アイドルからアーティストへ。DAWNが「DAWNDIDIDAWN」をリリース
今K-POPで最もアツい?話題の事務所【P NATION】
年々K-Popの人気は上昇。それに伴って様々な事務所に注目が集まるようになった現在の韓国の音楽業界。これはアイドル系に限った話ではなく、他のジャンルの事務所にも当てはまる現象だ。
そんな韓国の音楽業界で最近どんどん頭角を現してきている事務所がある。それはP NATION。カンナムスタイルでお馴染みのPSYが立ち上げた事務所で、所属している歌手がとにかく個性的で実力派ばかり。そんなP NATIONが設立されときに最初のアナウンスで所属アーティストとして公開されたのが、今回紹介する元PENTAGONのイドンだ。
- 今K-POPで最もアツい?話題の事務所【P NATION】
- PENTAGONイドンというアイドルからDAWNというアーティストへ
- DAWN - DAWNDIDIDAWN
- アイドルからアーティストになったイドンの姿
PENTAGONイドンというアイドルからDAWNというアーティストへ
P NATIONからDAWNとしてデビュー、今回初のソロアルバムをリリースすることになったイドンだがこのリリースまでの道のりは他のアーティストとは異なった道を歩んでいる。
というわけで最初にイドンがDAWNになるまでの物語を軽く紹介しておこうと思う。これを踏まえてDAWNのアルバム「DAWNDIDIDAWN」を聴けば、通常よりも少し深く楽しむことができるだろう。
PENTAGONのメンバーとしてデビューしたイドン
PENTAGON(ペンタゴン)のメンバーとしてデビューしたイドン(本名: キム・ヒョジョン)はどんどん人気を獲得、若手韓国アイドルとしてかなりの人気を博していた。男性でも当たり前のようにメイクをする韓国アイドルの中でも特にメイクを楽しんでいたイドンは音楽以外の面でも大注目。毎回メイクやファッションといった部分も話題になっていた。
Triple Hとしてもデビュー
またイドンはTriple Hというユニットとしても活動、同じくPENTAGONに所属しているフイと事務所の先輩となるヒョナの3人で結成されていた。アイドルとしては珍しく妖艶な雰囲気を持ったユニットで音楽もかっこよく、個人的に大好きなユニットだった。
人気の若手アイドルであるPENTAGON、そして女性から圧倒的な支持を得ていたヒョナがユニットを組んだということでK-Popファンからの興味も高かったTriple Hだが、上に貼ったMVの曲「RETRO FUTURE」でカムバックを果たした際にあるニュースが発信された。そのニュースによってイドンがDAWNとしてP NATIONに所属することになった最初の要因となっている。
事務所の先輩であるヒョナと付き合っていたことが判明
Kstyle: キム・ヒョナ、PENTAGON イドンと熱愛宣言「素直に言いたかった」…事務所否定から一転
Triple Hのカムバック時期にイドンとヒョナが付き合っているという情報が出てK-Pop界に激震が走った。事務所は即否定していたがすぐに一転、両者が付き合っていることが正式にアナウンスされたのである。
事務所の先輩後輩という関係性やTriple Hのちょっとエロチックで艶かしいコンセプトなど様々なことから、このニュースに対する意見は圧倒的に否定的なものが多くヒョナとイドンは最終的にCUBEエンターテインメントを離れることとなった。
2人とも実力と人気があったし、かなり勿体無いな〜と個人的には思っていた。アイドルの恋愛はご自由にどうぞ派な自分だったけど、Triple Hのコンセプト的に実際に何もないけど匂わせるような雰囲気、ちょっと危うい怪しげな雰囲気がかっこよかったのに実際に付き合ってましたとことで完全にコンセプトが潰れたのは流石にあれだからだ笑。Triple H特有のかっこよさが1つのニュースで全てなくなったわけだし。
CUBEエンターテインメントとの契約解除後はヒョナと2人で積極的に活動
2人の面白かったポイントは炎上をしっかり活かして楽しませてくれたこと。CUBEエンターテインメントとの契約解除以降はメディアに出るときはほぼ100%で2人セットだったし、雑誌のグラビアなども2人で撮影していた。きっかけはバッシングだったけど、集まった注目を生かしてカップルだからこそできることをしまくっていた感じ。日本で行われるイベントのために来日した際も2人で登場。ファンの前でも仲良しな姿を見せてくれていた。自分もヒョナとイドンを見たくて行っちゃった笑。イドンくんマジで男前。めちゃくちゃ顔がヴァンパイアっぽいということで自分の中でずっと話題だったが、間近で見た結果やっぱりヴァンパイアだった。ドラマ撮影で吸血鬼役を探している人はぜひイドンを候補に入れて欲しい。
メディア露出は積極的だったが、やはり音楽活動に関しては休止。アンチが多かったのも事実で事務所を離れたのは大きかった。それにアイドルだけどカップル、バッシングで事務所を離れたという普通のK-Popの事務所目線で考えると明らかに扱いにくい人物になっていたのも明らか。一般的なK-Popの事務所は契約しにくいし、自分は事務所を立ち上げるかな?と予想していた。
そんな中PSYが事務所を立ち上げるというアナウンス。そしてその初期メンバーにジェシ、ヒョナ、イドンが所属するという発表。めちゃくちゃびっくりしたよね。PSYというK-Pop的には癖のあるアーティストが立ち上げた事務所に癖のある女性ラッパーのジェシ。それに話題のカップル。知名度も実力もあるけど曲者ばかりという、かなりエキサイティングなメンバーたちで構成されるP NATION。今後伸びるぞ!というのがこのニュースの最初の感想だった。
P NATIONからDAWNとしてMONEYをリリース
P NATION移籍後は音楽活動も再開。ついに久しぶりのイドンの新曲「MONEY」をリリースした。この1曲で音楽活動は止まっていたが、遂に今回DAWNとして初めてのミニアルバム「DAWNDIDIDAWN」をリリース。本格的に音楽活動が再開されたのである。
前置きが長くなったが今回はそんなDAWNのアルバム「DAWNDIDIDAWN」をレビューしていこうと思う。
DAWN - DAWNDIDIDAWN
Photo by Twitter(@OfficialPnation)
今回のDAWNDIDIDAWNはミニアルバムということもあり全部で5曲。やっぱりこのアルバムの注目ポイントはイドンが積極的に裏方にも参加しているというところではないだろうか。なんと全ての曲の作詞作曲にDAWNのクレジットがある。PENTAGONのときも裏方に参加していたことはあったが、アイドルなのでアルバムの全曲にクレジットされるということはもちろんなかった。そういった意味でも今回のアルバムは今までのイドンとは全く違う。
ちなみに作詞作曲にはPSYやCrushなど他のP NATIONのメンバーやPENOMECOなども参加している。あれだけセットなイメージがあるヒョナが変に絡んでないことが、話題性を狙った遊びのアルバムではなく本気のアルバムということを意味しているだろう。1人のアーティストとしての作品だ。
1. DAWN - DAWNDIDIDAWN Feat. Jessi
まずは今回のミニアルバムのタイトル曲となるDAWNDIDIDAWNから。客演には同じP NATIONのJessi。タイトルも面白くてDAWNのDAWNDIDIDAWN。韓国語で書いても던の던디리던。テンション的には「しんぶんし」や「やおや」みたいな回文のテンション。実際には違うけどね笑。自らの名前をタイトルに入れて遊んでる感じが面白い。
曲もめちゃくちゃ最高。K-Pop+00年代のヒップホップ+現代のヒップホップみたいな曲でトラックがとにかく最高。そしてDAWNとJessiの歌とラップも抜群。でもやっぱりこの曲のいちばん好きな部分やビートかな!
完全にJuelz SantanaのThere It Goのテンション。これに現代のヒップホップの象徴であるトラップをプラス。そしてそれをK-Popのスタイルに仕上げたのがDAWNDIDIDAWNの個人的な印象である。このJuelz Santanaの曲にトラップをプラスしたK-PopといえばBLACKPINKのWHISTLEが思い出されるが、DAWNのそれとは全く違う。似たような素材を使ってもシェフが違うと別の料理になることを実感することができた。
MVに関してはいつも通りイドンはがっつりメイクスタイル。韓国の男性でダークメイクがいちばん似合うのはイドンでしょ!と言い切れそうなぐらい似合ってる。相変わらずのヴァンパイア。やっぱ吸血鬼にぴったりだよね???
イドンの"DAWNDIDIDAWN (feat. Jessi)"をApple Musicで
2. DAWN - Still Feat. Crush
イドンの"Still (feat. Crush)"をApple Musicで
2曲目も同じくP NATIONからCrushが客演に参加。さっきのテンション高めのヒップホップからは一変、歌モノの曲となっている。韓国のラッパーならではの歌モノスタイルの曲って感じで客演のCrushが普段からやってそうな雰囲気がある。アイドルのB面の曲というよりは完全に韓国のラッパーやアーティストのB面という感じ。CrushはもちろんDEANやDPR LIVEのような雰囲気もある。比較している人たちがアイドルではなくアーティスト。イドンのいるステージが以前とは違うのは明らかだ。
客演にCrushを引っ張って来れるのは強い。P NATIONの繋がりは本当に強くなっていく。少し前にP NATIONが新しいアーティストを迎えることを発表した。その人物はHEIZE。すごくない?HyunA Feat. HEIZEやJessi Feat. Crush & HEIZE、PSY Feat. HyunA & DAWNなどどんな風に組み合わせても魅力的にしかならない。内側のアーティストの組み合わせだけでかなりワクワクするものを作れるのはやばすぎる。作詞作曲もできちゃうし。P NATIONがパワーハウスになりつつある。
3. DAWN - Tantara
3曲目のTantaraも歌モノ。この曲はやっぱサビでしょ!この感想だけでいい気がする。静かなスタートからサビ前の溜め。ガツンと盛り上がるのかなと思ったら予想外の展開と音たち。いい意味でK-Popらしくない雰囲気の曲なんだけどめちゃくちゃかっこいい。3分以下とまとまった作品になっているのバランスがいい。ダレることなく気持ちいい長さで終了する。実際に聴いてみてほしい1曲。
4. DAWN - Butterfly
Butterflyも歌モノ。DAWNDIDIDAWNの印象がガツンと来るのでそっちに持ってかれそうになるが、ここに来て完全に気づくよね。イドンのアルバムは歌が中心だと。Butterflyというタイトルにぴったりのトラック。このアルバムの中で美しさがいちばん目立つビート。歌い方から優しさや儚さ、揺れる感じが伝わってくる。ヒップホップのトラップ的なハイハットが入っているのにも関わらず、ハードな感じにならないのはすごいバランス。LOONAもそうだけど、Butterflyというタイトルの曲は美しい雰囲気の作品ばかり。
5. DAWN - Ordinary Night
イドンの"Ordinary Night"をApple Musicで
イントロを聴いた感じでは3曲目のTantaraっぽい感じになるのかなと思ったけど全然違った。最初ギターの音から始まったと思ったら、歌い出しでトラップに変化。サビは今回のアルバムの中でいちばんK-Popって感じだし。印象的なギターと口笛で始まった曲だけど最後まで残っていたのは口笛の音のみ。イントロはイントロでしかなかった、曲のフリでしかなかった。聴き始めた瞬間の印象と聴き終わった瞬間の印象が全然違った1曲。
アイドルからアーティストになったイドンの姿
このアルバムを聴いた印象はアイドルからアーティストに変化したという感想しかない。アイドルらしいキャッチーさというものは完全になかった。K-Popらしい音の暑さ、いい意味でのうるさい感じもない。タイトル曲のDAWNDIDIDAWNこそK-Popのガツンとくる感じはあったものの、他の曲は完全にアーティストらしい歌モノだった。
完全にPENTAGONやTriple Hとは違うイドンの姿がこのアルバムにはあった。全ての曲に作詞作曲として本人が参加していることからもわかるように、本当にイドンが表現したかったスタイルはこういう音楽だったのかなと思った。アイドルという枷がなくなり、自分がしたいことを表現させるようになったイドン。今後の作品もすごく楽しみ!と思わせてくれるものだった。イドンの音楽キャリアの転換となる作品に今後なっていくと思う。
というわけで今回は以上です。最後に1stミニアルバム全体のリンクを貼っておきます。ではまた!
イドンの「DAWNDIDIDAWN - EP」をApple Musicで
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