というわけで歌モノ3連続の中だとCursorが割と今の気分で、シンプルな曲の好みでいえばJOSHかな?といったところ。これまでも歌モノを色々リリースしてきたけど、キャラ被りが一切ないのがPURPLE KISSの強み。

 

 

 

 

 

豊作すぎる「2021年に1年目経験組」のダークホースにPURPLE KISSとユキはなれるのか?

 

PURPLE KISSの新しいアルバム「memeM」のレビューは以上となります。曲的には正直Oh My Goshが大勝利すぎて、他の全ての曲の再生回数をプラスしたものより圧倒的に聴いている。memeMは割と好きになってきたので、コロナが明けてパフォーマンスが見られるようになってからが本番といったところかな?これが表のテーマの感想。

 

そして今回の裏のテーマである「人気が出て欲しい日本人アイドルのユキを推そう」というトピックについて最後に書いておこうと思う。

 

 

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Photo by Twitter(@aespa_official)

 

PURPLE KISSのデビューが2021年3月15日。この2021年に1年目を経験したガールズグループ組というのは実はかなりの豊作で、すでにオールスター級だったり、その候補生であるアイドルたちが多数存在している。まずは2020年11月にデビューしたSTAYCとaespaだ。彼女たちは2020年にデビューしたものの、11月だったため2021年がルーキーシーズンの本番となっていたので、2021年に1年目経験組と言えるだろう。たった6日違いでデビューした彼女たちは両者ともに大人気、大手事務所かつKWANGYAというaespaのプロモーションでありながら、彼女たちを利用したメタバースの宣伝という側面も持ったビッグプロジェクト、そして半分が外国人という様々な要素を含んでいたのにも関わらず、それを超える圧倒的な魅力ですでに大人気グループへと成長した。

 

STAYCはマイナー事務所でありながら、積極的なプロモーションの甲斐もあって注目を集めた。最初は推しのアイドルが踊っているからみたいな間接的な理由であったが、本人たちの実力やビジュアル、そしてK-Pop界の重要人物であるブラック・アイド・ピルスンのプロデュース能力により圧倒的な楽曲のかっこよさを誇っている。そんな彼女たちは今や1位の常連で、事務所の規模から考える出世スピードは歴史的に見ても相当なものだろう。

 

また2021年に活動を終了したIZ*ONE組の勢いも半端じゃない。特に12月にデビューしたばかりのIVEはすでに大人気で先にデビューしたグループをごぼう抜きして、aespaとSTAYCの次のポジションに位置している感覚がある。すでに次世代のスーパースターになりそうなグループがこんなにもいるなんて相当な出来事だろう。

 

 

流石にこの3組には負けるが次のオールスター候補生を目指せそうなグループのたくさん存在している。まずその1組がPURPLE KISS、そしてEXIDを作り上げたシンサドンホレンイのプロデュース、EXIDのLEの積極的に関わっているTRI.BE。アンダーグラウンドでカルト的な人気を誇るという意味で次のLOONAになるポテンシャルがあるPIXYや、CUBEエンターテインメントの新人LIGHTSUM。このグループから頭が1つ抜けそうな雰囲気が最近出てきたBilllieなど、粒揃いなアイドルたちがたくさんデビューを果たした。このアイドル戦国時代の裏にある若手たちの戦いを制するのは誰なのか。

 

正直自分が好きなグループだったら勝ち負けとか他との比較なんてどうでもよくて、自分にとって好きなモノを提供してくれるかどうかの方が大事だが、アイドル目線で考えると最終的にはビジネスなので他のアイドルに勝って売れることは必要な要素である。それにせっかく雑食で客観的に見る視点を持っているのだから、スポーツ的な感覚で韓国アイドル全体を楽しむのもいいと思うの。

 

 

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Photo by Twitter(@RBW_PURPLEKISS)

 

ということで今シーズン(2022年)の女性若手グループ群から、自分はPURPLE KISSをピックアップしようかなと今回のアルバム「memeM」を聴いて思ったので、今回ブログを書くことにした。ネクストブレイク日本人枠はもちろんユキで。

 

 

 

長くなりましたが今回のブログは以上です。色々書いたけど、とりあえずOh My Goshがまじでかっこいいので、チェックしていなかった人はぜひ聴いてみてね。最近日本人アイドルが盛り上がっている、日本人向けのブログなのでキャッチー、シンプルにパキの中での自分の推しということでユキベースで書いたけど、他のメンバーももちろんおすすめだし、PRODUCE 48やMIXNINEなど昔からメディア露出があったメンバーも多数在籍しているので「あのときのあの子じゃん」となる可能性も大。日本での知名度はまだ高くないので推すなら今がチャンスかも?最後にPURPLE KISSの新しいアルバム「memeM」のフルのApple Musicのリンクを貼っておきます。また下にはこのブログのTwitterなど各種SNSのリンクもあるので、よければフォローお願いします。次回のブログで会いましょう。ではまた!

 

PURPLE KISSの「memeM」をApple Musicで

 

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