TWICEのFeel Specialは名前の通り特別さが感じられるアルバム
ティーザーの時から気になっていたFeel Special
TWICEが8枚目のEPとなるFeel Specialをリリースした。実はこのアルバムすごく楽しみにしていて、その理由はFeel Specialのリリースがティーザー。30秒にも満たないこの動画の中から聴こえてくるビートに完全に心を奪われていた。
Feel Special TEASER Silhouette Intro
この動画の12秒あたりから聴こえてくる音が完全に2stepで、このスタイルが単純に好きだという上にそもそもK-Popとの愛dようがめちゃくちゃいい。2stepが全面に出されたビートに心を奪われた。ティーザーの段階で名曲の予感しかしなかったK-Popはいつぶりだろうか。
せっかくなのでTWICEの新しいアルバム『Feel Special』を聴いていく前に、いくつか2stepスタイルのK-Popを紹介しておこうと思う。
2stepとK-Pop
2step(2ステップ)というジャンルはUKガラージというジャンルの一種で、ハウスミュージックの四つ打ちに対し変則的なリズムを持つ音楽。1990年代後半から2000年前後にかけて流行した歴史があり、2ステップの最も重要な特色の1つは、そのリズムが他多くのエレクトロニックミュージックのスタイルに見られる4つ打ちのような規則正しいキックドラムの演奏パターンを持たないことだ。説明で聴いてもわからないと思うので、おすすめの曲をピックアップして実際に聴いてもらおうと思う。
EXID - TROUBLE
K-Popの2stepの曲でいちばん好きかもしれない曲がEXIDのTROUBLE。日本オリジナルの曲でプロデュースはm-floの☆Taku Takahashi。m-flo自体のcome againやTRIPOD BABYのような2stepの名曲を持っている。
SHINee - Prism
個人的にSHINeeのなかでいちばん好きなアルバム『1 of 1』に収録されていたPrism。この曲も本当にかっこいい。
この2曲を聴いてもらえれば2stepというジャンルがどのようなものかわかっただろう。特徴的なビートなのでかなりわかりやすい。2つのリズムがミックスされていることに気づくはずだ。
TWICE - Feel Special
今回のトラックリストはこんな感じ。これを最初見たときに気になったのは1曲目のFeel Specialと6曲目の21:29。理由は作詞作曲に参加メンバーがFeel Specialはパク・ジニョンにOllipopとHayley Aitken。そして21:29にはMonoTreeが参加しているからだ。TWICEの曲ではSIGNALがいちばん好きなのでパク・ジニョンとTWICEの組み合わせを見逃すことはできないし、OllipopとHayley Aitkenも数多くのK-Popの名曲に参加している。MonoTreeも数多くの名曲を生んでおり、最近ではLOONAのプロデュースで有名。自分がK-Pop史上いちばん好きだったLOONAのユニットであるODD EYE CIRCLEのアルバム『Max & Match』では先ほど紹介したOllipopやHayley AitkenとともにMonoTreeがプロデュースした曲が収録されている。また作詞にはナヨン、ジヒョ、ダヒョン、モモが参加しており今回のアルバムは歌詞にも注目が集まっている。ONCEにとってもK-Popファンにとっても見逃せない作品だ。
それにアートワークのセンターが現在休養中のミナなのはすごく感慨深い。新人のイメージもすっかりなくなり、スーパースターになったTWICE。世界中で人気もあり、信じられないぐらい多忙。そんなTWICEがこのタイミングでこういうアートワークにしたことは、SIXTEENの時から今までのTWICEのメンバーの関係性を感じられる。
というわけで前置きは以上にして、TWICEが8枚目のミニアルバム『Feel Special』を聴いていこう！
1. TWICE - Feel Special
最初に聴いてみて思ったことは2stepメインの曲ではなかった！ということ。最初のティーザーと同じくイントロの部分では2stepだったが、歌が始まると2stepはアクセント的に使われるぐらいで、メインは違うスタイル。K-Popらしいダンスミュージックに四つ打ちの要素が入っていたり、アクセントで2stepを入れたという感じかな。チェヨンスタート珍しいよね。普段Twitterで人の曲の感想を見ることはないのだけど、この曲に関しては2step問題があったので、ついつい調べてしまった。そうしたら案の定、自分と同じようにティーザーでそれを期待して、実際曲を聴いたら違った！と反応している人が結構いた笑。
正直2stepがっつりの曲を期待していたので、数回聴いた段階では結構がっかりしていた。しかし20回以上聴いた頃にはその印象は完全になくなっていた。ただこういう様々なジャンルを取り入れつつもキャッチーなスタイルに仕上げるのはK-Popのいいところ。しかもそれを普段から積極的に実践しているTWICEなのだから、これぐらいの2stepの塩梅は正解か。そう考えるとこのFeel Specialはめちゃくちゃかっこいい曲だ。
最初こそ予想と違ったものの完全に意見は変わった。個人的にTWICEの曲でいちばん好きなのがSIGNALなのだが、もしかしたらFeel Specialは過去最高になるかもしれない。それぐらい聴いていて楽しく、さらにかっこいい曲。そう思うようになった。SIGNALとは違い、Feel Specialはまだリリースされてから1日も経っていないので、判断はしにくいが数百回聴けば、この曲が余裕でナンバーワンになる可能性はある。とりあえず今はApple Musicで聴いているので、CDが販売されたら音質良く聴くために、タワレコに速攻で買いに行こう！すでに2番目に好きな曲であることに変わりはないから。
2. TWICE - RAINBOW
こっちの曲が2stepかよ！！！と言いたくなる笑。Feel Specialよりこっちの方が2step感があるのだ。いい意味での裏切り。そのリズム感に合わせて元気でテンションが上がるような曲。すごく勢いがある。ラップも曲に躍動感をもたらしており、人気のある曲になりそう。最後のサビに入る前の少し溜めのあるようなの部分と、そのあとの音がシンプルになる部分がかっこいい。最後のサビに勢いをもたらすような。
3. TWICE - GET LOUD
2曲目と同じくスピード感のある曲。スタイルは違うけど、ノリ的には似た曲となっている。個人的な感覚としてはRAINBOWよりいわゆるK-Pop感が強い気がする。
あとなぜか普段の曲よりも、ジヒョの声がすごく耳に残る。この曲はなんというか常に音が力強い。タイトルのGET LOUDというのがすごく表されている。
4. TWICE - TRICK IT
これまたスピード感がある曲。今回のTWICEは休む時間を与えてくれない。ただこれまでの曲とノリは似ていても、曲のスタイルは全て異なってくる。ヒップホップ的な要素はこれまででいちばん感じられる。
この曲は初めて聴いた時から、この曲を聴くシチュエーションがすぐ浮かんだ。ドライブの時に聴くのはどうだろうか。スピード感はあるものの飛ばしすぎていない感じがするし、ちょうどいいような気がする。またダンスするのにもいいような感じがする。意外と楽しめる曲なのではないだろうか。
5. TWICE - LOVE FOOLISH
スピード感はなくなったが、曲のノリとしては同じような感じで、これまでの曲とつなげて聴くのにはバランスが取れている。
これまでの曲と比べて違うとことは、いちばん歌を聴かせていることだろうか。エレクトロニックなダンスチューンで、アクセントとしてヒップホップなど違うジャンルの要素を組み込んでいるのは同じ。ただ歌い方が違うように感じられる。
先ほどまではスピード感のあるトラックに乗せて、テンポの良さを重視したような歌い方。しかしLOVE FOOLISHはそれに比べると、しっかりと歌っているように感じられる。なんというか言葉をしっかり落としているといったような感覚。
ここで少しっ雰囲気を変えることは次の曲への繋がりと、マンネリ化しないためだろうか。
6. TWICE - 21:29
今回の個人的に気になっていた曲である21:29。前にも書いたようにLOONAの曲を多く手がけており、様々な有名アーティストにも曲を提供しているMonoTree。
MonoTreeは集団で色々なメンバーがいるのだけど、今回参加したメンバーは前回TWICEの曲をMonoTreeが手がけた時と同じ人。
TWICE - SAY YES
この曲を聴いてもわかるようにがっつりバラード。ギターの音に合わせてTWICEのメンバーが歌っていく。しっかりと歌詞を感じながら聴くといったイメージ。
それに比べると21:29もバラードという部分では同じだが、曲の雰囲気は全く違う。ギターの音が印象的だった前作に比べ、今回はこのアルバムの流れからもわかるようにそういった音は使われていない。
なので今回の21:29はこのFeel Specialというアルバムの中でのバラード曲という意味で成り立っており、今までのアルバムと今回は少し違うというのがわかるだろう。
全体的にスピード感があり、ざっくりいうとダンスチューンというような曲が多い今回のアルバム。なので今までのアルバムと比較すると全体的にテンションが高くなるような曲が多い。なので各アルバムのいちばん落ち着いた曲のみを聴き比べてみよう。そうするとこの21:29が他のバラードのポジションにある曲より、元気な曲という印象が生まれるだろう。
全く同じMonoTreeが参加している曲なのに、大きなテーマは変わらず、曲の雰囲気だけをガラッと変えることができるのは、さすが人気者というだけある。
7. TWICE - BREAKTHROUGH (Korean Ver.)
日本でリリースされた曲を韓国語にする最近よくあるパターン。せっかくなので日本語版のMVを貼っておく。
日本語と韓国語の両方が存在する曲でよくあることが、どっちかのバージョンが変に聴こえてしまうということだ。最初に聴いた方のリズムに慣れているから、違うバージョンができた時、その歌い方が変に感じてしまうときがある。
しかしこの曲は韓国語の方も自然に耳に入ってきたし、かっこいい要素は残しつつ、しっかり韓国語版にアジャストされたように感じる。個人的には結構お気に入りかも。日本でのTWICEの曲はどうしてもJ-Pop感が前面に出てくるけど、韓国語になっただけでK-Pop感を感じることができるのは、この曲のビートが様々なものに対応できる優秀なものだからなのだろうか。ちょうどいいバランスに感じる。
以前にEXIDの曲で色々な国の言葉のバージョンがある曲に関しての記事を書いたので、よければどうぞ！
TWICEのEP'Feel Special'を聴いてみて
というわけで、今回のFeel Specialの曲を順に見ていった。1曲目のFeel Specialが自分の中でぶっちぎりでよかったのだけど、みなさんはどうだったでしょうか。
今回のアルバムを聴いた印象は1つ。今までのTWICEと明らかに違う！ということだ。このアルバムの前半の方で、自分が何度もスピード感という言葉を使っていたことに気づいただろうか。
スピード感という言葉を何回も使ってしまうということは、曲が似たようなものが多いということ。これはワンパターンという意味ではない。スピード感はあるが、曲のジャンルは毎回違っており、個性は豊かだ。ワンパターンというよりはアルバムの一貫性が感じられるということ。
今までのアルバムだと似た雰囲気の曲があったとしても、がっつりバラードの曲やいわゆるK-Popといった大衆的でキャッチーな曲があったり、今回ほど一貫性があったアルバムはなかったように感じる。
しかもその一貫性も今までのTWICEとは少し違う個性だったように感じる。あくまで個人的な感想だが、少しTWICEが挑戦したように感じる内容だった。
他の事務所のグループで例えるのは間違っていると思うが、ぴったりくる例えがあるので使わしてもらう。
今までのTWICEは大衆的に受ける曲、いわゆる少女時代的な要素が多く感じられた。しかし今回はf(x)のような実験的な要素も感じられた。
少女時代の大衆性とf(x)の実験性の中間といった感じ。
待てよ、それRed Velvetやんか！
そうである笑。今回のTWICEのEPは、Red Velvetがやんちゃだけど、すごくキャッチーな曲を作ってくる感覚に近いものを感じた。もちろん真似したとかそういう話ではない。ここで挙げた4つのグループは全く似ていないし、全てが個性あるグループだ。ここで言いたいのはそういう大衆性と実験性の間を目指したようなアルバムに感じたということだ。
普段のTWICEはいわゆる大衆的なK-Popといった印象。しかし、今回は普段と少し雰囲気が違い挑戦的なように感じられた。しかし、TWICEらしい大衆性は無くしておらず、実験的すぎるということにはなっていない。その素晴らしい塩梅がTWICEの魅力なのだろう。
このFeel SpecialというアルバムはTWICEの中でも目立ったものになると思うので、ぜひ今回はその特別さを感じて、このアルバムを楽しもう！
あと最後にミナ！今回のアルバムの参加ありがとうございます。Feel Specialめちゃくちゃかっこいいです。本人が楽しんでTWICEとして活動できることがいちばんなので、好きなだけ休んで、また楽しく活動できるまでゆったり過ごしてください。最後に今回のアルバム全体のリンクを貼っておきます。ではまた！
追記
CDを購入し、1週間程度聞きましたが、Feel SpecialはTWICEの中でいちばん好きな曲ということで落ち着きそうです。最高！
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