超高難易度でも関係なし!GOT7がさらっとカムバしたことの異常性とありがたさ

みんなが求める韓国アイドルのカムバック

 

みなさんはどのようにして韓国アイドルを楽しんでいますか?シンプルにアイドルとして楽しんでいる人、音楽が好きな人、韓国のファッションやメイクが好きでハマった人、踊ることが好きでダンスきっかけで興味を持った人、気づいたらリアコになっていた人もいるだろう。こういうK-Popを取り扱うコンテンツで発言すると怒られると思うが、性的な視点からという人もいるだろう。基本自分は本人たちや関係者、楽しみ方の違うファンコミュニティなどに迷惑をかけないのであれば、好きに楽しめばと思っているところがある。結局のところK-Popは趣味なわけだし。また自分があげた例以外の楽しみ方をしている人もいるだろう。単純にアイドルや音楽にも興味がないけど見た目が好きとか、シンプルに韓国人が好きという人も多いと思うし。

 

そんな様々な楽しみ方をしているK-Pop好き、韓国アイドル好き共通のお楽しみはやはりカムバックだろう。アイドルのいちばんメインの仕事であるカムバックは新曲を出すし、番組にも登場する。自社コンテンツも盛んになるし、全ての面で露出が増える。その人にとってのいちばんがカムバックとは限らないが、全ての人にとってのお楽しみポイントが現れる可能性があるのがカムバック時期なのだ。

 

 

最近ではBLACKPINKのような新たな韓国アイドルも登場している。グループとしてのカムバックがここ最近はないので一部のファンから不満の声も出てはいるが、彼女たちは一般的な韓国アイドルではない。これまでの歴史でナンバーワンと言っていいほどK-Popに興味がない人からの注目度が高い彼女たち、ファッション業界側から個人として全員が愛されているというアイドルグループはこれまで存在していない。ELLEのような雑誌に登場したり、イベントに登場するアイドル自体は割と増えているが、BLACKPINKは完全にモノが違う。またYouTubeの収益だけで年間10億円を余裕で超えている。もうこれだけで一般的な韓国アイドルが1年間で行なった全ての活動を合算したものよりも余裕で稼いでいることであろう。インスタにブランド関連の投稿を1つしただけで一般的な同世代の女性の年収よりも稼げている可能性も十分にある。今日急に音楽活動をやめたとしても全員が腐らずにやっていける個人としてもブランド力や影響力を持った彼女たちは、どう考えたって従来の韓国アイドルとは別物だ。そんなBLACKPINKに興味がある全ての人で考えた場合だとカムバックをそこまで重要視していない人も多いだろうが、正直言ってこれはレアなパターンである。BTSのカムバ予定などにK-Popファンは盛り上がっているし、活動こそしていないがいわゆるカムバックに当てはまるBIGBANGのStill Lifeも盛り上がっていた。もちろんBLACKPINKも新曲リリースが個人的にはいちばん楽しいポイントなので重要視している側の人間なのだが、自分自身はK-Popに興味がある側の人間である。なのでK-Popに興味がない側のBLACKPINK好きがカムバをどれぐらい求めているのかはわからないので、こういった書き方をしてみた。

 

というわけでカムバックが韓国アイドルの軸になっているのは間違いなし、BTS等のカムバ予定が現在は話題になっている。BIGBANGだって活動こそなかったものの一般的なカムバックのルールに則ったものだ。どれだけ人気者になったり、グループの活動がなかったとしても全員が想像するカムバックと基本は変わらない。今回のブログで紹介するアイドルのカムバックも一般的なものと同じで、SNS等でティーザーをリリースしてからアルバムをリリース。コロナによる状況も変わってきたので、有観客のショーケースも行なった。これだけ聞くとごく一般的なカムバなのだが、他のアイドルたちとは根本が異なっており、K-Popファンであれば全員が注目すべきものとなっているのだ。そんなアイドルの名前はGOT7。JYPエンターテインメントからデビューした7人組の男性アイドルだが、現在の彼らはかなり特殊な立ち位置のグループとなっているのと同時に、全てのK-Pop好きの希望となっているである。

 

 

 

 

 

 

現在のGOT7について

 

Photo by Twitter(@GOT7)

 

2014年1月20日にファーストミニアルバム「Got it?」でJYPエンターテインメントからデビューした7人組の男性アイドル。韓国人だけでなくアメリカ、中国、タイ出身のメンバーも在籍しており、当時のK-Pop界で考えると珍しかった多国籍集団。今でこそTWICEやITZYの影響もあるし、Stray Kidsも人気爆上がり中なので勢いのある事務所というイメージがあるが、GOT7がデビューした時期は正直今ほどのパワーは感じられなかった。Wonder Girlsにmiss A、2PMや2AMなど人気のアイドルたちも多くいたが、彼らがデビューした時期の先輩たちはそこまでアクティブではなかった。あえて酷めの言い方をすると正直miss Aのスジのワンマンチームと言ってもいいレベル。もちろんソンミも活動していたが第2のプレデビュー期みたいな感じだったし、2PMも元気で人気はあったがライトなファンでも知っているような楽曲で考えるとちょうど谷間の部分となっている。落ち目の事務所というわけではもちろんないが、旬な事務所というわけではないといった印象だ。

 

そんな時期に登場したGOT7は順調な滑り出しを見せ、人気男性グループの仲間入りを果たしていく。また日本人こそ所属していないが日本に向けての意識も高く、新人シーズンだった2014年にはツアーも日本向けのシングルもリリースしている。2PMのような事務所の先輩が日本で人気が高かったこともあってか、GOT7に対する日本人の興味も高かった印象がある。2022年になった今も日本人のGOT7系アカウントがアクティブなのも頷ける。少女時代やKARAの流れをきっかけにK-Popに興味を持ち始めた人たちにとって、日本市場にも積極的なアイドルの中で初めてデビューからリアルタイムで追うことができた男性アイドル1号になっている可能性も高い。

 

 

JYPエンターテインメントから離れた後もグループを継続中

 

 

というのは過去の話で、現在のGOT7はかなり状況が変わっている。最も異なる点は全員がJYPエンターテインメントから退所しているということだ。みなさんご存知の7年目のアレで全員が事務所から離れることを決意、普通なら完全に解散する流れである。ただGOT7は事務所から離れたもののグループを継続、なんとその1ヶ月後にはワーナーミュージックから新曲をリリースしてきた。解散を発表せずに事務所から離れるアイドルは多数いるし、今もメンバーが集まったりするアイドルもいる。韓国の事務所からは離れたものの日本での契約が残っていたのでボーナスタイム的なノリで新曲を出していたEXIDもいるし、Apinkのような離れたメンバーがいるもののグループとして全員で新曲を出したアイドルもいる。ただ全員が離れたのに新曲を出すという極めてシンプルなことを行なったGOT7は異常だったし、ENCOREが公開されたときはアガセのみならず、多くのK-Popファンが話題にしていた。自分もその当時に書いたブログがあるので、リアルタイムの反応やこの出来事の珍しさについて知りたい方はそちらもチェックしてみてほしい。

 

LEGGOですブログ: GOT7のENCOREリリースは全てのK-Popファンの希望になるかもしれない

 

 

新しい事務所での仕事も順調なメンバーたち

 

 

ENCOREをリリースしてGOT7が存在し続けることを証明した彼らだが、新曲を1曲出したぐらいでは安心できないのも事実だ。アンコールというタイトル通り、解散後のアンコールをサプライズで行なった後は自分の国に帰ったり、各々の事務所に散らばったりと全員の拠点が変わっていった。音楽活動をメインに行なっていない人も存在しているし、次の活動のための充電期間に入った人もいる。逆にJYPの時代からTEAM WANGとして基盤を作り上げていたジャクソンはソロアーティストとして大爆発、最近のいちばん大きいモーメントしてはコーチェラの出演だろう。2NE1集合やaespaの登場にK-Popファンは食いついていたが、ジャクソンが彼女たちと同じ88risingのステージに出ていたことを忘れてはいけない。中国はもちろんのことながら韓国やアメリカでも活動を行なっているし、三代目 J SOUL BROTHERSのメンバーでCrazyBoy名義でラップも行なっているELLYの楽曲に客演としても参加していた。自身の活動を重視するために日本でのGOT7の活動に途中から参加しなくなったジャクソンだが、今もこうやって日本との関わりがあるのは嬉しい限り。原宿にあるGR8ではTEAM WANGのアパレルの取り扱われているし。

 

 

本来なら別にGOT7の活動を継続する必要性はないが、、、彼らは帰ってきた

 

このように新たなフェーズへ移行したGOT7のメンバーたちだが、感情論とかを全て抜きにして考えると正直言って7人で活動する意味はない。第1に全員が散らばっているのでシンプルにめんどくさい。韓国にいない人だっているし、話を通すには各々の事務所の許可を取る必要がある。新事務所と契約する際にGOT7として活動することに関連する項目を含めていたとしても、スケジュール調整などJYPのときにはなかったクリアすべき要素がたくさん増えたのは想像がつくだろう。

 

 

Photo by Twitter(@GOT7)

 

先ほどジャクソンを例に挙げたので再び彼で考えてみよう。JYPを離れたことで音楽面で以前より多忙になったことは明らか。最近ではネスカフェのような生活とリンクするもの、つまりアイドルというビジュアルが付きまとう仕事をしている人とリンクするファッション系ではなく、コーヒーの広告にまで登場するようになったジャクソン。しかもこれがタイの広告ってのもポイントだ。もうK-Popとか中国人の枠を超えてアジアを代表する人物の括りに入る可能性が出てきている。そんな人物があえて韓国アイドルの基本であり初歩であるカムバックをする必要性はない。本人のキャラクターは抜きとして現在はバリバリのかっこいい系ソロアーティストとして活動しているのだから、別にクッションを持ってアイドルみたいな写真を撮る必要もない。

 

このブログではガールズグループが中心になりがちなので興味なさそうな印象になっているかもしれないが、歴代のボーイズグループの中で自分がいちばん好きなのはGOT7だ。しかも自分の推しはジャクソンで、単体としてもいちばん好きなアイドルである。そんな自分なのでもちろんGOT7として活動してほしいという気持ちしかないが、本人たち目線でシンプルに考えるとグループとして活動する必要性はないと思う。そんな彼らがカムバックを果たしたのだ。もうこれはビジネスや利益、自身の活動などの前に、大前提としてGOT7のメンバーであるというものがあるということの証明なのだ。ぶっちゃけENCOREを出して数年寝かしても良かったのに。個人の活動を行なって新たなキャリアの基盤を作り始めたら戻ってきてカムバック、「ファンとの約束を守る」と発言したアイドルの中でもトップクラスの守り方な気がする。こんなにも早い段階でGOT7の活動を見れるなんて思ってた人いる?信じていたアガセも正直びっくりしたのでは?と思ってしまうぐらい早かった。

 

 

この難しすぎると思われたカムバックの実現の裏にはリーダーであるJB、現JAY Bのジェボムの存在があり、各事務所などとの連携に大きく関わったとされている。JAY Bとして曲を出しまくってる上にDef.としてもアルバムをリリース、客演にも参加、そしてGOT7としても活動。リーダー半端じゃないっすよ。他にも韓国に数ヶ月間留まることにしたメンバー、作詞作曲など裏方としてもGOT7に関わっているメンバーなど全員が自分のロールをこなしている。これは全員がGOT7としての活動を大事にしている証明でしかない。GOT7やJus2などの名義をメンバーたちに譲渡したJYPも半端じゃない。JYP時代のGOT7の終盤は不遇だ!とか冷遇だ!とか言われることがあったが、今の両者の関係を見るとそういった言葉は言えなくなっている。

 

GOT7は他の韓国アイドルたちの希望になると思ったし、彼らに続く存在が生まれる可能性はある。ただメンバー全員が事務所を離れた後もグループのことを大事にした上で優先できるなんて稀すぎるし、前の事務所が権利を渡すことも異常。現事務所が許可しているのもすごい。GOT7の事務所関連のことを知らない人からするとSNSのアカウントが新しくなっただけで、表面上は今までのカムバと全く一緒に見えていることはマジで半端じゃない。GOT7の真似をすれば事務所がバラバラでもグループ活動が可能な道ができたとしてもメンバー全員、今と昔の事務所など、関係者たちの考え方やビジョン、情熱がバチッとハマるなんてことは正直滅多にないと思う。なので以前は希望になるかもしれないと書いたが甘い話ではなく、GOT7が神クラスのアイドルグループだったいうことに落ち着きそうな気は若干し始めた笑。デジタル配信だけみたいなパターンじゃなくて、ショーケースや活動も行うし。いい意味で普通のスーパースターと変わらない。

 

またメンバーのソロ活動の現場にGOT7のペンライトを持っていくアガセも普通に現れている。アーティスト側は今の自分ではなく過去の自分を引きづられていると思うかもしれないし、ファン側は一生過去から抜け出せない老害ファンみたいに映るかもしれない。ただGOT7とアガセの場合はそんな要素は一切なく、GOT7であること、アガセであることにプライドを持っているのが伝わってくるし、今回のカムバのニュースを通じてコミュニティの強さというものを感じた。こんな全てがフィットした大きな括りでのGOT7という集団、韓国アイドルの希望ではあるけどハードル高すぎじゃない?

 

 

というわけでGOT7の現状について自分の考えを交えて書いてみた。今回のカムバが普通のアイドルのそれと一緒っぽい雰囲気なのに、全くの別物であるということが伝わっただろうか。2NE1が集合してBIGBANGが新曲リリース、BTSや少女時代もカムバ予定ということでK-Popの教科書でがっつり見出しが組まれる系の重鎮たちが賑やかである。JYPを離れて仮にGOT7が解散していたら、これらの重鎮たちに比べると世間的には下のカテゴリーに分類されていただろう。ただ今回カムバックを果たしたことでこれらのアイドルたちとはまた違った存在になり始めている。そう考えると先ほどのカテゴリー分けは間違った認識になるかもしれないし、GOT7は既にGOT7だけど違った意味合いでのGOT7に数年後はなっていそうな雰囲気がプンプンしている。

 

願いを叶えるためにこちらから集めに行く7つの球の逆、球の方から集まってきてくれて願いを叶えてくれる超良心的ドラゴンボールであるGOT7。前置きが長くなったがそんな彼らの名を刻んだ新アルバム「GOT7」をレビューしていこうと思う。

 

 

 

 

 

GOT7 - GOT7

 

Photo by Twitter(@GOT7)

 

GOT7の新しいアルバム「GOT7」は全部で6曲入り。タイトル曲は3曲目のNANANA。アートワークはもちろん緑。ティーザーでは建築関連のものが採用されており、GOT7が家を建てる系の内容になっており、MVにも家が登場する。事務所も拠点もバラバラになった彼らがGOT7という家を建てたという風に捉えることができ、これからも昔と変わらずGOT7であり続けるということをあえて強調するもので全てを固めている。この潔さとわかりやすさが逆にめちゃくちゃかっこよく、一本気な感じが渋い。

 

 

1. GOT7 - TRUTH

 

GOT7の"TRUTH"をApple Musicで

 

1曲目のTRUTHは人には様々な面があるということを心に留めながら制作された楽曲で、お互いの心を知っていく恋愛の段階が歌詞で表現されている。お家を建ててパッと見はJYPのときと変わらないようなカムバック、そしてグループ名と色を採用したアルバムでありながら、まだお互いを探っている段階、つまり理解度がまだまだ低い状態の内容の楽曲を1曲目に持ってくることのチグハグさ。こういうテンションで来ていたら1曲目はGOT7がやってきたぞ!みたいなテンション、アーティストとリスナーの一体感を促すような楽曲をセレクトしてしまいそうだが、逆にこれからもお互いを知りながら深めあっていこうという風に捉えることができる楽曲をチョイスしているのが渋すぎる。惰性でグループを継続するのではなく、これからも進化していくという意思も自分は感じたのでグッと来た。

 

音楽的なスタイルとしてはR&Bっぽいテンションの歌モノで、パッと思いついた曲だとアルバム「DYE」に収録されていたPOISONをもっと落ち着かせたような雰囲気だろうか。ちなみにこのDYEというアルバムはCDのみに収録されている楽曲が4曲もある。R&Bっぽいテンションの曲も多いのでTRUTHが好きだった人にもおすすめ。JYPを離れたので追加で生産されることもないだろうし、まだ数が多く出回っている今のうちに買っておくのがいいかもしれない。

 

 

2. GOT7 - Drive Me To The Moon

 

GOT7の"Drive Me To The Moon"をApple Musicで

 

Drive Me To The Moonは2021年から大流行していたファンクやディスコ系のレトロ曲の雰囲気が割と入っているのにも関わらず、大量に消費されたトレンドのアレとは違った雰囲気になっているのがポイント。ビートを全面に押し出さずにボーカルがクリアに聴こえるバランスで仕上がっているからなのか「ハイハイ、ファンクのやつね」という気分にならない。このブログをチェックしてくれている人ならわかると思うが、自分は過剰に採用されていたファンク系のK-Popにはかなり否定的で、テヨンのWeekendを最後に完全に飽きてしまっていた。離れていたことで逆に最近聴くようになり始めているけど、基本的には求めていない。ただこのDrive Me To The Moonではそのファンク系で使われていたようなギターのサウンドが採用されているし、レトロ感もしっかりあるのに嫌いという感情が全く生まれてこない。去年の秋頃にリリースされていたとしても普通に楽しんでいただろう。

 

月にドライブに行くことは現実的には不可能だが車でのドライブは可能だし、コロナとの接し方も変わりつつあるので今年は海に行く人も増えるだろう。そんな暑い夏のBGMに爽やかさのあるDrive Me To The Moonを採用してみてはいかがだろうか。

 

 

3. GOT7 - NANANA

 

 

男性アイドルという職業上バチッとかっこいい姿を決めることが多く、GOT7も年齢とともにそういったスタイルが多くなっていった。その一方で他人である自分も彼らの友達かのような気持ちにさせてくれるようなスタイルもGOT7は頻繁に見せてくれていた。STUDIO CHOOMのThursdayのパフォーマンスがいい例である。かっこいい系はもちろんのことながら、リラックスした雰囲気というのも彼らの特徴、そして武器の1つなのだ。

 

そんなリラックスした雰囲気のGOT7を楽しむことができるのがNANANAで、K-Popのタイトル曲でよくあるいい意味でのうるささというものはいい際なく、サビでヒップホップ色が強くなることで盛り上がりを作っていること以外は基本フラット、もしくは少し落ち着くぐらいのテンションをずっとキープしている。ダンスもスムースでスキル見せびらかし系ではない。この全体的にリラックスした雰囲気がすっと入ってきて個人的には好き。一般的なアイドルだとB面の曲や活動のサブ曲に入りそうなタイプだが、大人な彼らが行うとそういった印象は無くなってくる。またそういう緩い雰囲気だからなのか、一般的なタイトル曲が採用される2曲目ではなく普通ならB面となる3曲目にNANANAを持ってきたのも計算の上なのか。まあ先ほど述べていたアルバム「DYE」もタイトル曲が3曲目だったので考えすぎかもしれないが。

 

個人的にUKドリル発祥で今では結構広まっているWoo Danceの改良版みたいな振り付けが、サビで採用されているのが個人的にツボ。しかも全体的に緩い振り付けなのでTikTokのようなSNSでのプロモーションにも向いていると思う。日常的に踊った姿を投稿しているアガセはぜひやってみてほしい。ちなみにこの振りはMVだとほとんど出てこないので、ショーケースの動画を見てね笑。あとMVがティーザーで作っていた家にいるのもポイント。モノトーンやグレーっぽい写真だったのに対してカラフルかつ近未来的な内装のギャップも割と好き。人口っぽい家具にカラフルなお花を合わせるというインテリアもいいよね。

 

GOT7の"NANANA"をApple Musicで

 

 

4. GOT7 - Two

 

GOT7の"Two"をApple Musicで

 

4曲目のTwoはトラップがベースとなった歌モノ。トラップが流行し始めて10年以上経っており、ヒップホップではもちろんポップス、そしてK-Popでもトラップを取り入れるのはトレンドを通り越えて当たり前になっており、便宜上このブログではトラップとヒップホップという言葉を使い分けているし、あえてこれらの言葉を作用しているが、現在ではトラップが流行だとかあえて言う必要もなくなっている。そんな時代なのでK-Popでもトラップが当たり前になっている第4世代というアイドルたちも登場しているし、それより上の世代だって普通に採用している。なのでトラップベースの歌モノをGOT7が行うのも当たり前だし、特に騒ぐ必要もないのだがちょっとだけ変わった見方をすることができる。

 

GOT7は昔から意外とヒップホップの雰囲気が入っており、初期の代表曲であるJust Rightなんかかなりヒップホップ系だ。Eclipseなってイントロ部分からトラップの特徴の1つである機械的な連続するハイハットが思いっきり採用されている。ただ表面上の彼らの印象にヒップホップというものはなく、綺麗なボーカルと綺麗なビートでとにかくクリーンな印象があり、ヒップホップを担当しているのは基本Jackson Wangだった。そんな彼らだがJYPを離れてソロ活動をするようになると以前よりもトラップ系のビートが増えており、数やスタイルの違いはあれど音楽活動を行なったメンバーの全員がトラップビートの曲をリリースしている。時代がそうだからという風に言ってしまえばそれで終わりだが、もろにヒップホップ系の曲を出している人がほとんどなので時代という言葉でさくっと終わらせられるものでもないだろう。

 

というわけでトラップビートを採用したTwoという歌モノは昔ながらのGOT7というよりは、今のGOT7という感じがした。もちろん昔もこういうタイプの曲はあったが、より自分たちのものになったというか。そういう風に聴いてみると韓国アイドルがよく採用しているトラップ系の歌モノでしょ!という視点とは少し違った感覚で楽しむことができた。

 

 

5. GOT7 - Don't Care About Me

 

GOT7の"Don't Care About Me"をApple Musicで

 

Twoに続いてDon't Care About Meもヒップホップ色が強めで、トラップ的な要素に加えてオールドスクールな808のカウベルも頻繁に採用されている。2番に少しだけ入るPolo G系のエモーショナルなギターのサウンドもポイントだ。低音が強調されていることで歌モノだけどパンチがあって、派手に改良したらタイトル曲にもなれそうな雰囲気があり、Twoとしっかり住み分けができている。ボーカルはいつものGOT7が出ているし、ビートも要所でらしさが出ているため、今作の中でわかりやすいGOT7らしさというものを自分がいちばん感じた曲はDon't Care About Meだった。結構人気高そう。

 

 

6. GOT7 - Don't Leave Me Alone

 

GOT7の"Don't Leave Me Alone"をApple Musicで

 

アルバムの最後はバラード系というK-Popの定番に則り、GOT7も最後はDon't Leave Me Aloneというバラード曲で締めてきた。

 

 

という風に書くと「よくあるやつね」となってしまうが、GOT7がJYPを離れてバラバラになった後も普通に集まってグループ活動をしてくれているバックボーンを踏まえ、このアルバムの持つ意味を考えるとただのよくあるバラードという風にDon't Leave Me Aloneを捉えることはできなくなってくる。

 

GOT7がやってきたぞ系ではなく、まだまだこれからもな雰囲気があったTRUTHで始まった今作だが、最後でしっかりアガセに対して直球のメッセージを送ってきた。「待っていて限り、僕たちは帰ってくる」といった意味合いを持つ楽曲だが、こういった発言をするアイドルなんて大量にいるし、アイドルという職業は基本的に対人間なので感情に響きそうなことを言っておけばファンは喜ぶものである。こんなことを言ったら怒られそうだが、人によっては「おはようございます」ぐらい軽い挨拶で「愛してます」と言っている人も確実にいるだろうし、営業としてファンを喜ばせる発言をしている人もいるだろう。仮にそういう人がいても悪いとは一切思わないし、ステレオタイプなアイドル像がそういう系になってしまっているので、仮に明日自分が韓国アイドルになったとしても、とりあえずそういう系の発言をしておく。なので全てのアイドルがうわべだけとは思わないし、ガチでそう思っている人が多いだろうが、本当かどうかはわからないし、本当だったとしても実現ができるかどうかは別の話だ。

 

ただGOT7はカムバックを果たしたし、以前と同じように活動を行なった。最初の方にも述べたが別にグループ活動をしなくちゃいけないというわけではないのに。カムバする前はGOT7が他の韓国アイドルの希望になると思っていたが、冷静に考えるとGOT7がGOT7として活動しているのは異常なので他のアイドルが簡単に真似できる道だとはもう思わなくなっている。基本何事も先駆者が現れた意向は難易度が下がる印象があるけど、そんな簡単に行く話なのだろうか。みなさんはどう思いますか?全員の意見が一緒が既に結構ハード、今の事務所が許可してくれるのもハード、前の事務所がグループ名の権利を渡してくれるのなんてスーパーハード。

 

もうこれはGOT7がいる方向に向かって一礼してからアルバムを聴いたほうがいいレベル!というのは流石に言い過ぎだが、でもそれぐらい半端じゃないと自分は思っている。そんな彼らが言う「待っていて限り、僕たちは帰ってくる」は重みが違うし、信頼度が一般的なアイドルとは比較にならないぐらい高い。そんな彼らがファンに届けるバラード曲は一味も二味も違ったものに感じてしまう。決して他のアイドルを下げて、GOT7を上げているわけではない。ただこういった考え方もできるよね!というお話である。

 

 

 

 

 

メンバーの第2章とGOT7の第2章

 

以上がGOT7の新しいアルバム「GOT7」のレビューとなります。ENCOREもワーナーからリリースはされていたもののJYP時代のボーナスステージ的なノリだったので、本格的なGOT7の第2章は今作から始まったと言えるでしょう。すでに始まっているメンバー自身の第2章と同じようにグループとしても新たな物語が始まったわけだが、超超超超超保守的で疑り深い考え方をするとまだ100%安心することはできない。

 

 

Photo by Twitter(@GOT7)

 

なぜ割と早い段階でGOT7がカムバックを果たしたのか、その背景にはやはり兵役というものがあると考えられる。メンバーのジェボムとジニョンは1994年生まれということで満30歳までに入隊しないといけないため、意外とタイムリミットが残っていない。JAY BやDef.として2021年活動しまくっていた上にGOT7のリーダーとしても暗躍していたジェボムの様子を見ていると、兵役までそんなに時間がないという雰囲気がかなり伝わってくる。最年少のユギョムは1997年ということで仮にJYPに全員が所属していたら段階的に入隊させたり、一気にさせたりとGOT7ベースで調整することが可能だが、今の活動のメインはメンバーそれぞれの第2章であり、最も優先すべきなのは個人の仕事である。そのため一般的なアイドルよりも再び全員が集合するまでに時間がかかる可能性がある。

 

また7人中3人が外国人メンバーなので1年後ですら簡単に韓国に集まることができる状態かどうかも謎である。自国での仕事、つまり韓国目線でいうところの海外での仕事が盛んすぎて、K-Popとしてのアーティスト業を優先させらるかどうかは不明である。各々の事務所のビジョンもどうなっているかわからない。本人たちの感情以外の部分は結局のところ全てビジネスということも忘れてはいけない。

 

 

このようにすでに最高クラスの難易度だったカムバが、次回はさらに難易度が上昇すると考えると恐ろしい。普通に考えると無理だし、集まらなかったとしても責める気は一切ない。ただGOT7を見ていると、次も普通にカムバックしちゃいそうに思えてくる。何事もなかったかのようにヤッホーみたいなノリで。「待っていて限り、僕たちは帰ってくる」という言葉の重み、そして信頼度が歴代最高レベルで高くなっているGOT7だからこそなのだろう。あれだけ順調だと思っていたグループから急に脱退する人が現れたり、いきなり解散するアイドルだって存在している。あんなにも順調だったGFRIENDが急に解散するなんて思っている人いた?日本であんなにもコンサートをしていたBIGBANGが揃っている姿を見ることすら難しくなるなんて思っている人いた?QUEENDOMに出演したアイドルでそのままを保てているのMAMAMOOだけって気づいてる?それぐらいグループを存続させるのが難しいK-Popで、GOT7が完全体として存在し続けようとしていることが異常であるしどれだけありがたいことなのか、今回のブログを書くことで、K-Popファンとして彼らに対する尊敬の念がより深まったのであった。あえてかなり疑った考えで書いたけど本心としては普通に帰ってくると思ってるし、もしまた近いうちに新曲出したら笑っちゃう。バリバリの若手かよ!って感じで。まあとりあえず今回のカムバックによってGOT7をボーイズグループのGOAT論争に入れても怒られないようなことは成し遂げたと言えるだろう。ちなみに間もなく行われる少女時代のカムバックだが、こちらも完全体で行われる予定。少女時代の場合は本体はSMに在籍したままなため「少女時代 Feat. 移籍したメンバー」みたいな形式とも考えられる。よってガッセとはかなり状況が違うが、事務所がバラバラでも大丈夫なのかという希望論争の指標としては十分なので、今回と同様に新曲だけでなく裏の事情等に注目してみるのも面白いかもしれない。

 

 

 

長めのブログになりましたが、読んでいただいてありがとうございました、最後にGOT7の新しいアルバム「GOT7」のApple Musicのまとまったリンクを貼っておきます。ぜひNANANA以外の曲もチェックしてみてください。あと少し前まで過去作の一部がApple Musicから消えていましたが、現在は復活しています。この機会にJYPのときの楽曲を振り返ってみては?また最後にこのブログのツイッターなど各種SNSのリンク貼ってありますので、よければフォローお願いします。また次回のブログで会いましょう。ではまた!

 

 


 

 

 

 

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