【12月K-POP】aespaやWayVたちが飽和したレトロトレンドに新鮮な風を吹き込んだ

今だに続くファンク系のレトロなトレンド。ぶっちゃけ飽きてない?

 

2022年になって結構日数もたちましたが、今回は2021年12月のK-Pop特集です。

 

2021年はK-Popの歴史で見るとターニングポイントになる気がしていました。IZ*ONEの活動終了も控えていたし、Red VelvetやMAMAMOOといったスーパースターが7年目の壁に当たる年。TWICEだって次の年には7年目の壁がやってくる。aespaというモンスター新人に、STAYCというダークホースの活躍。IZ*ONEのメンバーたちも各々のフィールドで活動を開始、2021年のうちに大半のメンバーが楽曲をリリースした。噂の新人たちのデビューも数多く控えており、7年目に入るスーパースターやIZ*ONEが抜けて出来たトップ層の椅子を誰が奪いに来るのか注目だった。

 

まだその椅子を奪ったものは存在していないし、スーパースターも活動終了が決まっていたIZ*ONE以外は韓国アイドルたちによるK-Popゲームから抜けていない。ただ世間一般で言われる第4世代に部類されるアイドルたちは確実に目立ってきているし、明らかにトップ層と若手の間にいる中堅アイドルたちの影が薄れてきた。幅広いグループをチェックしている自分がバイアスなしで客観的にK-Popを見ると割と極端な感じに見える。

 

 

また男性アイドルのトップとして君臨しているBTSK-Popではなくポップスだ。韓国人がK-Popをレペゼンして活動しているのでギリギリK-Pop判定をしているけど、シンプルに音楽だけで考えたらポップスだぜ!10年代でいうところのOne Directionとかと同じくくり。自分はそういう風にBTSを見ている。この完全に別のステージにトップが移行したことで、ある意味男性アイドルの頂点は現在空席になっているという風に考えることができる。世代交代はしていないけど、ある種の世代交代みたいな。男女ともにまだ確実に席を取ったという存在は現れていないが、今回のゲームを制するのは2021年に活躍している誰かになると言ってほぼ間違いないだろう。そういう意味でも2,3年後にK-Popを見返したら、2021年がターニングポイントになっている気がするのだ。

 

 

凄すぎたBTSインパク

 

そんなBTSの異次元の活躍は最高だし応援もしているが、1つだけBTSが活躍したことによるマイナスのポイントが存在していると思っている。それは活躍しすぎたということ。その当時アイドル界でも流行り始めているぐらいのレベルだったファンクやディスコ系のレトロがDynamiteによって大爆発、大雑把にいうとButterも似たジャンルなので、BTSの影響でみんなが右向け右しちゃったのだ。

 

音楽はもちろん、アイドルの私服や衣装でも分かる通り、トレンドが一気に駆け回るK-Pop界だが、BTSのDynamiteはそのタイトルと同じように威力抜群。とりあえず少女時代とKARAが日本で活動するようになって以降だと、最大のトレンドだと思う。

 

 

コロナで営業ができない→YouTubeやストリーミングの重要度がアップ?

 

このとんでもないトレンドが生まれた理由の1つに時代背景というものもあると思っている。それは営業と言われるもの、つまりイベント系のステージに出演したりだとか、日本でツアーを組んだりみたいなファンと対面することでお金が発生する仕事ができなくなったからだ。本でコンサートを開催しまくっていた時期のBIGBANGはForbesとかの記事だったと思うが、当時のとんでもない収入の6か7割ぐらいは日本のツアーで稼いだものだった。ツアーはチケット代だけでなくグッズも積極的に売れるので、日本でがっつりツアーを組んでいたアイドルにとっては大きなマイナスだろう。

 

例えばTWICE。オンラインで行うイベントが確立され、ヨントンなどでも収益生み出せるとはいえ、積極的に日本でイベントを行っていたTWICEはコロナがかなりのマイナスだっただろう。仮にそこまで生み出した利益がコロナ前と変わっていなかったとしても、日本でのツアーやイベントという大きな武器を失っているのはマイナスでしかない。しかも2022年に7年目の壁にぶち当たるTWICEは半分近くが外国人ということもあり、他の韓国アイドルよりも難易度が高い。しかもJYPは割とアイドルたちが去っていく印象がある。TWICEのレベルが高すぎて今までの歴史にはない道になる可能性もそこそこ高い気はするが、やはり9人全員キープの難易度は高く感じられる。

 

 

そんな歴代最強ガールズグループ議論に登場するレベルのTWICEの全盛期を、コロナによって100%活かせないのは痛すぎる。そうなってくると何が重要か。それは誰もが聴けるBTSのようなヒット曲を生み出すということ。BTSはそれによってファンの母数が桁違いに増えたし、関連するコンテンツもどんどん見られるようになった。YouTubeなんて過去の動画が再生されてもお金が発生するわけなので、新規ファンが増えれば増えるほど、みんなが曲を聴けば聴くほど稼げるというわけだ。またコロナが落ち着いてコンサートをどんどん開催できるようになれば、解放された反動で以前よりもお客さんが集まってくれるだろうし。

 

規模の大きいTWICEを例に挙げたが、営業が減ったのでYouTubeやストリーミングの重要度が上がったのは誰だって同じ話だ。尖った曲を出してコケるリスクを背負うより、安定して人気が取れるジャンルの曲をやればいい。そういう時代背景もあって、Dynamite大先生に習ったようなファンクやディスコ系のレトロ曲が爆発的に増加したのだと思う。

 

 

そこで皆さんに聞きたいことが1つ。自分は今のトレンドの曲に完全に飽きたのだけど、皆さんは今の新鮮に楽しめていますか?このジャンルはキャッチーで聴きやすいがゆえに、飽き始めると一気に関心がなくなってくる。もちろん様々なジャンルを取り入れるのがK-Popは得意なので、似たような曲でも違った雰囲気にはなるのだが、あまりにも爆発的に増えたので過去のトレンドに比べて飽きるスピードが段違いだ。割と直接的な曲も多かったし。テヨンのWeekendをラストにこのジャンルに飽き始めた、つまりDynamiteから1年も経たずに早い段階で関心が薄れた自分でさえ、この期間に生まれたfromis_9のそっち系だけでiTunes(Macをアップデートせずに今もキープしてる勢)の再生回数の合計がサクッと1000を超えた。この感じだと全てを合計したら結構な回数になるだろう。元々好きなジャンルというわけでもないので、人より飽きるのが早い方だとは思うが正直自分みたいな人結構いると思う。特に様々なグループを聴いたり、他ジャンルの音楽も聴く人はいくらでも逃げ道があるので、すぐに違う曲に流れていくと思う。

 

 

逆転の兆し?12月は直球トレンドのそれとは違うレトロな曲がアツい

 

ってな感じで割と現在のトレンドには飽きており、LOONAやITZYなどガールクラッシュをするグループが増えたときは「またガルクラかよ」と言っていた人がかなりいた印象なのに、「またファンクかよ」と言っている人少なくね?みんなK-Pop聴いてる?と若干思っている自分だが、別にこのジャンルのアンチではないし、何も感じずに聴いているなんておかしいとも一切思っていない。自分はこういう理由で基本的には飽きてますよ〜というだけの話だ。もちろんfromis_9のWE GOみたいな曲も今でも普通に聴く。こっちのジャンルの新曲に対してかなり厳しくなってるだけだし、好きなタイミングで聴いたら当たり前のように楽しい。

 

そんなレトロさを売りにした曲は12月ももちろん多いのだが、今回はトレンドだけどトレンドじゃない系の曲や、トレンドを自分のスタイルで上手く落とし込んだグループが大量に現れた。レトロだけど引っ張ってくるレトロが違うジャンルだったり、ファンクの角度が違ったり、重要視するポイントが違ったりと本当にバラバラ。「あれ?こんな感じだったら、ここまでに書いたことを全部撤回してよくね?」と思えるぐらい楽しい曲が多かった。

 

そんなトレンドの「レトロ」は感じるもののトレンドのそれじゃなかったり、新しい角度で攻めていった曲たちを中心に紹介していこうと思う。というかリストアップしたらそんな感じになっていた笑。もちろんレトロ要素が全くないK-Popも紹介しているよ!

長い割に文章力がなくて「は?」って感じの前置きになっていたと思います。すみません。でも「今のこのトレンドに対する意見」を2021年12月の紹介のブログだったし、このタイミングで一旦放り込んでおきたかった。

 

 

 

 

 

 

12月のおすすめK-Pop

 

紹介する順番はリリース順で、同日の場合はABC順。

 

 

EVERGLOW - Don't Speak

 

 

デビューから今まで割と早めのテンポで安定してカムバック、そして曲も毎回かっこいいEVERGLOW。今回のタイトル曲であるPirateもかなりよく、サビ前のパートでは2010年あたりのEDMを感じさせてくれる。「ガールクラッシュらしい力強さ」と「新しいジャンルの要素」を毎回提案してくれるEVERGLOWのタイトル曲はいつもフレッシュ。音楽好きにこそおすすめしたい韓国アイドルの1組だ。

 

そんなEVERGLOWの新しいアルバム「Return of The Girl」から今回ご紹介したいのはタイトル曲のPirateではなく、カムバのサブ曲として披露されているDon't Speakだ。一般的なEVERGLOWに対するイメージであるガールクラッシュの要素は一切なし。ビートやボーカル、歌詞だけでなく衣装までも全て可愛い雰囲気だ。ここ数年のK-Popでレトロが再ブレイクしておりDon't Speakもレトロっぽさを感じるのだが、トレンドのファンク的を全面的に出すものではなく00年代のポップス雰囲気が強い。そのため韓国アイドルのよくあるレトロ曲とは異なる軸で楽しむことができ、FOREVERだけでなく全てのK-Popファンが満足できる楽曲だろう。

 

 

あとPirateもDon't Speakもサビのダンスにその場で左右に動くダンスがあるのだが、それがめちゃくちゃ癖になってくる。しかもどちらの曲もイロンがセンターにいる印象があるため、映像として刷り込みやすいのも癖になるレベルを加速させてくれている。ただ刷り込まれやすかったことのデメリットなのか、他のアルバムの曲も結構好きだったのにPirateとDon't Speakの印象が自分の中で首2つぐらい抜けてしまった。まあそんなこともあるでしょう。というわけでEVERGLOWのDon't Speakは12月の最初のMVP候補です。

 

EVERGLOWの"Don't Speak"をApple Musicで

 

 

IVE - ELEVEN

 

 

IZ*ONEからユジンとウォニョン、他のメンバーたちも可愛いと話題で日本人メンバーであるレイも在籍。デビュー前からビジュアルでの話題は最高、そのままの勢いでブログを書いている2022年1月の時点でも1位を取り続けているIVE(アイヴ)は、2021年のラストにSTARSHIPはとんでもないものを用意してきた。

 

 

という風に書いたが、個人的なIVEやELEVENに対する感想というものは世間とはかなり違うだろう。まずユジンとウォニョンに全く興味がない。これは嫌いという意味ではなく、これまで関心がなかったという意味だ。IZ*ONEに関してはCDを購入したことも何度かあるし、好きな曲に関しては一般的なWIZ*ONEよりも余裕で再生しているだろう。日本の曲はそこまで好きなものがなかったのでコンサートには行かなかったが、たまたま渋谷を歩いていたらIZ*ONEに遭遇したことがあるので感情移入もある程度はある。ただ自分のIZ*ONEのメンバーに対する興味はえげつないほど偏りがあり、2021年4月29日の時点だとウンビ95%、ひぃちゃん2%、宮脇咲良2%、その他の合計1%といった具合だった。というわけでユジンとウォニョンに対するプラスのポイントはないどころか、2年6ヶ月もあったのに興味が湧かなかったのだからIVEになってもそこまで興味が出ないだろうということで、他のメンバーよりもある意味ではマイナススタートとなっている。

 

他のメンバーたちに関してもティーザーの写真を見たファンたちが「美人だ!」と騒いでいたが、自分の好みの顔は誰もいないという逆ミラクルが発生していた。そんなバイアス一切なしの状態で聴いたELEVENも好みではなかった。唯一引っかかったのがお揃いで着ていた赤のVarsity Jacketとほぼ同じデザイン、素材がウールになってワッペンがいくつか追加されただけというジャケットを持っているので、IVEっぽいコスプレなら秒で出来るという感想だけだった笑。

 

 

ではなぜ12月のおすすめK-PopにIVEのELEVENをピックアップしているのか?それは自分以外の人たちの関心がすごいからだ。そのためSNSのタイムラインで意図せずIVEに関するものを目にする機会が結構多いし、クリックをしなくても動画を見てしまうこともある。関連するコンテンツを見ていなくてもYouTubeがおすすめをしてくるので、サムネイルを目にする機会もかなり多い。そうなってくると今まで即スワイプしていたSNSの投稿もたまに読んだりしてしまうし、たまにYouTubeも見てしまう。今もIVEに対して興味がないことは確かだが、スルーするアイドルというわけでもなくなってきた。次回のカムバの際も速攻チェックすることになるだろう。

 

何事でも自分1人だけということはほぼあり得ないので、自分と同様にK-Popはめちゃくちゃ好きだけどIVEは全く興味がないという人、みんなが言うレベルでELEVENっていい曲か?という人もある程度存在するはず。基本は自分もそっちサイドだが、IVEに対する注目度という部分はなくなっておらず、むしろ日に日に上がってきているのだ。そういう意味で他の楽曲とは言葉の意味が全く違うが、IVEはおすすめのグループだしELEVENはおすすめの曲なのである。若干ファンの人が見ると怒れそうな内容になったがアンチ要素は一切なく、自分の好みとは違ったという話。Take Itはそこそこ好きだし、ユジンとレイの日本だったら同級生だぞ!話とかは普通に知ってるしね。

 

 

ただ一部K-Popファンの若ければ若いほど正義みたいな考えはクソだと思ってる。自分の趣味であるK-Popに携わる全ての人のことをリスペクトしているし、若くてデビューした人に対するリスペクトが強くなることはあっても、20〇〇年の「〇〇」の部分を何も考えずに攻撃力として扱うファンはどうなのだろうか。事務所やアイドル側がその部分でブランディングするのは全く問題ないし、自分が同じ立場でも強調していくけど。

 

IVEの"ELEVEN"をApple Musicで

 

 

ONF - Show Must Go On

 

 

最新のアルバム「Goosebumps」からShow Must Go Onをピックアップ。圧倒的な疾走感が魅力的で、男性アイドルのさわやかの象徴みたいな1曲。バンド系の生音っぽいハイハットとトラップ的なハイハットを使い分けつつビートの軸となるようにほとんどのパートで機械的な打ち込みで採用、そのなりまくっているハイハットBPM以上にビートにスピード感を生み出している。STAYCのSTEREOTYPEもそうだが、生音系のハイハットをトラップばりに連打するK-Popはほんと疾走感が異常に倍増してかっこいい。そこに合わせるONFのメンバーたちの歌声の最高のフィットだ。

 

疾走感とハイハットが凄すぎて感想がそれだけになってしまうが、それだけで十分に感じられるほど聴いていて楽しい。というわけで2曲目のMVP候補はONFのShow Must Go Onだ

 

ONFの"Show Must Go On"をApple Musicで

 

 

MoonByul - G999 Feat. Mirani

 

 

今のK-Popのレトロといえばファンクやディスコ、続いてシティポップみたいな雰囲気だが、韓国アイドルのレトロっぽさの演出の代表格の1つといえばニュージャックスウィングが出てくる。ダイレクトに取り入れるだけでなく、跳ね上がる音だけを採用するパターンなど、大きな意味で「ニュージャックスウィングを取り入れた」と言うと、本当にキリがないほと名曲が存在する。SHINeeはクラシックの中のクラシックだし、GFRIENDはニュージャックスウィングと味方につけて成り上がったという風に言っても文句がないだろう。

 

そんなK-Popと深い繋がりのあるジャンルをMAMAMOOのムンビョルが直球で採用、レトロという部分では一般的なトレンドと同じくくりになるのだが、EVERGLOWのDon't Speakと同様に溢れかえったそれとは違うところから引っ張ってきているので、聴き慣れたはずのニュージャックスウィング系K-Popなのに新鮮に楽しむことができた。ムンビョルはもちろんのことながら、客演のMiraniもビートとフィットしている。

 

 

この曲は2022年1月リリース予定のアルバムの先行曲となっているので、アルバム本体も楽しみだと思わせてくれる1曲となった。

思わせてくれると書いたが、ブログを書いている今はすでにアルバムがリリースされた後である笑。G999を余裕で超えてくる曲があって大満足でした。これについては1月のおすすめで。

 

Moon Byulの"G999 (feat. Mirani)"をApple Musicで

 

 

Billlie - snowy night

 

 

2021年12月14日は大当たりの日で3組もピックアップしており、ある1組が延長せずにこの日にリリースしていたら2021年で最高のK-Popディとなっただろう。

 

 

そんな14日の1組目はBilllie。クリスマスの企画的な立ち位置でリリースされているsnowy nightは先程までのレトロ系とは違い、R&Bとシティポップをミックスしたような歌モノで割と王道系のトレンドスタイル。ファンクやディスコに比べるとそこまで飽きていないが、シティポップのノリというのもオーバーユーズドの部類には入るだろう。自分も最近はほとんど聴いていない。ただBilllieのsnowy nightは「あれ?もしかしたら飽きていないかも」と思わせてくれるぐらいシンプルに曲がかっこいい。クリスマスの企画モノで歌の中にもはっきりその言葉が出てくるのだが、シーズン関係なくデイリーに聴きたくなるような魅力のある作品に仕上がっており、2021年のクリスマスソングの中でいちばんお気に入りだったかもしれない。

 

Billlieの"snowy night"をApple Musicで

 

 

WayV - Miracle

 

 

こちらのTrack Videoがアップされたのは12月初めだが、フルの音源が公開されたのはNCTのアルバム「Universe」がリリースされたタイミングなので14日扱い。

 

 

WayVの新曲「Miracle」の軸は90年代のWest Coast(いわゆるウェッサイ)で、そこに808 Glideやトラップのハイハットをプラス。90年代と10~20年代のハイブリットなヒップホップをK-Popに仕上げた。初めて聴いた瞬間からWayVのこれまでの楽曲の中でいちばん好きになった。

 

この曲の最高に面白い部分はやはりWest Coastの香りだろう。Miracleの軸、メロディを担っている高音のシンセサイザーが直球で90年代ウェッサイなのだが、こういうジャンルの曲はG-Funkと呼ばれている。このGというのはGangsta(ギャングスタ)のG、そしてFunkはもちろんファンク。つまり90年代のG-Funkを取り入れたMiracleはものすごく広い意味でいうと、K-Popのトレンドであるレトロなファンク曲と同じということになる。もちろん一般的なそれとレトロを感じる要因は違うし、ファンクの性質も違うのだが、元を辿って大きな意味で考えると同じトレンド系。ただそのトレンドであるレトロなファンクを一般的なそれではなく、WayVは全く違うところから引っ張ってきたという話。なのでEVERGLOWやムンビョルと同じように2021年のレトロだけど新鮮に楽しむことができている。軸は現代のK-Popなので古臭く感じないし、当時のそれらとも違った角度で楽しめる。

 

またG-Funkとは哀愁漂う系なので、みんなが欲する「エモさ」という部分にもリンクしている。すぐ感想でエモいという奴は信用できないが、WayVのMiracleに関してエモいということは的確すぎて半端じゃない。「MiracleはG-Funkっていう90年代アメリカ西海岸のジャンルを採用しているんだけど、そこからくる哀愁が現代のヒップホップと混ざった上でK-Popに仕上がっていて、めっちゃエモいよね!」と友達に言えば、ものすごく言葉に重みのある「エモい」になるのでおすすめ笑。

 

 

とここまであたかも誰もがG-Funkを知っている程で書いてきたが、実際のところ一般的なK-Popを聴いている層は90年代や00年代に生まれた人が大半だろうし、日本でヒップホップは流行っていないので90年代のウェッサイ自体知らない人が大半だろう。自分だって90年代に生まれているので完全な後追いだし。ということでG-Funkの有名な曲の1つであるWarren GのThis D.J.を貼っておいた。WayVの新曲のどこがG-Funkなのかわからない人はぜひ聴いてみてほしい。ポイントは高音のシンセサイザーである。というわけで曲のテーマを考えた時点ですでに勝利していたWayVのMiracleも12月のMVP候補だ

 

NCTの"Miracle"をApple Musicで

 

 

PIXY - Call me

 

 

これが大当たりの日の最後の1組。かなり尖ったコンセプトでデビューし、他のグループで例えるならばDREAMCATCHERみたいな雰囲気だったPIXYが甘めの新曲「Catch me」をリリース。先程のBilllieと同じくクリスマスの企画でR&Bっぽい歌モノだが、こちらはシティポップではなくトラップの要素を取り入れており、ハイハットの音が甘い歌声と対照的に鳴り響いてメリハリを生んでいる。スイカにあえて塩をかけることで甘さを引き立たせる的な。

 

これまでのPIXYはどちらかというと聴く人を選ぶタイプの韓国アイドルだったが、Call meは誰でも楽しめるキャッチーさがあるのでぜひこの機会に注目してもらいたい。PIXYにはCherry Bulletで活動していたミレがエラとして参加しているので、Girls Planet 999を視聴した流れからCherry Bulletを知ってディグるようになったという人にもおすすめだ。

 

PIXYの"Call me"をApple Musicで

 

 

TRI.BE - The Bha Bha Song

 

 

アメリカのカートゥーンネットワークのアニメで、日本でもNHKで放送されていた「We Bear Bears(ぼくらベアベアーズ)」のスピンオフアニメである「We Baby Bears」のオリジナルテーマソングをまさかのTRI.BEが担当。グローバルな子供向けアニメということで韓国語だけでなく、英語、日本語、中国語と4パターンも存在している。TRI.BEをプロデュースしているシンサドンホレンイはもちろん参加、また今回はアメリカのプロデューサーであるAndy Sturmerも作曲に加わっているため、K-Popの雰囲気だけでなくアメリカのポップス感、昔からあるレトロなそれを感じることができる。The Bha Bha Songはちょっと特殊な楽曲なので今回のブログで登場した曲たちとは少し違う立ち位置にあるが、主流なそれとは違った角度のレトロを取り入れた12月の楽曲というくくりに入れることも出来るだろう。

 

またLEGGOである自分としては、EXIDのLE改めEllyの「TRI.BE vida loca」がこういう楽曲でも炸裂しているのは嬉しいポイント。せっかくなので上のMVは韓国語版、下に貼るApple Musicのリンクは日本語版にしておこうと思う。お好きな方をどうぞ。ってかこういう感じでTRI.BEが日本語の曲を初リリースしてくるとは思いもしなかった。あと子供向け感はめちゃくちゃあるけど普通に曲がかっこいい。細かい音で聴いていけば一般的なK-Popと何も変わらないし。

 

TRI.BEの"ザ・バー・バー・ソング! (ぼくらベビーベアーズ 主題歌)"をApple Musicで

 

 

aespa - Dreams Come True

 

 

2022年1月の早い段階で出そうと思っていたが、遅れているためリリースしていない企画がある。それは「LEGGOですブログアワード2021」で、1年間でリリースされたK-Popに関連するコンテンツ全ての中から様々なアワードを表彰していくというもの。新人王やMVP、最優秀楽曲や最優秀プロデューサーみたいなベタなものから、普通のK-Popのアワードではまず存在しないMIPや、幅広い意味での最優秀パフォーマンス等をそれぞれ候補を3つ挙げて、優れていたポイントなど選出理由を書いていきながら、受賞者をこのブログの運営陣(自分1人)が決定していくというものだ。もうすぐ2月になりそうって時期なのにアップするのはマジで遅いと思うけど、一般的なK-Pop系のYouTuberやブロガーがやっていないようなコンテンツになる(予定)なのでぜひお楽しみに!

 

という風にこのタイミングで宣伝したのはなぜか。何を隠そう!そのLEGGOですブログアワード2021のいくつかの部門でaespaが登場してくる。Black Mambaといえば自分の中でコービー・ブライアントがいちばんなのは絶対変わらないし、ロゴやイメージなどでは今も「むむむ???」となることがある。Next Levelは世間での評価と自分の評価にははっきりしたギャップがある。最新のアルバム「Savage」に関してはリリースされて2,3週間はそこまでハマってなかったのでブログにしなかったが、今ではSavageに収録されていた6曲のiTunesでの再生回数の合計は1500回を超えている。CDはもちろん、公式Tシャツも買っていて番組は色々見ているのにアイドル的な要素ではまだハマっておらず、自分のことはMYだとは思っていないので、スポーツで言うところのプロにはなっていないけどアマチュアとしての記録はめちゃくちゃ持っているアスリート状態である。プロでもすぐ戦える的な。

 

 

そんなわけでアルバムのリリース以降はカムバしたら速攻チェックするけど好き度的にはそこそこという立ち位置から、K-Pop界でトップ3に入るレベルで注目しているグループに評価が爆上がりした。そんなaespaの新曲「Dreams Come True」はSMエンターテインメントの大先輩であるS.E.S.のリメイク。ちなみにS.E.S.もNylon Beatが1996年にリリースしたLike a foolのリメイクなので、aespaは家系図でいくと孫の位置になる。

 

S.E.S.のDreams Come TrueTLCなどがやっていた90年代のまさにそれなのに対して、aespaの場合は完全に2021年の音楽が軸になっており、メロディやボーカルの雰囲気でレトロさを感じるだけで、黙っていれば普通にaespaの新曲という風に聴こえてくる。レトロな要素が入った楽曲を今回のブログではたくさん紹介してきてたが、aespaのDreams Come Trueが現代仕様にアップデートされたという意味ではダントツでいちばんだろう。ただ途中のパートやダンス、MVではしっかりと元ネタをサンプリングしているので、個性を出しつつもオリジナルへのリスペクトもしっかりあるのが好印象。

 

 

自分の中で期待度がえげつないぐらい上がっていたが、余裕で満足できるリメイクだったaespaのDreams Come Trueも12月のMVP候補です。企画モノなのに歌番組にもしっかり出てくれたのもよかったよね!

 

aespaの"Dreams Come True"をApple Musicで

 

 

MINHO - Heartbreak

 

 

今回のおすすめをピックアップしたら自然と決まったテーマは「レトロ」だったが、今回の裏テーマは「SMエンターテインメント」だ!と言えるぐらい、SM勢がかっこいい曲をリリースしていた。しかも全員バラバラなジャンルで。

 

SHINeeのミンホのソロ曲「Heartbreak」は2010年付近のHurtsのようなドラマチックな雰囲気から、何年か前のThe WeekendっぽいR&B系のテンションまで、渋い男がシンセに合わせてバチッと歌う曲を聴きたい方には問答無用でおすすめだ。ミンホのソロ曲でいちばん似合っているとは思うが、ジョンヒョンやテミンがこのビートで表現するのもかっこいいのでは?と思った。Don't Call Meとはまた違った意味での重さがあるのもいいよね。

 

MINHOの"Heartbreak"をApple Musicで

 

 

OH MY GIRL - Shark

 

 

曲のベースはファンクやディスコ系のレトロ、ラップパートでトラップビートに変化という一般的なK-Popのそれと枠組みは同じ、自分が散々飽きたと言っていたタイプの曲なのだが、オマゴル大先生はやはり違った。ビートは確かにオーバーユーズド(overused)で使われすぎたスタイルではあるが、OH MY GIRLのSharkはレトロさやキャッチーさよりグルーブ感が重視されている。ファンクから生まれるグルーブの要素にR&Bのようなブラックミュージック系のグルーブの要素も追加されているので、より際立っていて渋さで言えばオマゴル史上最高レベルだ。ブラックミュージック系の雰囲気もあるのでトラップビートへの移行も一般的なK-Popのそれより繋がりがいい。

 

それでいて、こういうジャンルのK-Popが持つキャッチーさもしっかりキープ。オマゴルの奥義の1つであるサビのわかりやすさ。特に言葉を連呼するのが普段のOH MY GIRLをしっかり感じることができる。サビのボーカルをシンプルにして連呼ベースにするというのはキャッチーさを強調するためにK-Popでは結構使用される手法だが、渋さに振った楽曲でも聴き馴染みをよくするために!という手法で使われるのはかなり珍しいのではないだろうか。UNIVERSEはやはり盛り上がっていないのか、ついにYouTubeでもフルのMVを公開するようになったが、UNIVERSE企画の楽曲がいつも新鮮でかっこいいというのは初期の頃からブレていないようだ。もう1つのUNIVERSEの企画だったSF9のSaviorもかなり良かったし。

 

 

というわけで新しい一面を披露しつつも、普段の個性も感じられたOH MY GIRLのSharkもMVP候補の1つだ

 

OH MY GIRLの"Shark"をApple Musicで

 

 

TAEYONG, JENO, HENDERY, YANGYANG & GISELLE - ZOO

 

 

再びWayVとaespaが登場。1月1日に行われた「SMTOWN LIVE 2022」に向けて、年内にリリースされていたSMのコンピレーションアルバムからNCTのテヨン、ジェノ、ヘンドリー、ヤンヤンにaespaのジゼルの5名によるZOO。こういうことができるのは大手の強み。ってかSMは7年越えても会社に残る上に歌手活動を継続する人も多いから群を抜いて強いよね。横のつながりも大切にするし。メンバーの国際化もすごいので、数年後には日本で言うところの本来ならLDHとかへ流れていたであろうタレントをさらにたくさん吸収していきそう。

 

曲としてはNCTらしさもaespaも感じられ言い方があれだけど、いわゆる韓国アイドルの曲しか聴かない人が想像するヒップホップ系の1曲。すごくわかりやすいし、いい意味で男性陣がジゼルをエースとしたサポート軍団感を生み出しているので全体のバランスもいい。それでいて4人ともしっかりかましてくれるから、マジでNCTチームあっぱれ。全員チームスポーツで活躍できそう。韓国語は話せないが流石に「여긴 광야야야」ぐらいは理解できるので、初めてサビを聴いたときはそうだったの?って感じで若干笑っちゃった。

 

SMTOWNの"ZOO"をApple Musicで

 

 

 

 

 

2021年最後の月間MVPはここ数ヶ月で爆上がりした彼女たち

 

というわけで2021年12月のおすすめK-Popは以上となります。MVP候補は、

 

  • EVERGLOW - Don't Speak
  • ONF - Show Must Go On
  • WayV - Miracle
  • aespa - Dreams Come True
  • OH MY GIRL - Shark

 

の5曲となります。ONF以外の月間MVP候補の全てにレトロ要素が入っており、それ以外のおすすめの曲にもレトロ要素が含まれている楽曲が多かった。2020年から第一線になったレトロのトレンドは継続しつつも、脱ファンクが少しずつ見え始めてきた。オマゴルみたいなベタな雰囲気でもアレンジが強くなり、まだこのトレンドは続きそうな気配。

 

やはり自分としては「飽きた」という感情がいちばん最初に来るので手放しでは喜べないが、今回のように様々なスタイルで表現してくれるのであれば、まだまだレトロも楽しめそうだ。真の意味で飽きたのは直球のファンク、ディスコ系のレトロだけなのかもしれない。まあそっち系がメインのMVP候補はオマゴルだけなので、やっぱり飽きている気はするが笑。

 

 

そんな2021年ラストを締めくくる12月の月間MVPは、、、

 

 

 

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Photo by Twitter(@aespa_official)

 

aespaのDreams Come Trueです。最後はWayVのMiracleとの2択になりましたが、自分の中でエスパ熱が上がっていたこともあって聴いた回数が圧倒的だったのでDreams Come Trueが勝者となりました。他の月だったらWayVもそうだし、EVERGLOWもMVPになれるポテンシャルがあったかも。やっぱりK-Popに関してはレトロな要素よりも現代的なサウンドの方が好きなのでS.E.S.の単なるカバー、カラオケ状態ではなく、自分たちの楽曲として作り上げたaespa、そして裏のフィクサーだったBoA大先輩にはありがとうございますという感謝の言葉を贈りたいです。

 

 

普段このMVPのところで使用する画像は、

  • アーティストの公式のSNSでアップされたもの
  • おすすめする月にアップされた楽曲に関連する画像
  • その楽曲のティーザー以外
  • 全員が映っている
  • 特殊な加工等がされていない
  • 携帯で撮影されたもの

という秘密のルールを作っていたのですが、今回は全てに該当する写真がなかったのでDreams Come TrueとZOOの2枠でおすすめに登場したジゼル単体の写真としました。やっぱジゼルは圧倒的前髪アリ派。あと座るときに巻き型気味になってジゼル1人だけものすごくリラックスしているように見える癖どうなの?個人的には全然今のままでいいんだけど、割と事務所から注意が入りそうなタイプの癖だったので気になった。

 

 

 

今回のブログは以上です。途中にも書きましたが次回のブログは、1年間のK-Popをまとめる「LEGGOですブログアワード2021」になる予定です。明らかに更新するタイミングが遅いですが、K-Pop以外のジャンルからも使えそうな要素を引っ張ってきており、割と珍しい感じのものになると思うので、よければぜひチェックしてみてください。更新情報はツイッターにて。ではまた!

 

 

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筆者のApple Musicアカウント。K-POPを中心としたプレイリストを公開中。特定のアイドルのお気に入りの楽曲をプレイリストとして作成したものや年間ベストなど。