2ndミニアルバム『-77.82X-78.29』で新しいスタイルを披露したEVERGLOW

EVERGLOWがカムバック

 

デビュー曲から圧倒的な個性で毎回楽しませてくれるEVERGLOWが9月21日にカムバックを果たした。若手グループの中でガールクラッシュという言葉がいちばん当てはまるグループで、デビュー当時からトラップを得意としている。

 

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ヒップホップやトラップを得意としているグループはたくさんいる。代表例としてはBLACKPINK。ただそんな人気グループにも負けず劣らず、トラップというスタイルを自分たちのものにしていたのがEVERGLOWだ。ヒップホップが世界的に人気で、アメリカの有名なポップシンガーからAppleのCM、ちょっとしたBGMまで様々な場所でトラップを取り入れた曲を聴くことがある。それぐらいヒップホップやトラップというジャンルは現代に溶け込んでいる。

 

なのでK-Popでもヒップホップを取り入れたグループが増えたところで何も思わない。ただEVERGLOWの場合どうしても気になってしまう。それはかなり直接的にトラップを取り入れているからだ。例えばSik-Kのようなラッパーがトラップ全快の曲をリリースしたところで何も思わない。それは彼がラッパーだからだ。ただEVERGLOWの場合はアイドル。YGといえばヒップホップというイメージがあるので、他のグループに比べると直接的なヒップホップを表現することはよくあった。現在では先ほども例に挙げたBLACKPINKがそう。しかし基本的にはK-Popというジャンルの名前からもわかるように、K-Popとは韓国のポップス。トラップを取り入れることはあっても、アクセントとして使用するグループが大半。がっつり取り入れたとしてもキャッチーな雰囲気に仕上げることが多かった。

 

そんな中EVERGLOWはBLACKPINKと同じぐらい、もしくはそれ以上にトラップを表現し自分たちの個性にした。こんなグループはトラップ全盛期の時代でもいなかった。やはりK-PopK-Popだから。

 

 

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EVERGLOWが登場した1年後にwoo!ah!が同じくトラップ全快の曲でデビューしたが、EVERGLOWが先駆者として披露しているのでそのときのインパクトに比べると弱い。それほど自分にとってはトラップを自分たちの個性としてデビューしたEVERGLOWは衝撃的だった。

 

 

月日は流れ、EVERGLOWがデビューしてから約1年半が経った。新人から若手という枠に移行したEVERGLOWは少しずつ変化してきている。トラップの要素は残っているもののジャンル自体は変化していっている。ただEVERGLOW=トラップというジャンルとしての個性は変化してきたが、彼女たちのスタイルであるアグレッシブさ、ガールクラッシュというスタイルは一切変わらない。全体としては4作目、EPとしては2作目となる『-77.82X-78.29』でもアグレッシブさをキープ。相変わらずのガールクラッシュっぷり。攻撃力がめちゃくちゃ高い系。曲のジャンルが変わったとしても変わらないEVERGLOWらしさ。

 

 

今回のブログではそんなEVERGLOWの新しいアルバム『-77.82X-78.29』を聴いていこうと思う。K-Pop界トップクラスの攻撃力を誇るガールズグループの新曲がどんな作品になったか楽しみだ。

 

 

 

 

EVERGLOW - -77.82X-78.29

 

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Photo by Twitter(@EVERGLOW_STAFF)

 

アルバムのタイトルは-77.82X-78.29。ぶっちゃけなんて読むか分かってない笑。アートワークはいかにも2020年って感じ。トレンドの中のトレンド。こういうスタイルってGUCCIMAZEが流行らせたと自分は思っているんだけど、実際はどうなの?このアートワークを使ったTシャツとかパーカー作ったらめちゃくちゃ売れそう。フロントの胸元にEVERGLOWの文字で、バックにこのロゴをドカンとプリントして。Tシャツは白と黒でパーカーは黒のみね。事務所の方々、このブログを見る機会があったら考えてみてください笑。私は買います。YUE HUA Entertainment様よろしくお願いします。

 

 

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Photo by Twitter(@EVERGLOW_STAFF)

 

トラックリストはこんな感じ。タイトル曲であるLA DI DAはAdios、DUN DUNなどと同じEVERGLOWお馴染みのメンバーたちが作曲。Bon Bon Chocolatが収録されているARRIVAL OF EVERGLOW以外の作品はほどこのメンバーたちが楽曲を制作している。それに対して他の曲は新しいメンバーたちが参加しており、EVERGLOWにとっては新しい風になっている。

 

 

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作曲のメンバーが違うことからもわかるように、今回のEVERGLOWは今までと少し違う。タワーレコードの紹介にもサイバーパンク的な雰囲気を漂わせイメージチェンジを図った本作という風に書かれている通り、初めてこのメドレーの動画を見たとき「あれ?いつもと違うぞ?」と自分は思った。そんなこともあり今回のアルバムがどんなスタイルになったのかすごく楽しみだった。

 

 

そんな新しい一面を見せてもらおうじゃないか!というわけで早速1曲目から聴いていこうと思う。

 

 

1. EVERGLOW - LA DI DA

 

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今回のタイトル曲であるLA DI DAがまさかの1曲目。EVERGLOWといえば1曲目はアルバムのイントロになる曲でテンションを上げて、2曲目にタイトル曲でどかーん!という感じだった。今回は1発目からどかーん。個人的には今までの方が好きだった。なぜかというと今までのイントロ曲がどれもめちゃくちゃかっこよかったから。Moon、Hush、SALUTEの3曲とも全て好き。なのでイントロ曲的な働きを持つ曲がないということは、自分の好きな曲がある確率が低くなったということ。そういう意味で残念だった。

 

ただ別にイントロ曲がなかったからといって他の曲がかっこよかったら問題ない。というわけで今回のLA DI DA。ティーザーの段階からいつもと違うぞと思ったこの曲。レトロでディスコの要素を取り入れているのにも関わらず、めちゃくちゃ現代っぽい曲という印象だった。K-Pop界では新しいトレンドとしてディスコの波が来ている。BTSのDynamite、fromis_9のFeel Good (SECRET CODE)、J.Y. ParkとソンミのWhen We Discoなどここ数ヶ月だけを見ても様々なスタイルのディスコの曲がリリースされた。EVERGLOWのLA DI DAもそんな新しいトレンドであるディスコを取り入れている。先ほど例に挙げた3曲と違う部分はK-Popらしい強さがいちばんあるというところ。

 

 

初めて聴いたときは少し前の世代のK-Popっぽいかな?って思った。00や10年代前半のK-Popのグループがリリースした曲っぽい雰囲気。それをベースに新しいトレンドであるディスコの要素をプラスして再解釈、現代版の曲として完成させたというのが自分の感想。アクセントとしてトラップを取り入れているのが現代っぽさを出している。以前のアイドルたちがしていたこういう雰囲気の曲にはヒップホップ的な要素は入っていなかった。こういう細かい部分が昔っぽいスタイルを直接するのではなく、再解釈して曲を作っているという部分につながると思う。

 

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ジャンルは違うけど、YUKIKAのSoul LadyなんかもLA DI DAと同じようなものだと思う。シティポップという昔のスタイルなんだけど、細かい部分はめちゃくちゃ現代的なので再解釈して2020年にリリースしているという感じがものすごくする。EVERGLOWのLA DI DAも同じ感じ。K-Popってこういう現代版にアップデートするのがめちゃくちゃ上手いと思う。

 

EVERGLOWのLA DI DAの印象はこんな感じだった。なんかトラックの印象ばっかり書いたけど、普通に曲としてかなり好き。だってこういう曲なかなかないじゃん。めちゃくちゃ新鮮に感じるし、曲の雰囲気が変わってもEVERGLOWらしいアグレッシブさはキープされてる。相変わらずの攻撃力は自分がEVERGLOWに求めているものそのもの。今までのタイトル曲に比べるとじわじわ好きになってくる系の雰囲気がプンプンするので、もっとじっくり聴いてみようと思う。

 

 

MVはサイバーパンクという言葉の通り。そっち系のゲームの雰囲気がある。未来の女戦士みたいな。バイクかヘリに乗って登場して光学迷彩を使用して潜入、二丁拳銃で敵をぶっ倒しそう。サイバーパンク2077の世界に攻殻機動隊草薙素子が登場した感じ。もしくは未来のキャッツアイ。スターウォーズコルサントっぽさも感じることができる。結構MVお気に入りかも。曲と抜群にあってるし。衣装もかっこいい。歌詞も強い。アシャがめちゃくちゃハマってる。二丁拳銃とか言ったけど、アシャは刀で斬りまくってほしい。衣装変えてキルビル栗山千明的なのでもいけそう。とりあえずヘイターを血祭りにあげてほしい笑。

 

あとK-Popって元々MVってスタジオで撮影した作品が圧倒的に多いじゃん。これほんとよかったと思う。外で撮ることが多いヒップホップではコロナの影響もあって最近しょぼいMVが多い。ほんとK-Popはスタジオメインでよかったと思う。

 

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2. EVERGLOW - UNTOUCHABLE

 

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いかにもB面の曲って感じなんだけど個人的に結構好きな曲。今までのアルバムの1曲目を担当していた曲たちの繋ぎ版って感じがする。歌詞も特徴的。

 

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結構好きな曲なんだけど、この部分が好き!とかではなくて聴いたときのフィーリング的に好きな感じなので、逆に感想がない笑。なんかわかんないけど結構好きなんだよね!って感じ。いい意味で棘が全くなくて聴きやすい1曲。EVERGLOWらしいアグレッシブさはないけど、EVERGLOWらしいB面の曲。

 

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3. EVERGLOW - GxxD BOY

 

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いちばん今までのEVERGLOWらしさが出ていると思う曲。ラップしてるような感じで歌っていってビートが変化。歌のパートでサビ。トラックは全体的に強め。ガールクラッシュらしい1曲。ちょっとささやくように歌うフロウが少し前のヒップホップっぽくって、全体的に少しレトロな感じがするアルバムのコンセプトに当てはまっていて、個人的にお気に入りポイント。

 

 

4. EVERGLOW - NO GOOD REASON

 

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K-Popのアルバムでよくあるラストをがっつりバラードで締めるスタイルが嫌いな自分としては、EVERGLOWのラストの曲は毎回ありがたい。例に漏れずEVERGLOWも最後はアルバムの中でいちばんの歌モノを持ってくる。ただ他のグループと違うところはビートがバラードではないという点。今回のNO GOOD REASONも確かに歌モノなのだが、トラックはかなりヒップホップ。なんなら-77.82X-78.29の中でいちばんヒップホップで、EVERGLOWらしいトラップがベースの歌モノとなっている。3曲目のGxxD BOYとこのNO GOOD REASONを足して2で割った感じが、いかにもEVERGLOW!というスタイルになると思う。そういった意味ではこの曲もいちばんらしさが出ていると言っていい気がする。

 

 

 

曲のスタイルが変わっても自分たちらしさは変わらない

 

アルバム自体の説明にもあった通り、イメージチェンジを図ったアルバムになっていた。作曲も1曲目以外は新しいメンバーたち。だけどEVERGLOWというグループはデビューしてから自分たちのスタイルを提案し続けていたからか、今回のアルバム『-77.82X-78.29』を初めて聴いた段階でEVERGLOWらしいアルバムだな〜という印象だった。新しいことをしてもいい意味で新しく感じないのは自分たちのスタイルが確立しているからだ。やっぱり自分たちのスタイルが確立しているグループはかっこいい。

 

 

というわけで今回は以上です。最後にアルバム全体のリンクを貼っておきます。カムバックに合わせてSECRET48(시크릿48)というシリーズも始まるので、それのティーザーの動画も貼っておきます。ではまた!

 

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B-SIDEを聴き逃すな!(여자)

 

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最後に1つボーナス的な感じで。リード曲ではない、MVがないK-Pop。いわゆるB面の曲の中からお気に入りのものでプレイリストを作りました。EVERGLOWのアルバムの1曲目、イントロ的な意味合いを持つB面の曲が好き!とこのブログで書いたのがそのまま出ているプレイリスト。このプレイリストを作るとき、やっぱり1曲目はEVERGLOWだな!と一瞬で決まりました笑。Apple Musicで公開しているので、よければぜひ聴いてみてください。

 

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Apple MusicでK-Popをメインにプレイリストを公開しているので、よければぜひ聴いてみてください!

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